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New order/第三世紀の新秩序  作者: 貴華
迫り来る軍靴の音
8/15

砂漠の狼煙Ⅱ


「大砂漠を超えた先、敵の前線基地、ノーザンドリア、侵略者共を海に叩き落とします」


ーーーーーーーーーーーーーー


「やはりか⋯」


ニコライは少し考えこんだ。


(この若者には驚かせられる、だが...不可能だ…)


歴戦のニコライにはわかっていた、ハクの作戦は不可能に近いものだと


(しかし、どうにも違和感がある、さっきの背筋の凍るような感触、ハクは()()特別なものを持っている)


(だが、しくじれば全滅、それどころかもう敗北以外の道は無くなる…)


ニコライは内心の葛藤に収まりをつけることが出来なかった


とりあえず、彼はハクに「指揮室に向かおう」


とだけ言うと、内心の思案にふけった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


指揮官室


何かを決心したようにニコライは口を開く


「正直な話、ハク君の作戦は私を驚かせてくれた、だが、私は君の作戦を許可できない」


自らの作戦は否定されたハクは特に落ち込むことも無く


「何故でしょうか?」


とニコライに問い掛けた


ニコライは神妙な面持ちで話し出す


「うむ、主に3つの要因がある。1つ目は地理的要因だ」


彼はモニターは地図に入れ替えると


「地図を見てくれ」


挿絵(By みてみん)


「この通り、ハーズからノーザンドリアまで直線には大砂漠がある。進軍は不可能だ、もし迂回すると言うならリア近くでの決戦になる可能性がある、それでは奇襲の意味は無い」


「二つ目に軍事力だ、今我々は上陸軍の三分の一の兵力も無い、つまり、決戦に発展するかも知れない作戦は回避すべきだ、」


ニコライは息を吐くと少し落ち込む様に続ける


「三つ目はリスクの問題だ、二つ目と似ているが、もし作戦が失敗すれば我々は防衛用の戦力をほぼ喪失する。これは我々の敗北を意味する。」


「以上の3つをもって、君の作戦は容認できない」


ニコライはじっとハクを見る

ハクは何か考えると、おもむろにニコライに聞いた


「ニコライさんの作戦は?」


「持久戦に持ち込み、それから反撃を目指すものだが…」


「やはりですか、確かに王道ですね」


ニコライはハクが自分に同意してくれたと思い安堵した次の瞬間


「ですが、それでは勝てません」


(勝つ?それこそ不可能だ、、講和に持ち込めるのが最もいい幕引きのはずだが…)


困惑するニコライを尻目にハクは続ける


「ニコライさんが言った3つの問題、俺なら解決出来ます!」


ハクの発言はニコライをギョッとさせただけでなく、さっきの背筋が凍るような感触を思い出させた


「き、聞かせてくれ」


不思議と汗にが滲む、ニコライは緊張していた

そんなニコライを前に、ハクは平然とした様子で続ける


「まず、地理的要因、私は大砂漠を突っ切ります」


そういうと地図に書き込む

挿絵(By みてみん)


ニコライは意味がわからないながらも「だからそれは出来ないと…」と言うが

ハクは


「可能です」


とだけ言う、


「説明してくれ」


ハクはモニターを操作して、兵器についてのタブを開く


「この新型車両、これが50台ほどあります、これは砂漠でもそれなりの速度での移動が可能です、それに加えて、新たに作り出された、対人型の駆動機械、これを用いれば、短期での砂漠の踏破が可能になります、」


(確かに、これなら砂漠の進軍は問題ない、しかし、いつの間にこんなものを…そして、もうひとつは…)


「それでは兵力が少なすぎる、たどり着いても勝てないぞ」


ハクは落ち着き払って答える


「その点については問題ありません、偵察衛星からわかったことですが、敵軍は主に歩兵を主体とした軍団、戦車もありますが数は多くない、そして、上陸したばかりで物資もあまり多く無く、補給線、つまり港を叩いてしまえば簡単に干上がる」


「なるほど、一理あるな、残りの問題はどうする」


以外にすんなりと認めたニコライにハクは拍子抜けのような感じもしたが、


「二つ目の兵力は技術と現場指揮で穴埋めします、敵は多くの兵器が旧式です、この差は大きいでしょう」


「さらに、今回の作戦は大隊規模の兵力のみを動員するので、万が一にも失敗しても大して戦況に影響を与えはしません」


まぁ、失敗しないがとハクは軽く笑った。


「まぁ、わかった」


ニコライは考えていた、ハクの作戦は確かに有用なものだ、奇策ではあるが、成功すれば大いに優勢な戦線を構築できるし圧倒的なアパル連合に勝利すらできる。

ニコライは決心がついた


「決まった、君に賭けよう」


ハクは当然と言わんばかりに笑顔を見せると


「準備は既にほぼ終えております、それでは策を実行して参ります」


自信満々に部屋を出るハクをニコライは笑顔で見送った


「全く、この若者は奇才だな」

はっはっ、と笑う


「どれ、この年寄りも少しは手伝わないとな」


無線を手繰り寄せると

「将官以上の者は至急、指揮室まで集まれ!」


とだけ伝える


「奇襲が成功するにはきっと囮がいる」


老将はグッと唾を飲んだ

最後まで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m


投稿が遅れて申し訳ございません!

来週はおやすみさせて貰いますが、土曜日の更新を続けていきます!

どうぞ、評価、コメントをよろしくお願いします!

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