MO作戦(Port Moresby侵攻作戦)
MO作戦(Port Moresby Operation)概観
目的
1. ポートモレスビー港と滑走路を占領・確保し、オーストラリア北部へ向け
た前進基地を構築する。
2. 南太平洋の敵補給線と連絡線を遮断し、豪州の戦略的価値を削ぐ。
3. 英米連合側の反攻余地を狭め、日本の南方支配を固定化する。
時期
• 1943年1月中旬〜2月(上陸・滑走路確保は1月下旬を想定、以後補給・整
備で2月〜3月に安定化)
基本方針
• 主目標は「確実な上陸と滑走路奪取」→そのため輸送隊の護衛と局地的な
制空制海権確保を第一にする。
• 全戦力投入は避ける。決定的な艦隊決戦を挑まず、機動部隊+前進基地航
空+夜間護送の組合せで輸送を成功させる。
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オーダー・オブ・バトル(主要艦・部隊) — 要旨
(日本側) — 上陸主体は陸軍、海軍は海上護衛・艦砲支援・航空支援を担
当。
• 上陸部隊:陸軍第17軍(約30,000〜40,000)+増援一個師団(合計45,000
〜55,000を目標)。※編成は海兵的上陸師団編成相当。
• 輸送船団:輸送船50〜80隻(兵員・車両・弾薬・燃料を運搬)
• 護衛艦隊(海上護衛群):
• 戦艦:3隻(砲撃支援・抑止)
• 巡洋艦:4〜6隻(火力支援・対空)
• 駆逐艦:12〜18隻(護衛・雷撃)
• 潜水艦:哨戒・前方索敵に数隻
• 機動/艦載航空:
• 空母:1〜2隻(上陸支援・艦隊防空)
• 陸上機:ラエ・ラバウル・トラック・ニューギニア南岸の基地からの戦闘
機・爆撃機(多数)を投入
• 補給部隊:前進基地(既占領の沿岸港)で港湾復旧チーム、浮桟橋・油
槽・修理チームを準備
(連合側:米・豪・英) — 防御はオーストラリア・米豪前線、小規模の米
艦隊反撃:
• ポートモレスビー守備隊:豪軍+米小口部隊(数千〜1万程度、史実より薄
い想定)
• 米側前進艦隊:空母1〜2、巡洋艦・駆逐艦部隊(索敵・迎撃)。だが内南
洋大海戦で消耗し、主力は限定的(史実の成功条件を満たす)。
• 飛行支援:カヌラ/タラ/ソロモン方面からのRAAF/米陸軍航空隊による防
空・迎撃(史実同等かやや強化)
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必要条件(成功を左右する要素)
1. 索敵情報の優位(日本の偵察網が米艦隊の位置と動向を把握)
2. 艦載機/陸上航空の局地優勢(上陸地点周辺での制空権)
3. 夜間・早朝の護送技術(夜間接近・煙幕・分散接近)
4. 港湾の即時修復能力(滑走路・桟橋を速やかに使えること)
5. 敵の反撃タイミングを逸させること(米空母の再編や増援到着前に決着を
つける)
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作戦フェイズと日程(フェイズ毎の細目。D=作戦開始日)
準備期(D−30〜D−10)
• 前線基地(ラエ、ラバウル、ニューブリテン)で燃料・弾薬の集中と輸送
船の整備。港湾修復・仮桟橋準備班を待機。
• 海軍は護衛グループを編成、駆逐艦・巡洋艦の修理を完了させる。潜水艦
は米前進線に展開、索敵任務に入る。
• 陸軍は揚陸訓練、滑走路建設隊の訓練を実施。空輸隊(負傷者回送・即席
補給)を整える。
• 情報工作:沿岸偵察、電文傍受で米軍動向監視。気象班が最適な夜間接近
ウィンドウを特定。
前進期(D−9〜D−4)
• 輸送船団をトランシット地点へ夜間移動。護衛艦は前方海域で対潜哨戒を
強化。
• 空母・陸上機により、モレスビー周辺の敵飛行場・哨戒網を断続的に攻撃
して索敵力を弱める。
• 潜水艦・偵察機で米機動部隊の位置を確定し、米側の迎撃機会を分散させ
る。
接近期(D−3〜D−1)
• 輸送船団は小分隊(縦列)で夜間接近。海軍は煙幕・夜間航法・航路分散
を用いる。
• 空母は上陸日の早朝・日中に上陸支援用の制空・対艦攻撃を準備。陸上機
は滑走路候補地に対する爆撃と対空掃蕩を実施。
• 米側が空母で迎撃に出る場合、日本の機動部隊は誘導戦(索敵情報を使い
米艦を誘い出す)を行い、空母群同士の交錯で米の集中を分散させる。
上陸日(D)
• 夜間〜明け方に上陸班が接近、上陸は早朝の薄暮時間帯に実施して防空の
盲点を突く。
• 上陸直後に滑走路確保班を投入して即席滑走路を整備。重機・工兵は上陸
船とともに持ち込む。
• 海軍は艦砲射撃で沿岸抵抗を圧し、空母・陸上機で空域支配を行う。駆逐
艦は港湾周囲の機雷敷設・掃海を行う。
固定・拡張期(D+1〜D+21)
• 港湾復旧、燃料貯蔵建設、滑走路延長。上陸後3週間で簡易飛行場から戦闘
機が運用可能になることを目標。
• 補給船の常時往復を確立(少なくとも週1〜2便の大型輸送を持続)。護衛
は巡洋艦+駆逐艦でローテーション。
• 敵の小反攻・空襲に対し、陸上防空・艦隊の砲撃で阻止。増援師団の追加
