レンジくんは高校生
人生はとてもつまらない。
大人の言うことをきき、言われたとおりに行動するだけの毎日。
人生はとてもつまらない。
気づけば、朝、目覚ましの音に起こされ、当たり障りのない日常を過ごし、
何を得たでもないのに疲れた身体を休めるため寝床に潜ることを繰り返す日々。
「何も行動しないからだってのに」
夕日が差し込む学校の教室の入口に立ち一人、俺、天田蓮司はただ虚しいだけの独り言を履いていた。
なぜ、ここにひとり寂しくいるかって?
決して気になる女の子の体操服をクンカクンカするためではない。
そんなことする年齢でもないと思いたい。
あれは、性欲が我慢できなくなった中学生のチェリーくんとか、
青春を謳歌できなくてできなかった中年オヤジがやるイメージだ。
そうイメージ、俺は今をときめく高校生だ。
「まあ、もうあと1年もないんだよな。」
そう、今年から高校3年生だ、強くたくましい受験戦士となったのだ。
これから毎日、ヒャーハ-しながら勉強するのだ。
そうしないと、いい暮らしができない。
これから直面するであろう事実に言い訳しながら、目的の場所に向かう。
目的の場所、そう俺の机だ。
ただ忘れ物を取りに来ただけだ。
「君をできればおいて行きたかったよ。」
そう言いながら、机の中の重く積み重なった参考書を取り出す。
「これが女の子からの手紙だったら最高なのに。」
ため息混じりに、つぶやき、そそくさと鞄にしまう。
俺は、今をときめくつよくたくましい受験戦士なのだ。
そう、おれは受験戦士なのだ。
「虚しい、帰ろう。」
負のスパイライルから逃げ出すように教室をあとにした。
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俺は、現在、学校近くの寮に住んでいる。
朝晩付で、大浴場があり、一人部屋だ。
日が陰り、外灯が付き始め、うっすら照らされている寮に帰る。
自室へ入り、一息つく。
まだ、晩飯を、食べるには早い。
「勉強でもしますか。」
やるべきことはある程度やらねばならないのだ。
やりたくはないが、やらねば、なぜだかわかんがやらねばならない気がする。
鞄の中から、さっき取りにいった参考書をだす。
ヒラっ
参考書を出した勢いでなにかでてきた。
手紙である。
そう、手紙だ。
白い手紙がこちらを向いている
天田くんへ。
そう書いてある。
これは、まさか。
いや、そんなまさか。
この俺にまさかこんなことが。
「・・・ラブのつく手紙か。」
優しく、絹を持ち上げるがごとく拾い上げる。
手紙の裏を見る、封に使われているのは星の形のシール。
「・・・差出人の名前はないのか。」
いったい、誰かだしたのだろうか。
あけよう、そうだ、中に書いてあるに違いない。
そう思い、封をしているシールに手を伸ばす。
シールが剥がれるか否かのところで手が止まる。
「もし、この手紙が不幸の手紙だったらどうしよう。」
なにせ、このような手紙をもらうのは初めてである。
ラブじゃなかったら、向こう一ヶ月は寝込む勢いでショックを受けるであろう。
話を戻そう、いまは手紙をよむそれだけだ。
「よし開けるぞ。」
意気込みを口にし、止めていた手で封を開けた。
とたん、部屋を飲み込むほどの閃光で何も見えなくなった。
拙い文章ですが、適度に更新して行くので温かい目で見守ってください。