米空母部隊が行う断続的な遊撃(hit‑and‑run)作戦
要旨(ひと言)
2〜4月は「空母小隊による断続的圧迫+主力戦艦群の温存と整備」の期間。
空母打撃群は短期出撃→爆撃・索敵→迅速撤退 を繰り返し、日本側に消耗を
強いる。並行して主力(戦艦群・大編成機動部隊)は修理・整備・訓練・補
給整備を行い、夏以降の大編成での反攻に備える。
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全体構成(概観)
• 遊撃役(短期):空母1〜2隻+重巡・軽巡・駆逐の打撃群を複数編成して
前進海域で断続的攻撃。任務は(1)基地・飛行場攻撃、(2)輸送船団妨
害、(3)日本艦隊の索敵撹乱、(4)搭乗員・整備要員の消耗強化。
• 主力準備(長期):真珠湾に残る戦艦群・大型艦は整備・弾薬補充・火器
改良・夜戦訓練・艦載機補強を行う。新編成・訓練で夏季以降の大規模出撃
力を整える。
• ロジスティクス:燃料・航空機部品・弾薬、乗員休養のための「回転率」
が鍵。空母は出撃と戻港を速やかに繰り返すため、真珠湾と臨時前進補給地
点で整備体制を整備。
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月別行動プラン(詳述)
1942年2月:偵察→先制的小打撃フェーズ
狙い:日本の前進拠点(マーシャル、トラック近傍、ウェーク、フィリピン
周辺航路)を把握し、措置可能な目標に小規模打撃。搭乗員に実戦経験を積
ませ、補給線に穴を開ける。
典型的編成(例)
• TF‑A(巡航打撃):空母1(例:Enterprise)+重巡2+駆逐4。
• TF‑B(護送・分散):空母1(例:Saratoga)を中距離で別行動。
主な活動
定。
• 早期偵察:飛行艇・索敵機を広域に投入し、日本の補給船・哨戒網を特
• 航空攻撃(短時間):発見された補給船団、飛行場、沿岸補給施設に対し
波状攻撃。滞留は半日〜1日。
• 夜間退避:夜間は巡航速度で前進→夜明け前に一斉発艦→日没と同時に速
やかに退避。
• 補給サイクル:帰投して燃料・弾薬補給、機体整備、搭乗員休養(通常出
撃→整備→再出撃で約10〜14日サイクル)。
期待効果
• 日本側飛行場・貯油に局地損害を与え、整備要員・燃料の余剰を削る。
• 日本は防空・護送に資源分散を強いられる。
リスク管理
• 空母の大損は禁物。護衛による対空・対潜防御、索敵網の充実が必須。被
弾時は速やかに真珠湾へ退避して大修理。
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1942年3月:集中的撹乱フェーズ(複数地点ローテーション)
狙い:2月の情報を踏まえ、供給の要となる港(ラエ、ラバウル、トラッ
ク、トレス諸島等)を継続的に叩き、輸送リズムを乱す。
典型的編成
艦)。
• 2〜3個の打撃群をローテーション(各群:空母1〜2+重巡/軽巡+駆逐
• 可搬給油艦や臨時整備艦で前進滞在時間を延ばす試み。
主な活動
• 船団砲撃・機雷敷設(機雷は空母艦載機や飛行艇で敷設指示を協業す
る)。
• 航空優勢が取れる小規模空襲(対地集中爆撃、爆装魚雷で船舶撃破)。
• 日本の基地防空網を掻き乱すための夜間偵察と昼間の打撃を組合せる。
ロジ面
• 空母の機体疲労が蓄積するため、真珠湾の整備ドックはフル稼働。パー
ツ・エンジンの交換は優先度高。
• 搭乗員損耗に備え、訓練バッファ(訓練飛行と予備搭乗員の早期実戦熟
成)を実施。
期待効果
能性。
• 日本側の輸送スケジュールに遅延や被害が発生、南方資源の流入が鈍る可
• 日本の航空・基地資材・熟練操縦士が消耗する蓄積効果を狙う。
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1942年4月:決定的示威と心理作戦(大型示威/印象操作)
狙い:政治的効果(連合国への士気向上・日本国内への圧迫)と、補給線へ
