b.f.8
一通り散策し終わって、
お風呂に入って、
帰ってきたらお料理が運ばれてきた。
「晴くん、お魚!顔が!!」
「わぁーってるって。頭食う?」
「え、食べられるの⁉︎」
「見たことねぇけど。」
「っもう!」
こうやって、いつもいつも晴くんの調子に乗せられてしまう。
でも、そんな雰囲気が私は大好きだった。
「で、レモンは食べるんですか?」
「それは食べる!」
子供のときから、レモンは大好きなもんで。
晴くんは喉を鳴らしながら私にレモンを渡してきた。
「あ、このお刺身おいしい!」
「鰤だね、俺も好き。」
「ね、これ好きー、あ、あこれも!」
すべての料理にテンションのあがる私を
晴くんは箸を止めて、ずっと見てた。
………………
「晴くん、寝ちゃった?」
「起きてるよ。」
私の方を向いて、「寝れない?」と
つぶらな瞳で見つめてくる。
「ちょっと、興奮してるみたい。
完全に遠足の前日の小学生だよ。」
「ははっ、わかるかも。」
「明日のこと考えると、ドキドキする。」
「楽しみが膨らんでるもんな。」
「うん。ずっとずっと、こんな時間が続けばいいのにな…」
「なに言ってんだよ、また来ようよ。
北海道とか、沖縄とか、海外とか、沢山。」
「…うん。行けたらいいね。」
「俺、たくさん稼ぐから。
色んなとこ、旅行しよ。」
「そう、だね…」
5年後も10年後も、
ずっとずっと……
願わくば、
あなたと……。