b.f.12
あれから、2年の月日が経った。
晴くんは華々しくデビューをして、
飛ぶ鳥を落とす勢いでグングンと人気をあげ
トップアーティストとなった。
夜の9時になる。
今日は、彼が出る日。
テレビをつけたら、司会の人と話す
晴くんの姿。
その隣にはギターの"マッツ"こと松野太一くんもいる
"今日は新曲の披露をしてくれるんですよね?"
"はい、そうなんです。実は、愛しい人に宛てた歌なんです。初めて作詞しまして…"
好きな人、できたんだ。
…そりゃそうだよね。
2年も経ったんだもん。
急にいなくなった、私なんて
「忘れてるに、決まってる…っ」
見ていられなくなって、飛び出した。
初めて、晴くんとデートするときに
待ち合わせをしたところ。
お互いに着いてるのに、まったく会えなくて
そしたら正反対にいたってやつ。
…女々しいな、まだ未練たらたら。
"それでは、テレビ初披露の新曲
君へ贈る歌"
街中の大きな画面にうつされた
晴くんの姿。
相変わらず、甘くて綺麗な歌声。
なに一つ変わってない。
歌詞も一緒に画面にうつりだす。
息が、止まるかと思った。
"急に僕の元から去ってしまった君。
なにも言わず、いつもと変わらず
僕の大好きな笑顔を残して、
僕との思い出を全て消し去って
雪のように消えた。
本当は知ってる
それまでの君は、ちょっと違くて
僕の前で無理して笑ってた
心の中では泣いてたのに。
僕は、知らぬふりをしてた
君の口から言われる言葉が何か
怖くて聞けなかった
でも今なら言える
どんな不安なことがあっても
僕は君が好きだと
今でも心から愛していると"
「は、るくん…」
私のことだと、自惚れてもいいのだろうか。
酷いことした私を好きだと、
なんで、あなたはまだ言ってくれるの?
あなたの元を去って、
毎晩のように泣いて。
もう、涙なんてでないと思ってたのに。
まだ、溢れてくる。
何度泣いたら気がすむんだ、というくらいに。
そのとき、フワリと後ろから何かに包まれた




