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アラフォーサレ女探索者~土魔法の第一人者になって大活躍するなんて想定外です~  作者: 富士とまと


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紙本を見直す

 再びダンジョンに入る。

 レベル2以上の人間は、1階層にとどまらないため列に並ばなくても入れる。

 長い時間並んでいる人たちの視線が痛い……。

 2階層へ進み、奥の壁、さっきまでいた半分ドーナツ型の場所へと行く。

「人がいる」

 穴をあけた壁の中に人がいる。

 これ、私の穴ですって主張してもいいんだろうか?

「何見てるんだよ!あっちけよ!ここは俺が見つけたんだからな!」

 怒鳴られた。

 ……まぁ、私が開けたとはいえ、私の穴ってわけではない……?誰がどこにいようと自由……なの、かな?

 争うつもりはないから、そのまま立ち去る。

「あ、半日で初期化するって話、穴が戻るときどうなるんだろう……はじき出される?まさか、埋まっちゃうなんてことないよね?」

 慌てて、3階層へとつながる場所へと向かう。壁沿いに進めばすぐだ。

「レベルの確認を行ってます。3階層へ進むにはレベル3が必要ですが、推奨レベルは4となります」

 よかった、職員さんがやっぱりいた。

「あの、聞きたいことがあるんです。ダンジョンの初期化について」

「はい、何でしょう」

「例えば、地面に穴を掘ってその中にいたとして、ダンジョンがもとに戻るときに、土が人の上からかぶさるのか、それとも下から土が盛り上がるようにもとに戻って人ははじき出されるのか……」

 職員さんはすぐに答えてくれた。

「過去に杭を打ち込んでもはじき出されてしまったという事例がありますので、異物は吐き出されるという結論になっております」

「あ、じゃあ、死ぬことはないんですね?」

 職員さんが残念そうな顔をする。

「……例えば、強い魔物から身を隠すために穴の中に隠れていた場合、はじき出されたとたんに魔物に襲われて命を落とす可能性があります。また、穴ではなく、岩を積み上げ足場を作った場合は足場が消えて落下し危険なこともあるかと」

 確かにそうか。

「なので、時間管理は怠ってはいけません」

 職員さんが腕時計を指さした。

「アラーム付きのものを使って管理するのも一つの手ですよ」

 なるほど。

「教えていただきありがとうございます」

「いえいえい。当然のことですから。それで、3階層へ進みますか?」

 ……えーっと、レベルが3あれば進めるけれど推奨は4だったっけ。

 レベル3あるから、進むことはできる。

「3階層で出てくる魔物はどんなものですか?」

「こちらをどうぞ」

 職員さんがポシェットから2つ折りの地図を渡してくれた。

 3階層の地図だ。出てくる魔物の説明、薬草や鉱石など採取場所や写真も載っている。

「ありがとうございます」

 出てくる魔物は、スライム、どつき兎、蹴り兎、かみつき蛇と、今までの魔物にプラスして、吹き出しスライムと角兎か……。

 魔物の説明によると、吹き出しスライムは、服が一瞬で解けるような酸を吐き出す。1階層のスライムとちがって大変危険。30センチ以上近づくと、ぴゅっと酸を吐く。スライムを見たら近づかないことで危険を回避できる。

「怖っ。スライムの動きは早くないから見逃さなければ問題ないとはいえ、注意して移動しないとうっかり踏んづけたら大惨事ってことね……」

 酸に強い靴とかズボンとか売ってるのかな?きっと探せばあるよね?後で忘れずに調べよう。

 角兎は、5センチの角が生えた兎。刺さると、怪我をするし、場所によっては命の危険がある。

「怖っ。ついに命の危険が伴う魔物が出てくるんだ。……でも3階層は倒せないほど強い魔物はまだ出ないってこと?4階層からどうなるんだろう……」

 そういえばレベルが10あれば3階層で危険なく過ごせるってあったけど、10まで上がると角兎の角も刺さらなくなるとか?うーん、本当に分からないことだらけ。

 どちらにしても今日はやめておこう。

 そのまま壁沿いに進んで行く。

「どうしようかなぁ……」

 魔力を確認する。

 MP:606/1072

「うん?少しずつ回復してる。前より回復する速さが早くなってる?」

 もしかして、初期化と同じ?12時間で全回復とか、24時間で全回復とかそっち系?

 だとすると、魔力が12なら1時間で1しか回復しないけど、魔力が120なら、10。1200魔力があれば、1時間で100回復するってこと?

「ははは、知らないにもほどがあるよねー。調べないとなぁ……」

 勉強不足にもほどがあるけど。

 引っ越し先も探さないといけないし……。せっかく荷解きしたというのに……。

 はぁー、引っ越すにもお金がなぁ。

 でも、また玲亜が来るのも、淳史が来るのもいやだ。二人が知らないところへ引っ越したい。鍵をかけなおしたとはいえ、二人とも何をしでかすか分からない。

 近所に私が盗んだと言いふらすくらいならやりかねない。

 ぶるるっと、体が震える。

「お金……お金……」

 ダンカリで物を売る?売れるの?

 4階層に行けないと3か月で出向が終了しちゃうのもきついなぁ。

 休みを1日消費しないと義務の8時間が消化できなくなるし。

 やっぱり4階層へは進めるようにしないと。

 3階層、見るだけ見てみてもよかったかも……。

 角兎が蹴り兎やどつき兎と同じような動きをするのなら、穴を掘って埋めるで倒せる。魔石は手に入らないけれど。

「あー、そうだよ!魔石を手に入れられればお金が稼げるのに……何かいい方法ないのかなぁ?」

 ん?あれ?

 もしかして、ダンジョンの中で8時間時間をつぶす必要があるんだから、考える時間は十分あるよね?

 探索者の心得だとか、ダンジョン大辞典だとか、本も出てるんじゃないの?そういう本を買って持ち込めば、ネットにつながらなくてもいくらだって情報が入手できるのでは?

「あー、盲点だったぁ。ネットで調べればいい!みたいなことばかりしてて、本で調べるっていう発想が抜け落ちてた」


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