この腕が燃え尽きても、君の家族になりたい

十四歳の少年・炭咲は、幼い頃に父の実験で家族を失い、両腕が木炭と化す異能を得た。

復讐だけを心の支えに生きてきた彼は、センター試験当日に出会った少女・ステラから、突然「パパ」と呼びかけられる。

戸惑いながらも、過去の自分と重なる彼女を放っておけず、仮初の親子として行動を共にする炭咲。しかし、異能者を狙う組織の襲撃に巻き込まれたことで、彼の静かな日常は崩れていく。

ステラを守るため、かつて家族を壊した父との再会を余儀なくされる炭咲。そして提示されたのは「七日間、家族として過ごすこと」を条件に少女を救うという奇妙な契約だった。

偽りの家族。手に入れたはずのぬくもり。そして、失われるかもしれない希望。

過去の業と向き合いながら、少年は“本当の家族”の意味を探していく――。