連合国の反応
◆ 1. 米英首脳の危機認識:
「日本と戦い続ける余裕はもうない」(1943年8–9月)
第二次内南洋海戦で米太平洋艦隊は壊滅、
オーストラリアへの本格侵攻寸前まで追い込まれたため、米英の戦略会議で
は次の前提が共有される。
●1) アジアで日本と戦争を続けるのは戦略的に不可能
ヨーロッパ戦線に兵力を回したため、
太平洋の継戦能力は深刻に低下。
●2) 日本を放置すると「ソ連のアジア進出」が加速
英米はソ連の満州・朝鮮進出を極めて警戒しており、
日本との戦争継続は実はソ連を利すると判断。
●3) “日本の軍事力を欧州で利用したい”
米英陸軍は
「1944年の欧州侵攻(第二波)に兵力不足」
という慢性課題を抱えていた。
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◆ 2. 米英の内部プロセス:
ルーズベルトとチャーチルが合意する(1943年10月・ケベック会談II)
<チャーチルの主張>
• 「日本は軍事的能力が高い。敵ではなく同盟者にすべきだ」
• 「日英同盟を21世紀に復活させるべきだ」
(実際チャーチルは日英同盟復活論者)
<ルーズベルトの判断>
• 国内世論は厳しいが、軍は“合理性”を優先
• さらにソ連を牽制するためには日本が不可欠
→ 両首脳は非公開で「日本の連合国化方針」に合意。
※公表されず、米英の外交ルート(スイス・スウェーデンの公使館経由)で
日本に接触が開始される。
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◆ 3. 米英の「日本取り込み工作」
(1)一本釣り:外務省と海軍(1943年11月)
米英は 「陸軍を迂回し、海軍と外務省から切り崩す」
という戦略を採用。
●工作チャネル
• スイス・ベルンの日本公使館
• スウェーデン・ストックホルムの日本公使館
• トルコ・アンカラの外交ルート
• ヴァチカン経由(対日本中立外交)
特に有力だったのがストックホルムルートで、
英情報局(SOE)と米OSSが外務省・海軍武官に接触。
●示された条件(非公式)
1. 太平洋戦域の戦争終結と停戦
2. 中国大陸からの段階的撤退
3. 海軍力温存を認める
4. 満州の地位は停戦後協議(切り捨てない示唆)
5. 代わりに欧州戦線への日本軍派兵を要請
この「軍備温存+欧州派兵」は日本軍部にとって驚くほど魅力的。
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◆ 4. 日本政府の内部事情
(1)近衛文麿グループ・海軍・外務省は強く賛成
• 日米戦争の終結
• 国体護持が確実
• 東アジアの再構築に発言力
• 海軍を解体されない
• 戦後秩序への参加
「停戦ではなく“準戦勝国”への転身が可能だ」と判断。
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(2)陸軍(特に皇道派)は強く反対
• 「ドイツとの同盟破棄は許されぬ」
• 「欧州派兵など狂気の沙汰」
• 「満州の地位が危うい」
しかし南太平洋大海戦での勝利と太平洋の状況により、
陸軍の発言力は低下。
特に人事上、「統制派(東條下野後の派閥)」が主導権を握る。
→ 陸軍も最終的には「派遣規模限定」を条件に承認。
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◆ 5. 日本が米英案を正式に受け入れるプロセス
◆【 1944年2月】「日米英停戦・協力協議」開始
場所:ジュネーブ
形式:
• 日本→外務省+海軍
• 米→国務省+OSS
• 英→外務省・海軍本部
ここで米英は正式に
●1) 太平洋戦域の停戦
●2) 日本の連合国側協力
●3) 欧州派兵要請
●4) ソ連の対日参戦阻止を約束
を提示。
日本側は
• 中国本土撤退のタイムテーブル
• 満州の自治的承認
• 海軍主力の温存
• 連合国会議への参加権
• 国体護持
これらを条件として回答。
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◆【 1944年3月】御前会議
議題:「米英提案の受入れ」
陸軍は次の条件をつけて譲歩:
• 陸軍は**1個軍(3師団)**のみ欧州へ
• 海軍は主力を残し、大西洋派遣艦隊は巡洋艦・駆逐艦中心
• 派兵部隊の指揮権は「連合国共同司令部」だが、日本軍の部隊統制は保持
天皇は
と裁可。
「東アジア安定のため国際協調を必要とす」
正式に日本は米英案を「原則受諾」する。
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◆ 6. 米英が日本の“連合国加入”を歓迎する理由
●1) 欧州戦線の兵力不足を一気に補える
特にイタリア戦線で日本の戦術は有効。
●2) 海軍が大西洋でUボート戦に投入可能
米英は日本海軍の夜戦能力・練度を高く評価。
●3) アジアにおけるソ連の野心を牽制
日本を味方につけることで、ソ連の満州入りを阻止できる。
●4) 日本は“停戦したが未敗北”であるため軍事力が健在
利用価値が高い。
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◆ 7. 日本の“連合国化”の公式署名
1944年5月「日米英三国協力協定」
• 日本は正式に「対独・対伊共同戦争協力国」として登録
• 名目は“co-belligerent(協戦国)”
※フィンランドやイタリア後期と同じ区分だが、実質は準連合国
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◆ 8. 結果:
日本は“停戦国”から“準戦勝国”へ劇的に立場を変える。
戦後の国際秩序にも深く関与し、
米英との新三国協力体制はそのまま冷戦構造の基盤になる。
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「日本の連合国加入決定 → 欧州派遣軍(JEAF:Japanese Expeditionary
Allied Force)結成 → 実際の派遣」
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◆総論
日本は“敗戦からの停戦国”ではなく、
連合国側に転身し欧州に正規派兵する、史実ではあり得なかった展開とな
る。
その背景は
• 英米のアジア戦線縮小の必要
• ソ連牽制
• 日本軍事力の活用
• 日本にとっての国体護持・東アジア利権維持
が一致したため。




