表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジェリーフィッシュ実験記  作者: 八雲雷造
第1章 誰が為にキマイラは生まれる
2/18

0.序文



 むかしむかし、地球という惑星に、ひとりのエイリアンがおりました。エイリアンは、その惑星に住む人間という生物に、実験を施そうと考えました。


物語はこのようにして始まる。


 私の名前はワトソン。ブルーノ・J・ワトソンという。私はこの名前をたいへん気に入っており、今でもこう名乗ることにしている。

 この惑星で、私はとある実験を行ってきた。東京というメガロポリスに住む人間たちに対して行った、たいへんに重要な実験である。私はこの実験を、ジェリーフィッシュ実験と名付けた。


 ここに記されているのは、ジェリーフィッシュ実験についての観察の記録である。


  *


 私は正直なところ、人間というこの奇妙な生物に心酔してしまっている。

 彼らは実に愉快で興味深い生き物である。私が日本語というこの恐ろしいほどに非効率的な言語と、MacBookという極めて原始的なデバイスを使って文章を書くことに決めたのも、彼ら人間への純粋な好奇心と親愛の情によるものである。


 この惑星で行った実験があのような結果に終わった今でさえ、彼らへの親愛の情は、少し足りとも失われてはいない。

 私が遠く銀河の彼方、188万光年離れた私の住まいへと戻り、やがて別の役割を演じることになったとしても、私は彼らと過ごした日々を決して忘れることはないだろう。決して。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