の更なる打撃。場合によっては短期的な強襲(例:ドーリトル型の本土示威
に類する行動)を検討。
典型的編成
大)。
中。
• 集中打撃:空母群を1〜2群同時に行動させる(リスクは増すが心理効果は
• 併行し主力艦隊は真珠湾周辺で大演習→部隊連携・砲術・夜戦訓練に集
主な活動
• 重点目標への集中攻撃:主要飛行場・補給拠点に対して大規模波状攻撃を
仕掛ける。
• 輸送路の遮断強化:機雷・潜水艦と連携し、日本の補給船に高圧をかけ
る。
• 情報戦・心理戦:成功した攻撃は大々的に宣伝し、日本の国内世論・軍内
部の緊張を誘発。
主力準備の最終段階(並行)
• 真珠湾の戦艦群は砲術訓練、夜間行動、艦載対空強化、補給線保護のため
の戦術整備を完了させる。
• 新たな護衛艦(駆逐、小型護衛)の建造配備と、護送護衛戦術の整備を加
速。
期待効果
• 物理的ダメージに加え、心理的に「米は反撃力を保持している」と示せ
る。これが連合国内の士気を高め、日米の外交交渉や日本国内での軍内分裂
を促す可能性がある。
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主力艦隊(戦艦群)の準備と再編(2〜4月並行作業)
作業項目
1. 修理整備:軽中破の修復、大型機器点検、弾薬整備。
2. 弾薬補充:主砲・副砲・対空弾薬を大量補給。対空火器の改良(増設)を
加速。
3. 艦載機支援網の構築:艦隊レベルの対空ネットワーク、レーダー運用訓
練。
4. 連携訓練:戦艦群・巡洋艦・空母の統合演習(索敵情報の共有、航空管
制、夜間信号運用)。
5. 護衛・補給艦の増強:護送任務のための駆逐艦・給油艦増配。
戦術的焦点
• 海面上での夜間戦闘訓練、レーダー射撃の標準化。
• 空母との連携を保ちつつ、戦艦が決戦時に如何に機能するかを訓練(邀撃
戦想定)。
組織再編
• 太平洋艦隊司令部は、数個主力打撃群に分割し、状況に応じて統合発進で
きる指揮系を確立。
• 主力は「待機+迅速展開」態勢を整え、夏季〜中期反攻に向けたタイムラ
インを設定。
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補給・整備の現実問題(制約と対処)
• 燃料:空母作戦は燃料消費が激しく、太平洋横断の給油と前進補給の整備
が不可欠。給油艦の配備が重要。
• 機体整備パーツ不足:空母搭載機のエンジンやプロペラ部品の補充を確保
するため、補給ルートの最適化が必要。
• 搭乗員の疲労と損耗:小編成で継続投入すると搭乗員の損耗が急速に効く
ため、訓練航海と休養の交互サイクルを確保。
• ドック容量:真珠湾のドックは優先度が高く、ここに修理・大改修が集
中。前進補給地は「軽整備」中心に限定。
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日本側の対応(想定)
• 前進基地の防空強化:探照灯・高射砲・夜間戦術を強化。燃料貯蔵は掩体
化。
• 護送網再編:武装商船や駆逐艦を優先的に護送へ。潜水艦と連携して米艦
隊に報復。
• 空母の役割調整:豊田体制では空母は上陸支援や地域防空に割かれ、遊撃
隊に対する迎撃能力は限定的。
• 情報工作:索敵網を整備し、米打撃群の接近に備える。対艦・対空砲火で
被害を最小化。
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期待される戦果と戦略的帰結
• 短期効果(2〜4月):日本の前進補給網・飛行場に断続的被害、熟練操縦
員・整備員の損耗、資源流入の遅延。米は政治的・士気的な利得を得る。
• 中期効果(夏以降):主力が整備・再編されれば、米はより大規模な反攻
に移行可能。遊撃で消耗が蓄積すれば日本の戦力は相対的に低下する。
• リスク:空母の損耗や搭乗員喪失が大きいと、逆に米の主力展開を遅らせ
るリスクがある。慎重な損耗管理が不可欠。




