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アラフォー探索者、ハズレ土魔法だけど第一人者になって大活躍する  作者: 富士とまと


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クリーンをお披露目

「……嫌がらせだったのに……。笑顔で受け取ったのは、意趣返しだと思ったのに……」

 小さなつぶやきはよく聞き取れない。

「本当だったなんて……何もかも、悪いほうにしか解釈できなくなってた……。私……」

 なぜか水切りゴムワイパーを上に抱え上げるようにして構える。

 うーん、持ち方としては魔法の杖だけど、ものが水切りゴムワイパー。

「底なしの沼、果てなき砂塵。逃げ場なき大地の掌をその身に刻め。重力は鎖となり、足元の静寂は呪縛の檻へと変ずる。贖えぬ罪を背負いて、永劫なる眠りの中に足元の沈黙を破れ」

 こ、これは、まさか……!

 魔法の、呪文?

 志崎さんの顔を見ると、遠い目をしている。

 ミサさんは一拍入れて、掲げていた水切りゴムワイパーを振り下ろした。

「『アビス・ドロップ』」

 すると、振り下ろした先に、穴があいた。

 1mくらいの、円形の穴だ。

 ボコりと。

「す、すごい……」

 私がイメージしている穴と全然違う。

 私の場合、穴を掘るイメージだから、掘った土は穴の横に積みあがる。まぁ、小さい穴はシャベル、大きな穴はシャベルカーで掘るイメージね。

 壁の場合はマインクランというゲームのイメージだから、取り出すみたいな?

 ゲームだと、掘ると、掘った部分の石や土がぽんっと四角いブロック状に出てくる。出てきたブロックを回収するとストレージにたまる。素材としていろいろ使えるようになるのだ。

 それをイメージしているから、壁は四角い形で切り取れてる。

 土……地面は掘ると穴は四角いのに、掘り出した土は山形になる。……イメージがそう固まってしまっているからだろう。

 うん?なんで四角い穴になるのか?この辺りは1m四方といった単位をイメージして大きさを決めている影響かなぁ?

 どちらにしても、ミサさんの穴とはずいぶん違う。

 掘ったはずなのに、土がない。掘ったというより、穴を出現させたというか、それこそアニメで攻撃を加えて凹ませたみたいな感じだ。

 出た土はどこへ行ってしまうのだろう?圧縮されているのか、目に見えないどこか遠くへ運ばれているのか?

「何これ、何これ、何これ!」

 ミサさんの興奮気味の言葉に意識を戻す。

 穴の周りのスライムは綺麗さっぱりなくなっている。

「もうどれだけ倒したんだろう!楽勝楽勝!」

「こら、ミサ!あまり調子にのってスライムの酸をかぶったら危ないぞ!お前は昔から調子に乗ると怪我をするだろう!」

 志崎さんが心配そうにミサさんに声をかけてる。

 なるほど。

 面倒見がいいのも、少々世話を焼きすぎちゃうのも、探索者の先輩としてというよりは「みんなのお兄ちゃん」的なやつ?

「ほら、足元をよく見ろ、そこ、残ってる、危ないっ!」

 ミサさんが振り返った。

「もう、お兄ちゃんうるさいっ!」

「うるさいじゃない、5倍危険なんだぞ、スライムの酸で消えない跡が残ったらどうするっ!」

「ぶつぶつ言ってないで手伝ってよ!」

「手伝うって何をだ?」

「穴の中から魔石を拾うとか!私が落とす、光になる、はい、拾って!」

 志崎さんが穴に飛び降り、魔石を拾い集めて上がってきた。

「はい、次だよ!拾って!」

 なるほど。志崎さんの家は妹の方が力関係が上なのか……と、ぼんやり眺めること20分ほど。

「おい、いつまで続けるんだミサ」

 志崎さんが顔をしかめると、ミサさんがハッと気が付いた。

「はっ、いけない。つい楽しくなっちゃって。ステータス……あ、レベルが……上がった。12になった……」

 志崎さんが穴から上がってミサさんの隣に並ぶ。

「12?やったじゃないか」

 ミサさんがちょっと涙ぐんでいる。

「お兄ちゃん、魔石、数えて!」

「え?あ、うん?消えるから外に出てからにするぞ」

 2人が外に出るようなので、一瞬引き留める。

「【クリーン】」

 特に志崎さんは土まみれになっていたので。

「え?何今の?」

 ミサさんが驚いている。

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― 新着の感想 ―
あんな中二感満載の呪文唱えてあの程度しか空けられない?。妹さんも土魔法かぁ。
受付嬢(志崎妹)、お前も土魔法やったんかーい
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