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神様が送り出す転生者達

作者: あきたネル

〇月×日

この仕事は終わらない。


〇月△日

またこのタイプか


□月〇日

やってしまった。


△月△日

アンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパンアンパン




冗談はこのへんにしておこうか。

初めまして。

私は神と呼ばれている存在です。

世界に存在する魂を円滑に循環させる

この職場でずっっっっっと働いています。

でも私がサボると、人口がどんどん減っちゃうか

変なものが産まれるからやらなくちゃいけません。

そうですね。人間で例えるならば

人間から象が産まれたりするのが当たり前になる。程度の問題です。


そんな些細なことは置いといて

今日は新しく来る新人に私のやっている作業を教える新人教育が始まります。初めての新人だからドキドキしますね。

生意気だからってこの前の転生者予定者の人みたいに消し飛ばす訳にもいかないだろうし。

軽く叩いたら魂が消滅してしまって、仕事がさらに増えたのは悪夢でした。夢なんて見ませんけど。


さて、とりあえず新人が来たので

転生者予定者を呼び出します。

まずは隣でどんな仕事をしているか見てもらいましょう。


「あれ?俺は死んだはずじゃ」

「ええ、貴方は死にました。ですが貴方が最後に助けた人はこれならの世界で活躍する人材でした。褒美に貴方を望む世界に転生させて上げましょう」


嘘ですけどね。あぁ、転生させるのは本当ですけど褒美云々は全て嘘です。たまたま死んで都合が良い人材を管理している世界に投げつけるだけです。

チート?とやらを授けるにも都合がいいですし。

原子レベルの力が入っただけでどうしてチート?とやらになるのからわかりませんが。

あぁ、たまに神になった。とか言ってる人間もいますが

それ騙されてますよ?

普通の人間が10の力だとすると。

チート?とやらが100

神になったとやらが億

程度です。

私?無量大数です。




1…………=いち

10………=じゅう

10の2乗…=ひゃく

10の3乗…=せん

10の4乗…=まん

10の8乗…=おく

10の12乗=ちょう

10の16乗=けい

10の20乗=がい

10の24乗=秭(じょorし)

10の28乗=じょう

10の32乗=こう

10の36乗=かん

10の40乗=せい

10の44乗=さい

10の48乗=ごく

10の52乗=恒河沙ごうがしゃ

10の56乗=阿僧祇あそうぎ

10の60乗=那由多なゆた

10の64乗=不可思議ふかしぎ

10の68乗=無量大数むりょうたいすう



ね。その程度で神になったとか言われても

騙されてるとしか言えないでしょ?

大方どっかの子供のオモチャとして遊ばれているのでしょう。

それか末端の末端の末端の末端の末端の末端の末端の末端の末端の

ぎりぎりでこの世界に踏みとどまっている天使がなんとか踏みとどまる力を得ようとして利用しているかですね。

おっと、このお話はまた後日にしましょう。

いまは新人教育でしたね。


あ。いけません。


「なら早くチートとやらをくれ」

「人間ごときが僕に向かって話しかけるなぁァァ!!」


あーあ。ヤっちゃった。

転生者予定者は存在が消失しましたね。

魂は肉体を得て過ごすだけでも

どんだけ価値が低くなる生き方をしようとも少しばかりは世界を廻す潤滑剤になるのですが。。。

神である我々が消し去ると存在が消えます。完璧なる無になるので利用ができないんですよね。

新人がいた事を忘れていた私の責任ですね。





さて、次の転生者予定者を出しましょうか。

消した者は戻ってきませんし。

はいはい。適当に質疑応答を繰り返し

送り出します。



そして新人の彼に教育をしていたのですが

送り出した彼がどうやら寿命を終えて戻ってきたようです。

ふむふむ。やりました!!大成功ですよ!!


