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b.f.5
「ただいまー」
「おかえり。」
なんとか気を張って、晴くんを迎える準備をする。
「なんかあった?」
「え?」
「いつもと何か違うから。」
「そ、んなことないよ…
ちょっとご飯失敗しちゃったからかな?」
「ん〜…」
晴くんはちょっと納得してなかったけど、
私が何も言わないと思ったのか、
掘り下げることもせず、そっとしておいてくれた。
「ねぇ、晴くん。」
「ん?」
「どんなことがあっても、私は晴くんが大好きだからね。」
「ははっ、俺だって。」
「…近々、休みない?久しぶりに晴くんと出かけたい。」
「休みか…あったかな…」
「ちょっとでいいよ、有名になっちゃったら、
もう外を安易に歩けないだろうから今のうちに満喫したいだけ。」
「そっか。んじゃ明日聞いてみるわ。」
「うん…」
残り6日。
いつも通りに振舞って、
私は晴くんから離れる。
あくまでも、普通に。
いつもと変わらない私を演じる。