北豪上空航空撃滅戦
1) 空中撃滅戦:作戦の枠組みと経過(戦術面)
前提:日本側はモレスビー占領で得た前進飛行場群(モレスビー近郊、
ニューギニア南岸、ラエ・ラバウルの基地群)を基点に、北豪(ダーウィン
〜ブルーム〜ホーン島方面)への継続的爆撃・制空作戦を実施。米豪側は
RAAF+限定的な米軍航空隊で迎撃するが、機数・整備・援軍で劣る。
主要作戦目標(日本)
• 豪北部の主要飛行場・給油・港湾施設を根絶的に破壊して、豪の航空反撃
能力を喪失させる。
• 航空輸送・補給を妨害し、豪の戦時経済と士気を低下させる。
• 英米の反撃遅延を図り、外交的分断を誘う。
フェイズA — 先制航空攻撃(短期集中)
• 日程:作戦D-dayを中心に数回の波状攻撃。
• 日本の手口:長距離爆撃機(陸上・艦載)でダーウィン、ホーン島、ブ
ルーム、カヌーラ等を狙い、滑走路・給油施設・整備ドック・レーダーサイ
トを優先破壊。
• 豪側対応:RAAFの迎撃は数的に圧倒され、地上の防空砲とレーダー網が損
傷。被害は一気に拡大する。
フェイズB — 航空撃滅(決定的交戦)
• 日本は戦闘機群を投入して空域での制空戦を展開。連続的な掃討でRAAF・
米援軍の戦闘機群を空中で殲滅・地上で壊滅させる。
• 重要点:索敵と指揮統制の優位が決定打になる。日本の前進基地は索敵網
を広く持っており、迎撃機を待ち伏せる形で撃破できる。
フェイズC — 維持的封鎖・圧迫
• 制空権を得た日本は定期的な爆撃と夜間の襲撃で港湾・補給線を断続的に
破壊。
• 豪は空路での補給が困難になり、海上補給も日本潜水艦・航空の威嚇で極
度に危険になる。
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2) 軍事的被害(短期〜中期)
RAAF/米協力部隊の損耗
• 戦闘機・爆撃機の喪失率が高く、整備可能な機材が急速に枯渇。
• 飛行場への被害で離着陸ができない機体が続出。整備員・燃料タンクが破
壊されると復旧に数週間〜数か月。
港湾・インフラ被害
• ダーウィンの港湾施設、給油タンク、桟橋が集中攻撃を受け、海上補給能
力が著しく低下。
• 貨物・食料の積み下ろし能力が損なわれ、物資不足が発生。
海上被害
• 日本潜水艦・艦載機による物資船撃沈で補給が麻痺。商船の損失が増え、
藩政当局は船舶徴用の緊急措置を取る。
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3) 豪国内の政治・社会的動揺(タイムラインと要素)
D+0〜3日(衝撃と情報の混乱)
• メディア報道で一斉に被害が伝わる。邦人・軍人の死傷者数が急増し、各
地で非常事態宣言的な措置(夜間外出制限、ラジオでの非軍事情報の統制)
が導入される。
• 移民・避難計画が即時発動。ダーウィンや北沿岸都市からの避難船・列車
が混乱。政府は軍に移民支援を要請。
• 議会は緊急招集。与党・野党ともに「政府の対応責任」を巡る激論が始ま
る。
D+4〜14日(不安の拡大と経済ショック)
• 物流の停止で食料・燃料不足が出始める。都市部では買い占めと物価高
騰、救援物資の遅延が発生。
• 労働争議やストライキが懸念されるが、戦時法規で抑えられる。民間の不
満は共同体レベルで増大。
• 地方自治体は緊急避難所を設置。軍事的に重要な人材(船員・整備士)へ
の徴用が始まる。
D+2〜6週(政治的危機と講和議論の台頭)
• 議会内で「戦争継続派」と「停戦・交渉派」に二分化。野党は政府の「同
盟無視」を追及、政府は英米支援の遅滞を批判。
• 世論調査(ラジオ報道・新聞)が「講和を模索すべき」方向へ傾く。負傷
者・避難民の映像が国民感情を変える。
• 豪首相は英首相・米大統領への緊急外交文書を準備しつつ、最悪の事態
(独自交渉)を視野に入れた極秘委員会を設置する。
D+2〜4か月(制度的対応と社会的分断)
• 停戦交渉の声が政治的実務に昇格。豪国内では「愛国的な継戦支持者」と
「実利的な停戦支持者」の社会的対立が生まれ、街頭デモ・小規模な暴力的
摩擦に発展する危険がある。
• 英側の同調が得られれば豪政府は「英主導の停戦手続き」を模索するが、
英が強く反対すれば豪は「独自の命運選択」に追い込まれる。
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4) 政府の即時対応(実務的措置)
1. 緊急内閣会議・戦時令の発動
• 食糧・燃料優先配分、移動制限、財政融資の緊急承認。
2. 避難と民生支援
• 北部住民の軍手配避難、難民センターの設置、医療・食料配給の確保。
3. 軍事対処
• RAAFの残存部隊を南部へ後退配備し、海上・空域の最小防御ラインを形
成。米との連絡強化で追加航空支援を要請。
4. 外交行動
• 英に即時協議を求め、米に追加航空機・空母の派遣を要請。英は物理的援
助が難しければ外交的支援で政治的正当性を与える方向に動くか検討。
5. 情報統制と宣伝
• 政府は情報統制を強化し、敗北感情を沈静化するための声明・プロパガン
ダを流す。だがこれが逆効果で不信感を招くリスクもある。
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5) 英国・米国側の対応と議論
英国
• 欧州戦線との兼ね合いで直接軍事介入は限定的。外交的には豪を支持する
声明を出すが、軍事資源の投入は限定的。
• 英は豪に「停戦交渉は英経由で行うべき」と要求し、豪の独自行動を抑え
ようとする。
米国
• 米は政治的に豪を見捨てる余裕がなく、追加空母・機材派遣や輸送機によ
る援助を急ぐ可能性が高い。だが国内の生産・整備能力や海上護衛能力の制
約で即時全面介入は困難。
• ルーズベルトは議会に対し援助の増額・戦略の見直しを求めるが、与野党
の賛否は情勢次第。
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6) 社会心理と長期的影響(中〜長期)
• 国民の戦意:北豪での日常爆撃や避難生活の長期化は国民の戦意を低下さ
せる。これが「講和論」を政治的に後押しする。
• 経済:鉱産・農産物の輸出が滞り、バランスオブペイメントと財政が圧迫
される。物資事情が悪化すれば産業の戦時生産性も落ちる。
• 社会分裂:戦争支持派 vs 現実主義派の対立が激化し、ポピュリズム的政
治家や領土問題を利用する運動が台頭するリスクがある。
• 戦後処理:たとえ戦後に復帰できても、豪の国際的信用・立場は損なわ
れ、戦後交渉で不利な条件を飲まされる可能性がある。
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7) まとめ:可能性と分岐点
• 即時の結果:北豪での航空撃滅が成功すれば、豪の軍事能力は短期間で著
しく低下し、政治的動揺が爆発的に拡大する。
• 分岐点:英が速やかに政治的・限定的軍事支援を示すか、米が空母・航空
支援を迅速に増派できるかが、豪の「講和への傾き」を食い止められるかの
カギ。
• 最悪シナリオ:英の支援が得られず、米の物資援助が遅延すれば、豪は
「英との相談の上で停戦→単独講和」へ動く確率が急上昇する。
• 最良シナリオ:米英が迅速に増援し、短期的に制空奪回・補給回復を実現
すれば、豪の動揺は限定的に終わり、連合側は再び団結する。