どうやら彼はチートとやらを使って

ハーレムを作り、国を作り、世界を発展させたそうです。

その後、無事に寿命を終えて戻ってきたそうです。

時には幼い頃から利口な存在として。

時には冒険者として最高ランクまで上り詰めて。

時には悪徳領主を退治して。

時には世界滅亡の危機を救って。

他にも様々な出会い、冒険、発展、別れをしたそうです。



そんな彼は我々に感謝の言葉を伝えます。

前世ではどうしようもない存在だったけど

異世界ではとても満足の行く人生を送れたと。


そんなとき、私は彼に彼が死んでその後どうなったかを教えてあげます。

沢山の魂を入れる器を作ってくれた私からの些細な感謝の気持ちです。

彼が死んだその後、

私にしたらほんの一瞬。生きている人間からしたら何十年はどんどん発展したそうです。彼はその光景を喜んでいました。

すると、彼が沢山作った魂の受け皿。子供たちは

自分こそが正当な後継者である。と宣言をして争いを始めました。

そして次第に村は滅び、街は滅び、国が滅びて行きます。

いったいどれだけの人が死んだのでしょうか。

そして、それを止める人はいません。

私の原子レベルの力が宿った彼は死んでいるのですから。


彼は絶望した表情になり呟きます

「どうして。。。」

っと。


私は世界を最高の状態にしてくれた彼に上機嫌になったので律儀に答えてあげますよ。


ハーレムの一員である女性達は皆

本来ならば国を支えれるほどに有能な女性達。

だけど、彼が全部を妻にしたから。


奴隷だった子は

なにもできないとお思いですか?確かに彼女自身はなにもできませんよ。彼女自身は。


本来ならば奴隷として買われた先でその働きぶりから奴隷から開放され買った人の妻となる。2人の間に出来た子が外交官となり国同士の戦争は収めるはずだった。


今では彼との間にできた子供一筋で争いを起させてますけど。


狼の獣人の娘は

彼自身も知っていることですが族長の娘ですよねぇ?

その娘が産んだ子を一族も皆さんはどうすると思いますか?

結末は観ている通りですが。


本来ならば一族は平和に暮らしながら彼女のお陰で

商人との交渉。道づくり。畑づくり。

様々の事を彼女はして一つの国にまで発展したのですが。

獣人も人間も差別のない平和な平和な国にね。


今では一族全てが死にましたけどね。そして差別も無くならないでしょうね。





龍が女体化した子もいますね。

彼女自身が勝てない相手があったのは彼。。。

貴方ですよね。その貴方が無くなって、二人の間にできた子供がいる。

そりゃ争いを始めますよ。


本来ならば勇者とやらに討たれる存在だった。

可哀想だ。助けたからいいじゃないかって?

貴方には可哀想と思える力が私のおかげでありますが

普通は無理なんじゃないでしょうかねぇ?

家族や友達。村や街を殺した存在と仲良くなれますか?

でもあいつは改心した。ですか。

貴方には勝てないから仕方がないですよね。


でも貴方が死んでから、それまでに龍に殺された人達は彼女と仲良く出来ると?元々暴れたい彼女は喧嘩を売られて止めてくれる人も居なかったら。。。それがこの結末ですよ。


あー。そう言えば貴方は悪徳領主を倒したと言いましたよね。

本来ならばその倒した(殺された)領主は戦争が起きた時にそれまで溜め込んでいた財産を全て出して住民を1人も死なせないで戦争を乗り切ったそうですよ。

今では貴方に殺されたせいで住民も全て死んでますが。

そのとき、確か揉めた理由は貴方のハーレムに手を出したから。でしたっけ?貴方も自分ものに手を出されたらきっちり殺ってるじゃないですか。龍を憎む続ける人を罵倒するのはどうかと思いますよ?


他にもいろんな女性や子供がいるみたいですが

全員、争いに参加してるか、止めれてないようですね。

貴方がいたから彼女達は本来得たであろう人格は消え去ってますからね。

ある者は貴方が無くなったショックにつけ込まれて。

ある者は立ち直り止めようとしたが暗殺されて。

ある者は諦めてしまう。


アハハハハハ。

貴方は本当に凄いですね。

一番、世界にとって人が発展した上で死ぬ未来に導いてくれましたよ!!



え。もう一度転生させろ?

