表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
La souhait  作者: 白銀祐
序章 旅の理由
3/4

3.人間嫌い

 今日、九月十九日は、恒例の人間の様子を見る日だ。

 また、いつも通りにルミエールが様子を見て帰ろうとした。

 ここ二ヶ月は呼び止められることなく帰っていた。だが、久しぶりにアストルが呼び止めた。


「あの!また、お話をしませんか」

「•••用件は、なんだ」


 少し前なら無視を貫き通すものだったのに、こちらの話を聞いてくれようとする姿勢は、アストルを少しばかり驚かされた。


「僕、あなたのことを何も知らないような気がして。『自己紹介』をしませんか」


 ルミエールの表情が変わった。まるで、そんなことでいいのかと言いたげな。


「そんなことでいいのか」


 アストルの予測は当たった。そして、少し笑いながら


「はい、そんなことで、いいのです」



 アストルがルミエールを再び椅子に座らせ、声を張って名前などを申した。


「改めまして、アストル•ラバンティールと申します。趣味は、占星術ですかね」

「•••ルミエール•ガリア。以上」


 場の空気が静まり返った。何を話したら良いか、分からなかったからだ。

 ルミエールの表情は、申し訳なさそうな感じだ。


「何故、そんな顔をしていらっしゃるのですか」

「そんな顔をか。すまないな。俺は俺自身のことが、よく分からないのだ」


(よく、分からない。この人はきっと、いろいろなものを抱えているんだろうな)

 それと、一つの疑念が生まれた。



 月日が経つにつれ、アストルとルミエールが話す機会が増えた。四回に一回ほどだったのが、ほぼ毎回になっていた。当然、仲は深まっていた。


「珍しいな、お前がここまで仲良くなれるなんて。ましてや嫌いな人間と」


 ルミエールの友人、ラウルはそう言った。ラウルもまた、人間の監視役を担当していた。


「俺んとこの人間となんて、あまり話したことねえな」

「そうか。案外話してみるのもいいんじゃないのか」


 ラウルの歩いていた足が止まる。驚いたのだ。彼、ルミエールがここまで言うことに。

 話したら、きっと色々なことか分かりそうな気がする。ラウルはそう考えていた。



「アストル、入るぞ」

 

 三日に一度の監視に留まらず、ルミエールは毎日アストルの部屋へ訪れていた。

 きっと彼にとって、アストルと話すことは栄養みたいなものだろう。

 

「毎日ここへ来て、飽きないのですか?」

「不思議と、ここに来てしまっているだけだ」

「そうですか。あっ、聞きたいことがあるんです」

「なんだ」


「ルミエール様は、人間が嫌いではありませんよね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