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囚われな悪女  作者:


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3/20

図書室


それから数日で私は食事マナーは完璧になった。

そして、私には時間がない。

再び10歳が訪れる3年後までに刻印を消す方法を探さなくては、遠くても3年後には私はまた見つかり、自由がなくなる。

この刻印を消す方法を探すのにもこの公爵家は適していた。

この屋敷にはたくさんの本もあり、何より魔法を消せる公爵もいる。何かしら手がかりを掴めるかも。

そう思い立ったらステラは公爵に本が読みたいから図書室に行きたいと頼み込んでみる。


「だめだ」


思っていた反応の違くてステラは項垂れた。


怖いと言われている公爵とこの数日いて優しいところをたくさん見てきた。

だからこそ図書室に行きたいと言えば行かせてもらえると思っていた。


それから数日後、公爵から声がかかる。

「前に言っていた本の事だが」

そう言われてステラはパァッと顔を明るくして公爵を見る。やっぱり見せてくれるのね!さすが公爵様!なんて心の中で思っていたのだが、実際は


「テラ専用の本の部屋を作った。」


ドーンとステラの目の前にあるのは絵本、絵本、絵本。


「ちっがーーーーーーーう!!」


ステラは誰もいない本の部屋で叫んだ。



ちがう!私が見たいのは魔術の本なのに!!


「公爵様、私魔術の本が見たいんです」


そう公爵に言うと、「7歳の君にはまだ早い。10歳くらいになったら見せてあげよう。」

そう言われて、

(10歳になってからじゃ遅いんだよ!10歳じゃもう刻印が浮き出てきちゃう!)

そう心の中で突っ込み、もう最終手段を取るしかなかった。


(よし。行こう)


そう。忍び込むことだ。


(見張はよし。いない)


(ここもよし。いない)


無事に図書室にたどり着いた。


ギィとその扉を開けば一面本の山。


「すご...こんなに本が」


魔術の本を手に取ろうとしたその時だった。


「テラ。」


そう呼ばれ肩がビクッとする。

ゆっくり振り向くとそこには公爵がいた。


「公爵様....」


「もう子供は寝る時間だぞ」


そう言い私を抱っこする。


「まったく、仕方ない。読むのはいいが俺がいる時だけだ。それなら読んでもいい」


それでいいかと聞いてくる公爵に私は頷く。


そして子供の体だからだろうか、見つからないように気を張っていたため疲れがどっと出て私は気づいたら寝てしまった。


そして、朝目が覚めたら私は絶叫した。


「ななななななんでここに、公爵様が!?」


綺麗な横顔が目の前にあった。


「あぁ、おはよう。」


私の叫びで起きた公爵は私に普通に挨拶をして普通に部屋を出ていった。


(あぁ!見た目は7歳だけど!だけども!16歳なのに!お年頃なのに!)

かああああと顔を赤くする。

初めて男の人と一緒に寝てしまった。

ステラの頭の中は恥ずかしさでいっぱいだった。


朝食を食べに行けば、公爵はもう席に着いていた。


「今日は14時に一緒に図書室に行こう。30分ほどしかいられないがいいか?」


そう言われて、朝の事から恥ずかしくて公爵を見れなかったはずのステラは嬉しさのあまりそれを忘れ、笑顔で公爵に顔を向け、ありがとうございます!とお礼を言った。


約束の時間になり、公爵の執務室に向かう。


「公爵様〜」


そう言いながら部屋に入るとまだ仕事をしていた。

なので黙って執務している公爵の向かいのテーブルに座り静かに待つ。

暫くして仕事を終えた公爵が私に気づく。


「あぁ、すまない。待たせたな」

そう言いながら公爵は私の横に座る。


「いいえ!お仕事お疲れ様です!」

そう返せば、公爵は私を抱っこし、図書室へ連れて行ってくれた。

図書室に入れば公爵は近くの本を適当に取り、テーブルの席に座った。


「私、本見てきますね!」

公爵に声をかけ、魔術関連の本を探す。


「これと、これと、こ.....れ?」

手に持っていた一冊の本は後ろから公爵に取られてしまう。


「この本はダメだ。危ない魔術の記載があるから」


そう言われて本を戻される。

これじゃ調べるに調べられないんじゃ....と思ったけれど、取り敢えず手にある2冊を開いて読んでみた。


「風の魔術は希少性が高い....?妖精に愛された魔法...?」


そう書かれた本に首を傾げる。


「あぁ、そういえばテラは風の魔法が使えるんだったな」

そう言って公爵は風の魔法について教えてくれた。


なんでも風の魔法は妖精が使う魔法で、特別な魔法なんだとか。そして妖精に愛された人間だけが風の魔法を使えるという。


「この国には妖精がいるのは知っているね?御伽話くらいの希少種だけど。それに普通人間から姿を隠すから見ることも滅多にない。普通なら出会うことはまずないよ。その姿は凄く綺麗なんだとか」


そう言った公爵の横顔はまるで妖精にあったことがあるかのようだった。


「公爵様は妖精に会ったことあるの?」


そう聞くと、公爵はその時のことを思い出しているのか、懐かしむように微笑みながら言う。


「いや、本物の妖精には会ったことはないけれど、俺の幼少期に妖精のような子に出会ったことがあってね。その子は凄く綺麗で一瞬妖精かと思ったくらいだ。まあ、人の子だったけれどね」


照れくさそうに言う公爵はすぐ話を変えた。

「テラはいつ魔法を習ったの?」


「えっと...父と母が生きてた頃、母から魔法は教わって、風魔法と転移魔法くらいしか。あとはよく母と歌を歌っていたんです」


「歌?」


「はい。毎日寝る時は子守唄を歌ってくれて、お昼のお散歩も歌いながらしてました。父はそんな私たちを微笑みながら見てて、とても楽しかった」

懐かしそうに、嬉しそうに、けれど少し寂しそうな顔で言う。

それに対し、

「そうか」

ステラの言い方で公爵はなんとなくステラの事情を察し始めていた。


(この子の両親は亡くなってて、きっとその後にこの子の家を継いでテラを引き取ったやつがテラを虐待していたんだな)


それからその続きを読んでいたらあっという間に時間になって今日はもう終わりで本を片付けた。


帰りは公爵はまだ仕事があるようで別々になり、1人部屋に戻り私は考えていた。


(今日分かったのは私の魔法は希少性が高いこと。それから、私は妖精に愛されててこの魔法が使えること。妖精に嫌われることにより魔法が使えなくなる場合もある。そして、風の魔法は妖精からの愛され具合で使える魔法も人により異なる。)


(もしかして、伯爵様は私のこの力が欲しくて私を縛るのだろうか。それなら私が妖精に嫌われてこの力を失えば解放されるんだろうか。)


なんて、どうしたらいいのか分からず途方に暮れる。


「妖精さん、私この力いらないよ....」

そう呟く。


「...よし!取り敢えず契約を破壊する方法を探さないと!」


そして次の日もその次の日も図書室に行ってはなんの手がかりも見つけることができなかった。


「はぁ。もうこれで何冊目になるのやら。」


そう呟きながら魔術の本を読んでいく。

ただ読んでも読んでもこの部屋にある魔術の本を読み切れる気がしない。


「なになに、魔術契約の帳消し...の...仕方...!?」


とうとう!?とうとう見つけた!!この本だ!私が探し求めてた本!


「えっと、魔術をかけられた人は、基本魔術を打ち消すことはできない....だが、消すことはできずとも、人に移すことは可能である。また、かけられた側が亡くなればその効力を失う。その逆も然りである。」


こ、これは...


「誰かを犠牲にするか、かけた相手を殺すか、私が死ぬかの3択しかないじゃない....」




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