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La souhait  作者: 白銀祐
序章 旅の理由
2/4

2.監視役

 監視役は、三日に一度ほど人間の様子を見る役割がある。

 今日はその日だ。

 ルミエールが扉の前に立ち、三回扉を叩く。


「•••アストル•ラバンティール。入るぞ」

 

 人間嫌いであるルミエールだが、礼儀は欠かさない人だ。


「どうぞ、お入りください」


 ルミエールが扉を開ける。そこにはベッドの上に座る一人の青年がいた。どうも、体が少しばかり弱いらしい。


「大丈夫そうだな。では失礼するぞ」

「待ってください!少し、話をしませんか」


 青年、アストルは呼び止める。その真意は分からない。


「•••龍人は高貴な種族だ。人間ごときに使う暇はない」


 ルミエールが勢いよく扉を閉める。

 部屋の中で、アストルがため息をつく。


「人間、か」


 それから九日後。

 ルミエールが扉の前に立つ。そしてノックを三回叩く。


「アストル•ラバンティール。入るぞ」

「どうぞお入りください」


 このくだりが当たり前のようになっていた。

 ルミエールが様子がいいこと確認し、部屋から去ろうとする。


「お待ちください!お話、しませんか?」


 アストルは毎回、部屋去ろうとするルミエールを止める。だが、ルミエールはいつも無視して扉を閉める。

 いつも止められるので、ルミエールは不思議に思っていた。

(あの人間は何故、いつも私のことを止めるのだろうか)

 

 またそれから六日後。

 いつも通りルミエールが少しだけ様子を見て帰ろうとしていた。

 そして、いつも通りにアストルが止める。

 いい加減鬱陶しいと思ってきたのか、観念したのか分からないが、初めてルミエールはアストルの呼びに応えた。


「用件は、さっさと話せ」

「ふふっ、そう言わないでここに座ってください。なんだか長話になりそうなので」

「長話なら帰るとしよう」

「じゃあ短く話してみせます!」


 そしてアストルはルミエールを椅子に座らせた。

「ありがとうございます。僕が聞きたいことは一つだけ。何故僕を捕虜として捕らえたのですか」


 アストルの口から出たのは、ルミエールを少しだけ苛立たせる言葉だった。


「いざという時に、人質として扱えるからだ。それだけか」

「いいえ、僕が聞きたいのはその答えではありません。体の弱い僕を捕える必要などないでしょう」


 一理ある、一瞬そう考えたが、すぐに打ち消した。


「捕虜を選んだやつが、お前でいいと判断したのであろう。話は終わったか」

「はい、ありがとうございました」


 もう少し長くなると思っていたのだが、ものの五分ほどで終わった。


 ルミエールが帰った後、アストルは本を読み始めた。『龍人と人間』という童話を読んでいた。

 その童話は、古くからある有名な話で、最近では劇などが開演されたりしている。

 一部の人間はこの話が嫌いで、その題名を口にすると、酷い目に遭わされるらしい。

 たまに、そのことでテロが起こるほどのものだとか。

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