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La souhait  作者: 白銀祐
序章 旅の理由
1/4

1.龍人の街

 紀元402年、ガリア国

 その国の北の果てには、気高き龍人族が住まう街があった。

 その街に行くには、ブリタニア王族であること。街までの道にある森を抜けてくることが必須であった。

 歴史上200年、人間がその街にたどり着いたことはなかった。

 そして今、森の中に一人の龍人が歩いていた。季節は冬。龍人は相当着んでいた。


「私はもう一度会うのだ。それまでは絶対に諦めない」


 紀元400年

 龍人の名前はルミエール•ガリアと言った。彼は龍人族の王族だ。

 周りから甘やかされて育ったため、大変自己中心的な性格だった。誰もがそう、思っていた。


「おい、茶はまだか」

「す、すみません!まだ入れている途中でして•••」

「•••はぁ、まったく。あと2分で私のもとに持ってこい」

 

 ルミエールはいつも高圧的な態度で接するので、使用人たちは入れば辞めていくの繰り返しだ。

 『氷の王子』、たちまちに彼は陰でそう呼び始められた。

 

 そして彼の昔からの友人は知っている。彼、ルミエールの本当の性格を。


「なんでお前はいつもそんな態度をとるのかねー」

「•••母は厳しい人だ。最早厳しいを通り越しているのかもしれない。母の使用人は俺の使用人から最も良いものから選ばれる。過去に使用人が母に就いたとき、たったの三日で解雇処分となった。とても優秀だった。この城を去るとき、すごく泣いていたのをまだ覚えている。もうあんなこと起きないようにあの態度で接しているが、逆効果だったな。•••すまない、長話がすぎた」


 ルミエールの本当の性格は、心優しいものだ。ただ一つ、人間嫌いという欠点があった。

 これは彼の母からの遺伝だ。人間は愚か、気高き龍人とほぼ同じ見た目をしている。

 母のことが苦手なルミエールだが、人間嫌いという点だけは、否定できなかった。

 

 ーそれから数日が経過した。

 いきなり人間が龍人の街を襲撃しに来たのだ。数が多く、勢いもあったため、すぐに門兵たちが破られてしまった。

 そのまま街の中心部、ルミエールが住まう城まで辿り着いた。もちろんルミエールは人間の襲来には気づいていて、王妃と王がいる部屋に留まっていた。


「愚かな人間どもめが高貴な龍人の街に入るとは。ましてや、城にまで入るだなんて!」


 王妃がとても悔しそうな表情をしている。人間嫌いであるルミエールも当然、同じ表情をしていた。


「いたぞ!王はここだ!」

 

 人間たちがとうとう王たちがいる部屋に辿り着いた。


「•••誰の許可を得てここにいる」

「うるせえ!俺たちは、お前らに復讐をしにきたんだ!」

(私たちは人間の街に一度も足を踏み入れたことはない。そんな私たちに復讐とはなんだろうか)


 ルミエールが人間の方へ近づいていく。瞬きをするうちに男が一人、気絶し、倒れていた。


「て、てめぇ!親父に何をした!」

「何をか。愚問だな。腹に一撃拳を当てただけだ」


 ルミエールの言っていることは本当だ。

 

 龍人は神から最も愛されし者。全てにおいて人間より勝っている。腕力、頭脳、運動神経。

 人間の腕力は龍人の1/4だ。腹に一撃入れるだけでも失神する威力だ。


「殺してはおらぬ。人間ごときに手を汚す必要はない」

 

 一時間後。

 街に侵入した人間たちは全て、ルミエールの手によって倒された。そして、人間のうち十人ほどが捕虜として捕らえられ、部屋に入れられた。

 人間一人一人に監視役がつけられ、逃げられないようにしていた。

 ルミエールも、監視役の一人に選ばれていた。理由は、龍人としてはまだ半人前だからと。王からの命令だったため、断れなかった。

 王妃は猛反対していたが、渋々首を縦に振った。

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