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アラフォーサレ女探索者~土魔法の第一人者になって大活躍するなんて想定外です~  作者: 富士とまと


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買い取り価格

「佐藤さんは、1階層ですか」

 あ、私の番。

「1階層だと100円です」

 ひゃ、100円。でも、100個持ってくると1万円?

「どのダンジョンでも1階層から3階層まで提出されるものに差異がないということで、有用性が認められるものが発見されるまで買い取りが休止されます」

 うん?

「来月からは4階層以降のものの提出が求められます」

 嘘っ!

「そのため、4階層以降へ行くことができない者、及び行く意思がない者は3か月で出向は終了です」

 え?え?

 毎週月曜の出向が終わり?それって……。

 8時間ダンジョンで過ごす義務を、月曜日に達成できなくなるってこと?土曜か日曜がつぶれるか、会社が終わった後にダンジョンに通わないといけないってこと?

「それから、4階層へは現在ダンジョン協会からレベルによる入場制限がかかかっています」

 ああ、レベル2じゃないと2階層へは進めなかった。同じように3階層に行くにも4階層に行くにもレベル制限があったんだね。

「4階層に進むにはレベル8なので……」

 ちらりと青年が私の顔をみてから、小さくため息をつき、私が提出した泥団子、いや粘土団子?を、雑に大きな箱に放り込んだ。箱には1階層と書かれている。

 中身は草や木の枝や石がまるで廃材のように放り込まれていた。

「3か月で出向終了は厳しいな」

 3人でその場を離れると志崎さんが眉根を寄せた。

「そうだよねぇ、レベル1からレベル8まで上げるのに、毎日ダンジョンに通って3か月ってのに、働きながらじゃとても上げられなじゃん」

 雷電さんが志崎さんの言葉に相槌を打ちながら口を尖らせた。

「はぁー、そうなんですね、じゃあ、私は出向も3か月で終わりですかね……。すいません」

 謝罪の言葉を口にすると志崎さんが首を傾げた。

「なんで謝るんだ?」

「あ、ほら、ここの情報を教えてほしいと言っていたのに……」

 雷電さんが私の背中をバンバンとたたいた。

「あはは、気にしなくていいよ。教えてもらえたらありがたい程度だからさ。それに、さっきのダンジョンの1階がイモ洗い状態だったって話だけでも情報として有用なんだから。どこのダンジョンが混んでる空いてるってだけでもさ」

「でも、1階層とか2階層なんてお二人は関係ないですよね?」

 ため息をつきながら志崎さんがそうでもないとつぶやく。

「そうでもない。人が多ければ、見つかりやすくなる」

 見つかる?

「人に囲まれて時間をロスしちゃううの最悪だもん」

 雷電さんがうへーっと心底嫌そうな顔をした。

「あ、有名税……そういえば、志崎さん、初めて会った時サングラスして無精ひげ生やしていたのは、変装だったんで……あ、あの時、私、時間をロスさせちゃってんじゃ……ご、ごめんなさいっ」

「え?時間をロスさせたって、有希は何したの?」

「スマホを拾ってもらいました」

「あっはっは、そんな数秒のこと気にしなくていいよ、ねぇ、志崎?」

 志崎さんがふっと笑った。

「あの日は別にアタックしてたわけじゃないからな、気にしなくていいよ」

「アタック?」

 何のことだろう?女性にアタックするとかと意味は違うよね?

「ああ、記録に挑戦することだ。例えば、ソロで何階層まで潜ったとか、何階層まで最速で潜ったとか、あとはまぁ、深度。今だと世界一が62階層まで進んでいる。ただし、高レベルの精鋭を集め100人規模でそれがやっとだ」

「日本だと最高で60階層。レベル50を超えた探索者10人パーティーでの記録、志崎もそん時のメンバー。まぁ、日本一ってこと。ウチもその時、50階層までは荷物運びの補助でついてったんだよー」

「すごい、日本一!しかも、世界一の10分の1の人数で!もしかしてもうすぐ世界一になれちゃうんじゃ」

 というと、志崎さんも雷電さんも顔を曇らせた。

「難しいだろうなぁ……。せめて40階層に拠点が作れて、50階層まで荷運び人が往復できるようになれば進むんだろうが……」

「あ、もしかしなくても、食料の問題……?でも、誰かがリレーして、運べないんですか?」

「40階層へ大きな荷物を持って無事につくのは至難の業なんだよ、それこそ、トップランカーの護衛があればこそ。50階層まで運べる人間もね、数えるほどしかいない。大きくて重たい荷物を持って俊敏に動きつつ魔物から逃げたりやっつけたりなんてさ……」

 確かに大変そうだ。

 山登りだって、10キロ20キロ当たり前に背負っていくって聞いたことがある。自衛隊の訓練だと30キロ背負って歩き続けるとかだっけ?

 ……その状態で戦うなんて……。

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