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アラフォーサレ女探索者~土魔法の第一人者になって大活躍するなんて想定外です~  作者: 富士とまと


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幻の副社長


 ダンジョンから出て受付カウンターに向かう。

「あの、質問があるんですけど、その、収入を得たら確定申告とかどうしたらいいんですか?」

 これは大事な話だ。

「ああ、確定申告は必要ないですよ。買い取るときに税金を引いてますから。ほかの兼業とは違って本業と合算して収入合計を出さなくてもいいことになっていますし。今日から国が買い取る以外にも売れるようになりましたが、公式サイトでの取引では売値から税金を差し引いて探索者には渡されますから問題ありません」

 なるほど。確定申告不要はありがたい。いついくらで何を売ってとすべてメモしておくなんて難易度高すぎるし。

 ってか、本業と収入の合算しなくていいなんて、めちゃくちゃおいしい話なのでは?普通は本業と副業合算して税率とかも増えてくんじゃ……?詳しくは分からないけど。

 あれ?でも……。

「公式サイトを通さない売買はどうなるんですか?働いている会社に買い取ってもらったり」

 受付の人が首を傾げた。

「社員が会社へ納品というなら、会社側が税務処理をするので心配無用です。それから、公式サイト『ダンカリ』を通さない個人売買は、禁止はされておりませんが、トラブルの元になるためおすすめはしておりません。場合によっては脱税や危険物売買などで捕まる可能性も否定できませんので」

 なるほど。あまり深く考えなくても通常は問題ないってことなんだ、よかった。

「それから、出品前にはこちらの確認をお願いします」

 と、冊子を渡された。

 ダンカリの使い方に注意事項。魔石及びドロップ品と指定植物や鉱物一覧。これは国にしか売れないからここで買い取ってもらうしかない。横流しは重罪。

 念のため、鉱石のページを確認。

「えーっと、金属類はすべて国が買い取る……ね。石や土類に関しての記載はなし」

 なら、粘土は持って帰っても大丈夫だよね。

「……」

 バケツに粘土団子を入れて、背中のリュックから飛び出すフローリングワイパー。

 これ、不審者じゃない?

 買い物して帰ろうと思ったけれど、そのまま家に戻る。

 

 3日目 土魔法検証 10センチで消費魔力1

 魔法の呪文一覧

 【ぽこっ】

 【ボコッ】

 【ポンポン】←NEW

 2週目滞在時間5/8

 月滞在時間 16/32


 公式SNSにメモのような投稿。

 明日も仕事なのでさっさと寝る。

 ベッドに入って気が付いた。

 そうだ、魔力の回復について調べたかったんだ。

 それからシーザーさんと雷電さんに名刺貰って……メッセージアプリ登録して挨拶くらいした方がいいのかな?

 また月曜日に顔を合わせるなら、挨拶は……むにゃぁ……。



 会社に行くと、桜が興味深々といった顔で話かけてきた。

「ねぇ、親会社の副社長には会えた?」

「え?副社長?いなかったよ。会議室に関連企業の社員が100人くらい集まって、説明に現れたのが3人。えーっと、確か新プロジェクトの責任者たちで」

 おっと。どこまで新プロジェクトのことを話していいのか分からないので口をつぐむ。

 守秘義務があるみたいな話は出ていなかったので、言っても大丈夫なんだろうけど……。

「なんで副社長?」

 桜が首を傾げた。

「え?知らないの?有名な探索者で、ランキング上位。そのうえイケメン。SNSのフォロワー数は日本どころか世界でもトップ3に入るっていう……。副社長だけれど、探索者協会へ出向という形で会社で会える可能性はほぼないため幻の副社長と呼ばれている」

 有名な探索者で、ランキング上位。

 そのうえイケメン?

 志崎さんの顔が浮かんだ。

 いやいや花束を見て「副社長にあげるのか?」みたいなこと言ってたから、違うか。

 副社長だと誰も騒いでなかったから、いなかったんだよね?

「いなかったよ。それより桜は詳しいね。今まで探索者の話全然しなかったから、知らなかった」

「いや、話をしなかったのは……って、別に詳しくはないよ。っていうか、むしろ有希は、私ですら知っている人すら知らないってある意味すごいね」

 ……あー、結婚しなければ独身動員法でダンジョンに強制的にいかなくちゃいけない私を気遣って話を今までしてなかったのかな?

 なるべくダンジョンの話を耳に入れないようにって過ごしてたの、桜も知ってたもんね。

「あはは、そう、いろいろ知らなくて大変だよ。ダンジョンで物を運ぶの一つ苦戦してる」

「ん?物を運ぶのに苦戦?そういえば、収納魔法系が使えないのか研究したり実験したりしているけれど、今のところ成功した人はいないって話だよね」

「へー」

 桜が私を見た。

「……へーって、なんか探索者のこと知らな過ぎて心配だわ……。私より知識がないって……。で、出向で何をやらされるの?荷物持ち?」

「荷物持ち?なんでそんな話に?」

「いや、物を運ぶのに苦労してるとか、それって、収納魔法がないから、荷物運びを雇わないと深層に潜れないって話でしょ?」

 違うけど。

「副社長も物資の問題……主に食料面でダンジョン滞在日数が制限されるからなかなか深くは潜れないって。だから大規模なキャラバン……どっちか言うと小荷駄隊?を編成してダンジョン攻略を進めようって計画したんじゃないかって噂になってたよ」

「小荷駄隊?」

「ん、ああ、江戸時代とか、兵糧を運ぶ役割の人たち?」

 魔物を倒す役割と、荷物を運ぶ役割を分担するってことか。

 確かにリュック背負って、持ち物をひもでつないで魔物倒しながらなんて、強い魔物が出る場所ではどうにもならなそう。

 ……万が一荷物を失ったら、食料なしで戻れるのかな?食料を失ってもなんとか戻れる場所ってどれくらいなんだろう……。

「んー、荷物持ちで集められたわけじゃなくて、昨日国買取品以外の品であればダンジョンの物を売り買いできるように法律が変わったから、そっち対策の方なのかなぁ……?」

「あっ、そうだったね!ダンジョン産で一攫千金なんて夢があるよね!」

 桜の言葉に苦笑する。


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