表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラフォーサレ女探索者~土魔法の第一人者になって大活躍するなんて想定外です~  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/44

粘土玉

 魔力って、どういうペースで回復するんだっけ?

 安物の腕時計を見る。100円均一で買った200円の時計だ。高い時計はダンジョンに食われたときに凹むから安物で十分。

 ステータスを見ながら回復速度を検証。

 ……ふと思ったけどさ、時間を計るのに時計は必要だよね。探索者が時計を買うのは必要経費になると思うんだけど、高い時計買ってダンジョンに食われたことにして売り払ったら脱税できちゃうんじゃ?証拠もないし。いや、証明できないから逆に駄目なのか?

 って待って、探索者として得たお金とか必要経費とかどうすればいいの?そのあたり全然説明聞いてないけど……。帰ったら調べないと。

 5分経った。

「えー、回復しない……。まさか、ダンジョンの初期化みたいに、半日立つと全部戻るとかそんな感じじゃないよね?」

 どうしようかな……穴を埋めないといけないけど、手作業?

 レジャーシートを敷いて座って壁にもたれる。

「……魔法の、ご利用は計画的に……って、教えといてよ!」

 リュックからペットボトルのミルクティーを取り出し二口飲んだところで、ごばっと口からミルクティーを吐いた。

 すぐ近くにどつき兎がいる。まだ3mほどは離れているけれど、近づかれたらまずい。

 なんで、ここ、どつき兎の狩場じゃないよね?

 もしかして狩場はたくさん出て効率よく狩れるってだけで、それ以外の場所にも魔物って出るの?

 背後は壁で逃げ場はない。慌てて立ち上がったところで、どつき兎と目があった。

 びょんっとどつき兎が跳躍する。

「ぎゃーっ、助けてっ!」

 右に走って逃げようとしたところで、リュックとバケツをつないだひもに足を引っかけて、転んだ。

 体当たりの衝撃に備えて頭を抱えながら視線をどつぎ兎に向けると……。

 穴に落っこちた。

「今のうちだ。助かった……!」

 と、再び立ち上がり今度はビニールひもに足を引っかけないようにフローリングワイパーとバケツも抱えた。

 荷物を失わないためにひもでつなぐのも考え直さないと!逃げる時に邪魔すぎる。

 と思いながら追いかけてこないか後ろを振り返ると、どつき兎が落ちた穴から光が立ち上がるのが見えた。

「え?穴に落ちたくらいで死んじゃうの?」

 首をかしげている場合じゃない!1分以内に魔石を拾わなくちゃ!

「って、あー、この穴に落ちたのかっ!、何度も同じところを掘って深くした穴!何メートルあるの?そりゃ、落ちたら死ぬわ……」

 ……そして、倒せても魔石は回収できないね……。

「って、そうだ、時間っ」

 振り向くと、ちょうどレジャーシートはダンジョンに飲み込まれていくところだった。

「あ、あああ、また……食われた……」

 はぁ、次からバケツはやめよう。リュックにビニール袋で持ち帰る物を入れて運ぶのは十分だよね。

 探索者専用フリマサイト……ダンカリだっけ?にバケツ一杯のなんちゃらとか書いてあったからついバケツ持ってきたけど……。

 あと、スライム狩りしないときにはフローリングワイパーもいらないよね。邪魔なだけだ。

 手作業で、穴を埋めていく。

 穴の横にある土を横から手で移動させてポンポンとたたくだけなので、30センチの穴はさほど埋めるのが大変なわけじゃない。

 1mのは残り少ない魔力に注意しながら魔法で埋めた。

「あとは、この深く掘った30センチの……うん?」

 手作業で埋めようと思ったら、今までの穴から出た土と感触が違う。

 色も違う。

「え?もしかして、地層になってるの?」

 ぶにぶにした土。

「これ、粘土なんじゃ?」

 首をかしげる。

 よし、これを持って帰って会社に提出しよう。バケツに粘土の部分を入れる。意外と少なく、ドッヂボール1個分くらい。

「待てよ、これ、植物なら1本2本って数えて報酬がもらえるのに、土だとどうカウントするの?」

 バケツ1杯でも、野球のボール1個分でも同じ1でカウントされたり?

 まぁ、お金目的じゃないからいいんだけど……。値段が付くようになった時に10キロで1つとカウントされたら大変じゃない?

 10キロが1単位で、納品を10お願いしますなんて言われたら、100キロ運ばないといけないんだよ?

 無理だよね。うん、無理無理。

 と、いうわけで……。

 ドッジボール1個分の粘土を、野球のボール1個分くらいずつに分けて丸める。

 20個近くできた。まん丸の粘土玉。

「ん、なんか泥団子みたいだな……」

 積みあがった土を見る。

「粘土じゃない土も、丸めて泥団子にすれば、それを1つとして納品……すぐに崩れちゃうかな、さすがに……」

 昔流行った光る泥団子を思い出した。

 あれなら落としたら割れるけれど、手にもって運べるくらいには固まるよね?

 ……作り方を調べてみよう。

 今日は粘土団子20個。会社が買い取れるのは1種類20個までって言ってたからちょうどいい。これで、今月のノルマ達成。これを来週月曜日にもっていけばいいのかな?

 粘土玉20個入ったバケツを持ち上げる。

「重たっ!無理無理無理無理!」

 ぽいぽいとバケツから粘土を放り出す。5つでいいかな。

 5つでも2リットルのペットボトルくらいの重さがあるよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