b.f.10
「今日はゆったりするか。」
「うん。」
ゆったりしながら、まだ行ってないところを
歩いた。
「あ、体験だって。」
「ガラス体験?」
「やってみる⁇」
「せっかくだし。やってみっか!」
小さな工房。
可愛らしい看板の横に
"ガラス体験できます"と書かれていた。
「色んなものが作れますよ〜
乗せるだけでいい、キーホルダーに写真たて、
釵なんかも。」
「へぇ〜」
芸術的センスが欠落している私は
乗せるだけでいい、写真たてを選んだ。
お互い、できるまでは見せない。
という約束で、
背中を向けてテーブルに目を向けた。
……………………
「できた?」
「で、できたけど…」
なんか、センスのセの字もないほどの出来栄え。
「いっせーの」
「え、ちょ、まっ…」
「せ!」
…バカ。
なんかノッて出しちゃったよ。
晴くんはカチンと固まって、私の写真たてを見た。
その晴くんの手には綺麗な釵が。
「きれ…」
「ぶっ!」
…。
「ぶはははははっ!」
「ちょ、そんな笑うことないじゃん!」
「ごめっ…と、止まんな…っ」
「もう!」
こっちは感動したのに。
違う意味で涙流してるし。
「ひーっあー、腹いてぇ。」
「そんなに笑うことないんじゃないですかね。」
「やぁ、友紀は良いものもってるよ。」
「うるせーやいっ」
「まぁ、プリプリしないで。」
そう言って、手に持っていた釵を
私の髪にかざす。
「うん、やっぱ似合う。」
ずるいなぁ。
その笑顔でなんでも許せちゃうんだから。




