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アラフォーサレ女探索者~土魔法の第一人者になって大活躍するなんて想定外です~  作者: 富士とまと


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2度目のダンジョン

 次の日。

 持ち物チェック。

 背負ったまま動けるリュック。中身は飲み物と軽食。フローリングワイパー。魔石を入れるためのジッパー付きのポリ袋。

 タオル、ティッシュ。ウエットティッシュ。レジャーシートに地図。

 それからスマホや財布や鍵は別のカバンに入れてロッカーへ預ける。

 地図を見ながらスライム狩場へ。

 他に5人ほどがスライム相手に棒を突き刺していた。

 その様子を見ながら、やり方を真似する。

 動きが遅いので焦らずゆっくり、スライムの核の真上まで棒を持っていき、狙いを定めたら一気に突き刺すといいみたいだ。

 よし。

 フローリングワイパーの先っぽをねばーねばーとゆっくり移動するスライムの上にもっていき、えいやっとおろした。

 って、間違えた。普段掃除ではワイパーを下にしてるけど、スライムの核を突き刺すためには柄を下にしないとだめじゃん。

 と、思ったらワイパーの下から光ったのが見えたのでやっつけることができたみたい。ワイパーを上げると、赤い真珠のような形の魔石が残っていた。

 急いで拾ってポケットに入れる。

 これだと、狙いを定めるまでもなくない?

 フローリングワイパーの広い面をスライムに振り下ろせば核を狙うまでもなくやっつけられてしまう。

 見つけてはスライムにぎゅっっとフローリングワイパーを押し付ける。

 見つけてはぎゅっ。

 見つけてはぎゅっ。時々力が足りずに生きてるから、体重を乗せてもう一度ぎゅっ。

 スライム狩りの場所と言われるだけのことはあって、ずいぶん簡単に見つかる。

 ……赤い真珠みたいな魔石ですぐにポケットがいっぱいになった。リュックをおろして、ジッパー付きのポリ袋を取り出し、ポケットの中に入れたスライムからとれた魔石を入れていく。

「これ、1個いくらくらいなんだろうなぁ。4、50個くらいあるよ……1個100円でも4、5千円って、めちゃくちゃ割が良いのでは?」

 リュックの中に袋をしまって、再開しようと思ったら。

「うわぁーーっ、フローリングワイパーがないっ!」

 周りに人がいるわけでもないから誰かに盗まれたというわけではなく……。

 手から放しちゃったんだ。近くに置いてたから大丈夫だと思ったのに、ぱたんと倒れて思ったより距離があいてしまった?

「やらかした……ダンジョンに食われた……」

 1分で消失って、油断するとすぐだ……。

「っと、仕方がない……他のことをして時間をつぶそう」

 とぼとぼとスライム狩場を出てリゾートへと移動する。カバンからレジャーシートを取り出して座る。

 シートの上に置いたものは、手を放しても、シート越しに私とつながっていることになるため食われることはないらしい。

 カバンや本やご飯をシートの上に並べて楽しんでいる人の姿がある。中には花見に宴会かと思われるほど大きなブルーシートを広げてくつろいでいる人もいる。

 いくら大丈夫だと思っても、フローリングワイパーをあっという間に食われた直後。

 手から荷物を離すのが怖くて、リュックを抱えるようにして水を取り出して飲む。

「ぷはー。何をしようかなぁ……」

 レジャーシートの上にひっくり返って、空を見る。

「雲まであるんだもんなぁ……」

 そよそよと草木を揺らす風の音がする。

「風も吹いてる。青臭い匂いもする……」

 レジャーシート越しに地面の冷たさも感じる。

 少し離れた場所では長く美しい金髪をポニーテールにしているお姉さんが焚火をしていた。

 パチパチと燃える焚火。そこにキャンプ道具だろうか。鉄製の足が組まれ鍋が乗っている。

「え?なんで消えないんですか?1mは離れてるものもあるのに……」

 思わず気になって声をかけてしまった。

 女性がこちらに顔を向けた。

 綺麗すぎる。ばっちり濃いめのメイクをしているけれど、純粋な日本人顔というよりは少し西洋の血が入ってそうな顔をしている。

「よく見て、全部つながっているのよ、私の座っている椅子に針金が巻いてあるでしょ?その先が鍋の取っ手につながってるのよ」

 言われてみれば、針金が伸びている。全部どこかで何らかのつながりがあるから消えないのか。

 あれ?なら家を建ててもローブか何かで繋げた状態を維持して出かければ消えないのでは?いや、ダンジョンの外には出られないのか。

「良ければ食べない?焼きマシュマロ」

 綺麗なお姉さんが、マシュマロを串にさして私の方に向けた。

「え?いいんですか?ありがとうございます!」

 こちらからぶしつけに声をかけたにも関わらず返事をしてくれた上にごちそうまでしてくれるなんて、美しいだけじゃなくてなんて優しいんだろう。

 立ちあがってマシュマロを受け取ろうと図々しくもお姉さんの元へと近づく。


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