4.会いに行く(序章ー完ー)
ルミエールの表情が変わる。どうやら、図星のようだ。
「•••よく、分かったな。本当は人間のことが好きなのだ」
理由は過去にある。
ルミエールが六歳ほどの時、父から母に内緒である童話を読んでもらった。
『龍人と人間』という。話は日本の『泣いた赤鬼』の少し改良したみたいな内容だ。
泣いた赤鬼とは違い、人間が龍人と人間を仲良くさせるために立ち回る話だ。
だが、母、アレクシア•ガリアにその話を読んでいたことがバレてしまった。
アレクシアは誰よりも人間嫌いで有名で、当然。龍人と人間の話も大嫌いである。
「なぜこれを読んでいるのですか!陛下!なぜルミエールにこれを、これをー!」
ルミエール•ガリアは自分の母のことが苦手だ。この一件で、ますます苦手になったような気がしていた。
「そう、なんですか。すみません、辛いことを話させてしまって」
「よいのだ。いずれバレることなのだから」
ルミエールは微笑み、言った。
「あ、ありがとう、アス、トル」
「!僕は、何もしていませんよ」
二人は笑い合っていた。
「そろそろ夕食の時間だな。また明日ー」
「ルミエール様!外に人間が、人間が攻め込んでいます!」
突然のことだった。
また、人間が龍人の街に攻め込んだのである。
その中、ある声が聞こえる。
「アストル!アストルはいないのか!」
「と、父さん?」
ルミエールは部下と共に外へでた。その惨状はとても酷く、火が城の目の前にまで迫っていた。
(何が人間たちをこうさせる!人間は穏やかで、優しいはず!)
ひどく困惑しているルミエールに声をかけたのは、友人のラウルだった。
「おい!こんなところで止まってたらお前、死ぬぞ!」
その一言でルミエールは目を覚ます。
ゆっくりと周りを見渡し、首謀者を探す。
だが、それに値する人間がいない。
一人一人が自分の意思で、ここに攻め込んでいるのか。そしてまた、困惑に陥っていた。
その頃、アストルは自分の父と再会していた。
「アストル!よかった。何もされてないか、怪我はないか?」
約半年ぶりに再会した父は、いつもと変わらずに優しかった。
「母さん、母さんは平気なの?」
「あぁ、無事だ。お前がここに捕まったと聞いて、腰を抜かしていたよ。さぁ、早く帰ろう。ここは危険だ」
アストルは迷った。
両親とまた一緒に暮らしたい気持ち、また、ルミエールと話したい気持ち。
父の手をとってしましまったら、二度とルミエールには会えないだろう。
なのでアストルは、ある一つの行動に出た。
夜が開ける。
街は3/1が焼失した。かつてないほどの被害だ。
アストルの安全を確認するために、ルミエールは部屋へと向かう。だが、そこにアストルはいなかった。代わりに一枚の手紙があった。
『ルミエール様へ
この手紙を読んでいるころには、もう僕は◾️◾️へいると思います。すみません、勝手に出ていってしまって。この手紙の下に地図を置きました。星が示している場所は、僕と両親が暮らしている場所です。さしでがましいことですが、僕はまたルミエール様とお話したいです。気が向いたらここまで来ていただけると嬉しいです。
アストル•ラバンティール』
手紙を読み終えた後、地図を探した。風で吹き飛ばされたのか、地図はなかった。
言葉で唯一場所を示しているところも汚れてしまっている。もう、どこにいるか分からない。
そして自然と、ルミエールの目には涙が流れていた。
「•••私は行くぞ、アストル。また君と会ってみせる」




