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皇女が解こうとした亡霊兵士の呪い

作者:島木
 ホルム王国にあるヒュルトゲンの森は、10年前に終結した世界戦争の古戦場として知られている。

 戦時中、小国のホルム王国は、世界征服を目指すゲールー帝国の軍事侵攻を受け、占領され、ホルム人はゲールー軍の弾圧に苦しめられていた。しかし、ゲールー帝国の敗色が濃厚となった戦争末期になると、自由同盟軍の反撃が始まり形勢は逆転。王都をはじめ、ゲールー軍に占領されていたホルムの領土は次々と解放されていった。

 ゲールー軍の敗退が続く中、ホルム国内のヒュルトゲン地方に駐留していた、ゲールー皇室の御用達部隊であり歴史ある名門部隊のロイトバイン騎兵連隊も全滅の危機に直面する。しかし、そんなロイトバイン連隊に対し、ゲールー皇帝はホルム王国からの撤退を許さず、現在地の死守を厳命したのであった。

 この命令を受けたロイトバイン連隊は、もはや勝算がないにもかかわらず、ヒュルトゲンの森に立て籠もり最後の防衛戦に挑むのであった。

 背水の陣のロイトバイン連隊と復讐に燃える解放軍との戦いは数週間にも及ぶ激戦となったが、戦局は兵力と物量で勝る解放軍優位に開展し、最後にはロイトバイン騎兵連隊4000名は無残に玉砕したのだった。

 さらに、この戦いの数か月後、ゲールー帝国そのものも自由同盟軍に追い詰められ、無条件降伏した。

 これがヒュルトゲンの森が古戦場たる所以だが、ヒュルトゲンでは、ただ単に戦いがあったという歴史に加えて、“帝国軍兵士の亡霊伝説”というのがある。それは、戦死したはずのロイトバイン連隊の兵士たちが、戦死してもなお、亡霊となって戦闘を継続しているという伝説である。

 事実、ヒュルトゲンの森では、存在しないはずのロイトバイン連隊の兵士の姿が何度も目撃されており、森の奥深くへ立ち入った者が行方不明となり、数日後に惨殺された遺体となって発見される事件が相次いでいたのだ。しかも、戦後10年が経った現在でも、そうした怪奇事件が収まる気配はなく、それどころか被害が増えていた。

 これに恐怖したヒュルトゲンの住民は、強力な魔術師を呼び寄せ、かつての侵略者の亡霊を除霊しようと計画するのであった。

 しかし、なぜ戦死したはずのゲールー兵が亡霊として出現したのか。その理由は謎のままである。

 そんなある日、とある女性が村に訪れるのだった。

全3話。
旧題:古戦場に現れる亡霊兵士の謎
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