壊れかけの世界で③
さて、本日は全校総会の日です。
急な予定変更での総会でしたが皆さん文句も言わずに集まってくださいました。
まぁ、皆さん何があるのかわかってるからこそかもしれませんね。
わかってないのはあの人一人ぐらいですかね。
「それでは、只今より全校総会を始めます」
司会者の開始の合図をきっかけに話し声が止み、それを確認し次の言葉を伝えます。
「まずこれからの進行をすすめてもらう人をいいます。柳白さん前に」
「はい」
司会者の声掛けに答え、私は壇上に上がります。
では始めましょうか、くだらない茶番を終わらせるために。
「紹介にあがりました、柳白です。ここからは司会者に代わり私が進行を進めます」
司会者からマイクをもらい、今日の総会の議題を述べます。
「さて、いきなりの総会で驚いている方々もいると思いますので、まずはその説明からさせていただきます」
私がそう言うと壇上に大きなスクリーンがセットされました。
「皆さん気づいている方もいると思いますが、最近仕事をしない役員が出てきています。始めの頃は注意をすればやっていましたが、ここ最近は全く。そこで、今回総会という場をかりまして皆さんの意見を聞こうと思い開きました」
そこまで伝えると、スクリーンに文字が映し出されました。
スクリーンには、『生徒会及び風紀委員会の役員交代について』と映っています。
「では皆さん、スクリーンをご覧下さい。本日の議題はこれになります。先ほども言いました通り、この役員たちは自分のことを優先し、しなければならないことをしなかった。なので、それについての謝罪をまずはしてもらおうと思います」
役員前に、その言葉を合図に壇上の脇に待機していた生徒会及び風紀委員会の役員が整列します。
私は生徒会長にマイクを渡すと邪魔にならないように端によります。
さてでは謝罪タイムに入るのですが、長くなるので一気に短縮します。
とりあえず、代表として生徒会長と風紀委員長の謝罪の言葉があり、他の役員も一言ではあるが謝罪を述べいった。
その後は全員で頭を下げ謝罪タイムを終了します。
因みに土下座はないですよ。
させてもよかったんですけど、色々ありまして…というかめんどくさそうだっただけですけどね。
では、会長からマイクを返してもらい再び進行を開始しましょう。
「はい、お疲れ様でした。では、役員の方々の処分についてですが、事前に取ったアンケートで《復帰の機会を与えてほしい》との言葉が多数ありました。ので、機会を設けることにします。皆さん、再びスクリーンをご覧下さい」
映っていたものが変わり、次に映し出されたのは今後についての簡単な説明です。
内容は、一ヶ月の選挙期間を設け再度生徒会役員を決めること、風紀委員は活動内容を徹底して見直し今後どうするのかを再度報告しもし改善の余地が見られなかった場合は即役員交代などのこと。
「スクリーンにもあるように、今日から一ヶ月の猶予を与え再度皆さんに出来ることを証明してください。もし、皆さんにとってあなた方の活躍が取るに足らないと判断された場合はその時は即交代となります。わかりましたか?」
私は役員前に立ち、確認をとります。
役員の方々は、頷いて了承する。
「全校生徒の皆さんも一ヶ月後にまた総会を開きますので、その時のためにこの方々の活動を見てください。もしそれに了承してくださるのなら拍手をお願いします」
そう言うと、ほとんどの生徒が手をたたきました。
「では全体の過半数の了承を得たので、一ヶ月の猶予を与えます。張り切って頑張ってくださいね。それではこれにて総会を終わりとしますが、何か質問がある方はいますか?」
と、それに答え一人の生徒が立ち上がり壇上にいる私に向かって一言
「ふざけないでよ‼︎」
と、大声で叫ばれました。
誰かはわかりますのね、姫宮さんですよ。
さて、最後の仕上げといきましょうか。
随分長くかかってしまい、すいません。次で最後ですのでお願いします。