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b.f.2
「友紀!」
「おかえりなさっ」
ドアの開く音がして、
そちらを振り向く。
その瞬間、勢いよく抱きつかれた。
「どうしたの?晴くん。」
「…ま、った…」
「え?」
「デビュー、決まった…」
「嘘!!」
ガバッと離れて、晴くんを見ると
私の大好きなキラキラな瞳。
「ほんと。いつもみたいに路上ライブして、
帰ろうと思ってたら…
プロダクションの人が来てさ。
そんで…話聞いたら、再来月のデビューに向けて動こうって。」
「…そっか…良かったね、夢だったもんね。
おめでとう!晴くん!」
周りにどんなにバカにされても
決して夢をあきらめなかった。
陰でずっとずっと努力していること、
私は知ってたから。
だから、凄く嬉しかった。
「今日はお祝いだね。ご馳走作る!」
「うん、ありがと。」
晴くんのアシストができるように、
私も頑張ろう。