しょうがないですね。

では、チートも記憶も与えずに

貴方という存在を恨んで死んでいく予定だった人に転生させてあげるよ。


彼はその後ずっと死に続けた。

少したってから

戻ってきた時に

ちょいっと時間軸を弄ってあげて

彼に死んだ時の記憶を転生されろって言ってる彼にプレゼントしてあげると、彼は自分で自分を殺そうとしていていますが

ここは神じゃないと消せませんよ?


すると彼は訪ねてきた。

どうしてこんなことをするんだって?

そうですね。

循環させてるだけですけどね。

沢山の受け皿に注ぎ込んだ魂。

そして死んだ時に魂から発生する僅かなエネルギー。

このエネルギーが私達神にとってお金みたいなものですので、

発展させた後に滅んでもらうのが一番効率がいいんですよ。

すぐに人間の文明レベル上がっていくので

転生者を送り出すと勝手に発展させて

最後にはこうなりますし。


昔?今?未来?いつかはわかりませんが誰かが遊び心で日本という国の戦国時代に何人も転生者を送り出したんですよね。

その後、分かったことが

転生者が国を作り上げても

息子には当然、その力が宿る訳がないから

息子の代でほぼ、発展した国が滅びるということが。


親の片方が転生者。

もう片方も優れた人間。

その期待をずっと掛けられた幼い子供精神は壊れるんですよ。


ありがとう。

貴方のお陰で

私は新人教育に大成功を見せることができたので

とても感謝してますよ。


えっ?回避する未来はあったのかって?

ありますよ?当然。

貴方がハーレムを作らない。

貴方が冒険者にならない。

貴方が国を作らない。

貴方が世界を発展させない。

貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が貴方が


もうやめてくれって?ワガママですね。

あ。待ちなさい!!

新人!!今、また消し去ろうとしたでしょ!!

こんなに稼がせてくれた彼を消すことは許しませんよ!!


あー。

ごめんなさいね。

まぁ、貴方がなにもしなかったら良かったんじゃないですかね?

私は困りますけど。

ですが安心してください。

今までも数多くの転生者を送り出してますが

誰1人として平和な世界を築けた者はいませんよ。


みんな自分の好き勝手に動いて

必ず沢山の人を殺してくれますからね。

じわじわと発展させるのではなく

いきなり発展させると利益を求めるのが人間です。

転生者はそれがどうなるのか

深く考えているつもりでも、実に浅はかで必ずなにかしらのアクションを起こしてくれますからね。


さてさて、貴方は次はなにに転生したいですか?

また異世界ですか?

未来ですか?

昔ですか?

今ですか?

ゲームの世界ですか?

化け物ですか?


なんにでも転生させてあげますよ。

貴方がいくら争いを回避しようとしても

他の転生者を送り込んだら

結末は変わらないのですから。





転生者は産まれ続ける。

それが例え神と呼ばれる者の都合によって遊ばれてるとしても。

彼等、彼女等は気づかない。

自分達が産まれたことにより

その世界は発展と滅亡を繰り返すことになるということを。



さて、次はどのような物語を見せてくれるのでしょうか。

実は私が仕事をずっっっっっと続けるのは

面白いからなんですよね。

新人もそれが分かるときっとこの仕事を楽しんでくれることでしょう。

そしてできたら新人が受け持つ世界と

私が受け持つ世界で魂をやり取りできたら

今までにない出来事を見せてくれる存在もいるかもしれない。

な〜んて下心もあったりします。


さて、次はどんな人をどこに転生させようか迷いますねぇ。





シリーズにしようかと思いましたが

これを続けると、ただの転生批判になりそうな気が。。。

作者は転生者大好きですよ!!




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― 新着の感想 ―
[良い点] マジの神さま(エセ神じゃない本物)という視点が新しい。 楽しんでエグいことをしているのが良い。 [一言] シリーズにして欲しい。
[一言]  ・_・)」┃☆コンコン|ω・)チラッ えっと、つまり次のような理解でいいでしょうか。 〇世界という器の中に人があり、人という器の中に魂が入っている。そして、世界と人、人と魂、そして世界と…
[一言] かなり興味深い話でした。 この世界観だと、転生は神の生産・・・または神が物語を見るための犠牲でしょうか。 確かに、よくある転生では、「神のミスで~」とか、「手違いで~」とかが多いですけれども…
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