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米英製兵器のライセンス生産・技術導入の協議

◆【総論】

日本は対独参戦の条件として

「米英装備の技術導入・ライセンス生産」

を早期から要求・協議していた。

これは表向きは

• 連合国と兵站体系を統一するため

• 補給互換性を高めるため

と説明されているが、

実際には軍部が

「日本国産兵器では欧州で戦えない」

と極秘に理解していたため。

以下、段階ごとに詳細を描写します。

---

◆【第 1段階:1944年夏〜秋】

■ 日本政府内で対独参戦が議題化

太平洋戦局の改善を条件に、

日本がドイツへの名目上の“戦略的圧力”として

欧州派兵を検討し始める。

この時点で陸海軍ともに以下を把握していた:

• 欧州戦線の火力密度は太平洋の10倍

• パンター/ティーガー級戦車への打撃力不足

• レーダー・ASDICの決定的遅れ

• 連合軍は標準化された補給体系で戦っている

よって軍令部と参謀本部のまとめた内部報告書は次の通り:

「現状の日本軍装備では欧州戦線において戦闘継続が困難」

「連合軍規格の装備・弾薬に適合させることが必要」

これに基づき、秘密裏に米英へ「装備技術協議」を提案する。

---

◆【第 2段階:1944年11月】

■ 停戦協定交渉の裏で、軍需省と米英が“技術委員会”を設置

1944年11月の停戦協定は、本来軍事的な休戦だが、

裏面ではすでに次の委員会が動いていた。

【日米英軍需・技術標準化委員会(仮称)】

• 報告書は“秘密”扱い

• 名目は「補給体系の相互理解と事故防止」

• 実際には兵器技術協議が中心

ここで議題となったのが主に以下の領域:

● 1. 車両規格

• 米軍のガソリン規格

• 整備工具の標準化

• 車幅・トレッドの統一

● 2. 小火器弾薬

• .303英弾、.30-06米弾

• 日本側の7.7mmとの互換性の問題

→ ブレン銃・M1ライフルの生産検討へ

● 3. 対戦車火力

• 57mm対戦車砲(6ポンド砲)

• 75mmM3砲

● 4. 航空用エンジン

• マーリンとアリソンの分解資料

• 日本側は「部品製造は非許可でも良いが整備技術が欲しい」と要求

● 5. レーダー・ASDIC

これは米英が慎重で、

資料提供は“運用マニュアルのみ”という限定的な段階。

---

◆【第 3段階:1944年12月】

■ 欧州派遣軍案の具体化とともに、“仮装備案”が作られる

参謀本部は欧州派兵を前提に次の案を作成:

【日本派遣軍第1次装備計画案】

• 日本製戦車・小火器 → 当面の運用

• 連合軍車両 → 補給部隊に優先導入

• 対戦車砲 → 英式6ポンド砲を導入予定

• 航空機 → 日本機を持ち込むが部隊の一部に英軍機を再訓練

• 海軍 → ASDIC搭載を条件に英駆逐艦での混成護衛

ここで初めて米英側の文書に

「日本側は連合軍装備の国産化を強く希望する」

という記述が現れる。

米英は日本の意図を

「現地補給を円滑にするため」と受け取るが、

実際には日本側は性能差も理解していた。

---

◆【第 4段階:1945年1月直前】

■ ライセンス生産の“事前契約”が秘密裏に締結される

大きく二種類の契約が結ばれる。

---

【A:確定的に契約されたもの】

● CCKW 2.5tトラック(米)

→ 日本の自動車メーカーが特に強く要求

→ 補給統合のため米軍も了承

● ブレン軽機関銃(英)

→ 既存の日本の技術で製造可能

→ 自動小銃の不足を埋める効果

● 57mm対戦車砲(英6ポンド砲)

→ パンター級への対抗策として日本が熱望

---

【B:条件付きで技術提供が約束されたもの】

● ロールスロイス・マーリンエンジン(整備技術のみ)

→ 分解整備マニュアル提供

→ 設計図は非公開

→ 整備センターの日本国内設置を検討

● レーダー・ASDIC(運用教育のみ)

→ 機密性が高いため部品ライセンス不可

● M1カービン(生産許可は未決)

---

◆【第 5段階:日本国内産業界の動き(並行)】

● 三菱・日産・いすゞ → CCKW部品ラインの設計開始

● 豊田織機 → ブレン銃生産の試験に着手

● 海軍技術廠 → 英式対潜装置の互換部品研究

● 航空機メーカー → マーリンの整備試験装置を準備

多くの技師はこう語っている(軍需省内部記録より):

「国産化はすぐには無理だが、連合軍装備の部品整備を行うだけでも技術的

価値は極めて高い」

つまり、ライセンス生産は

“生産”よりも“整備技術獲得”を狙っていた。

---

◆【第 6段階:欧州本格参戦(1945年1月)直前の状況】

この段階で、日本の対独参戦準備は次の状態にある:

● 日本は自国兵器で参戦する建前

● しかし実際は米英兵器の導入準備がすでに進行

● 参戦後の補給互換性は確保予定

● 大敗北が発生した場合の“緊急装備交換計画”も存在

ここが非常にリアルで、

後の「欧州戦線での大損害 → 現地で米英装備へ切替」が

スムーズに行える構造になっている。

---

◆【まとめ】

■ 日本は対独参戦検討と同時に

• 米英兵器の技術資料

• 整備マニュアル

• 車両規格

• 小火器ライセンス

• 対戦車火力

• 整備センターの引き渡し

などを秘密裏に交渉していた。

■ これは、

1. 日本側の「欧州戦線での性能不足の自覚」

2. 米英側の「補給標準化の要求」

が一致したため。

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