上陸も同期間に段階実施。
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輸送・補給計画(現実的な数字案)
• 初期上陸量:兵員35,000〜45,000、車両・砲兵・弾薬・燃料で60,000〜
80,000トン相当の物資を初期フェイズで輸送。
• 輸送船数:50〜80隻(うち輸送専業50隻、補助艦艇として揚陸舟艇多数)
• 1回当たり輸送量:1〜2万トン規模を想定し、上陸開始までに3〜4回の往
復を計画。
• 燃料:飛行機・装甲車両運用を考慮し、初期燃料備蓄で2〜3ヶ月分を目
標。前進地での石油供給は段階的確保。
• 補給経路:主経路=ラエ/ウエワク→ポートモレスビー
。護衛の輪を厚く
し対潜を強化。潜水艦により反輸送作戦を想定する敵を牽制。
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戦術のキモ(詳細ポイント)
1. 夜間接近と煙幕運用:輸送隊は夜間到着を標準とし、煙幕と分散航行で敵
航空索敵を回避。夜間は対空リスクが低いが対潜・座礁リスクに注意。
2. 索敵情報の集中処理:潜水艦・飛行艇からの情報を作戦司令部で即時処理
し、米機動部隊の動きを逐次かわす。
3. 機動誘導(decoy):小機動部隊を用い、米空母を別海域へ誘導。これに
より輸送海域の敵空母集中を緩和する。
4. 上陸直後の滑走路最短化:エンジニアを先行させ、即席滑走路(砂地を固
める等)で数日内に戦闘機を飛ばす。
5. 海上/岸上連携:艦砲支援は上陸時の火力支援に特化。巡洋艦主導で指示
を受け、着上陸セクター毎に連続支援を行う。
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敵の反撃と対策(想定リスクと対応)
1. 米空母の迎撃
• リスク:米空母が接近して輸送隊を空中攻撃する。
• 対応:輸送隊を分割し夜間接近、空母を誘導する機動部隊で時間を稼ぐ。
陸上機と空母艦載機で速やかに迎撃。
2. 潜水艦の妨害
• リスク:米潜が輸送船団に対し効果的なら補給が滞る。
• 対応:護衛駆逐艦を厚く配置、対潜網(航空対潜含む)を敷設。夜間は航
路を変化。
3. 天候・海象
• リスク:ニューギニア周辺の急変により上陸延期・座礁リスク。
• 対応:気象班で接近ウィンドウを選定。代替島嶼を用意。
4. 陸上強襲反撃(豪・米の増援)
• リスク:短期間に豪軍と米増援が到着すれば反撃を受ける。
• 対応:滑走路確保を最優先、増援師団の早期上陸で防御体制を固める。
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成功後処理(D+30〜D+90の目標)
• 滑走路の長期化・強化:戦闘機・中爆の運用で周辺海域を継続的に制圧。
• 補給回路の定常化:週次輸送体制の確立、前進港での油槽・修理ドック整
備。
• 北豪州への威圧:ポートモレスビーを踏み台に、ダーウィン方面・珊瑚海
への航空作戦を拡大。
• 政治工作:英豪の結束を切り崩すための外交・情報活動を実施。米国内で
の圧力緩和を狙う広報戦。
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想定される戦略的帰結(成功ケース)
1. 豪州への戦略的圧迫が現実化:オーストラリアの戦力投射能力が低下し、
米英の補給線はさらに脆弱。
2. 太平洋西部の時間的猶予:日本は南方資源の加工と輸送を安定化する時間
を確保。
3. 政治的影響:英豪側の士気低下や、米国の戦略再編(生産優先→大規模反
攻準備)を促し、戦争の時間軸が延びる。
4. 決定的勝利ではない:物量面での差は解消されないため、長期的には米国
の反攻可能性が残る(ただしタイミングが遅れる)。
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失敗シナリオ(要注意)
• 空母攻撃で輸送隊壊滅:米が索敵で輸送を捕捉し、空母攻撃で破壊→失
敗。
• 補給路遮断:潜水艦・空襲で輸送が続かず、上陸地が孤立→撤退または壊
滅。
• 天候での座礁・大損害:接近中の天候変化で多数の揚陸舟艇や輸送船を喪
失。
これらは準備段階(索敵・前進期)での情報優位と護衛厚化で低減可能。
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補足(作戦書のサンプル目次)
1. 作戦目的・背景
2. 指揮系統(統合司令部/海軍・陸軍連絡)
3. オーダー・オブ・バトル(艦艇・師団・航空隊一覧)
4. 日程(D−30〜D+90)と行動表
5. 輸送・補給計画(資材・燃料・弾薬)
6. 索敵・情報計画(潜水艦・偵察機・通信)
7. 上陸計画(セクター分け・火力支援)
8. 予備・代替案・撤収条件
9. ロジスティクス詳細(港湾復旧、燃料所要)
10. 戦術教訓の想定(想定される事象と対応)




