暁の奇襲
「総員油断するなよ!目標はすぐそこだ!」
ハクはついに、アパル軍ノーザンドリア作戦本部を射程内を捉えた。
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ハクの率いる本隊到着の少し前
「空挺部隊これより作戦を開始する」
シュクケイはアパル軍ノーザンドリア基地の上空にいた
「降下開始!」
シュクケイの合図で、三機の機体の後方から落下傘兵が降下を開始した。
全員の降下を見届けるとシュクケイ自身も飛び降りた。
夜明け前の寒さが肌をかすめる、少し向こうには火の手が見える。
(恐らく、戦闘が始まったんだろうな、今回は速さが全てだ急がないとな、)
そんなことを考えながらシュクケイはパラシュートを開いた。
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ドンと地鳴りを含む爆音が辺りに響く
その爆心から複数の機械音が迫ってくる
「近づいてくるな、、」
「キュウボク、部隊の配置は終わったか?」
キュウボクと呼ばれた大柄の男はシュクケイに答えた
「あぁ、終わりましたよボス、これでアイツらの指揮官は絶対に逃げれません。」
シュクケイは少し口角を上げると、建物の影から顔を出しアパル軍の司令所を見る。
二人のアパル兵士が建物から出てくるとシュクケイはキュウボクに合図を出す
直後二発の銃声が鳴り、兵士が倒れる
その後に、司令室から兵が出てき、シュクケイの部隊との銃撃戦が始まった。
「こちらシュクケイ、全部隊に通達する、本隊が到着するまで一兵も逃がすなよ!本隊が到着次第制圧に掛かる!」
空挺部隊はじわりじわりと包囲を狭めていった。
一方、アパル軍司令室では戦況の全容が未だ掴めていなかった。それどころか、基地内全体が混乱に陥り、司令室が機能不全に陥っていた。
「クソ!援軍はまだか!おい!基地全域に号令を出せ!」
「さっきからしています!ただ、各地からの報告が…」
「おのれ!どこからこんな軍が、どうしてこんなところで…」
「?」
「どうした管制兵!」
「外から大規模な部隊の接近です!」
「援軍か?!」
指揮官のような男は希望の見えた表情を見せる
しかし、管制兵の顔色はどんどん悪くなる
「い、いえ、我が軍にこのような兵器はありません!こ、これは敵の増援です!」
ちょうど、ハクの率いる本隊が到着した。
「シュクケイ、準備はできているな?」
「あぁ、ハク!完璧だ、ネズミ1匹逃げる隙間もない!」
「よし」
ハクはモニターを操作し、
「全部隊に通達!これより総攻撃を仕掛ける」
ハクの号令で、各地で戦闘をしていた部隊が司令室への攻撃を始めた。
真っ先に飛び出したのはハクだった。
ハクの五式は司令室の壁をぶち破るとその後をつくように歩兵隊が制圧に入った
同時に本隊の駆動兵器が司令室周辺のトーチカや防衛拠点を制圧、アパル軍司令室は陥落した。
ハクは五式から降りると、捕虜となっていたアパル軍司令官の面前に立った。
「名前を伺っても?」
司令官は「ネフスキー、少将だ」
「そうか」
ハクが次の言葉を発そうとした時
「何を聞かれても俺は答えないぞ!」
ハクはネフスキーをじっと見ると
彼の額に銃を突きつけた、それでもネフスキーはじっとハクの目を見返す。
「いい覚悟だ」
ネフスキーは不敵な笑みを見せる
その直後ハクは引き金を引いた。
一発の銃声が鳴り、ネフスキーは地面に音を立てて倒れた。
ハクは頬にべっとりと付いた返り血を袖で拭う。
床に倒れた男の血が彼の足に辿り着く前に彼は既にそれに背を向けていた。
彼の部下達が反抗を開始する前に、ハクの部下が残りのアパル兵を殲滅した。
司令室は血溜まりと化し、惨劇の現場となった。
「ここに用はない!情報を抜き取り次第撤収する!」
同時刻、コウハとショウランの部隊は港湾部の破壊と補給基地の破壊を完了していた。
ハクは2人からの作戦完了の報告を受けると撤退の指示を出した。
「シュクケイ、本隊の撤退の指揮を任せる」
シュクケイは訝しむと
「ハク、どこに行くつもりだ?」
ハクは五式に乗り込むと「シメイと合流して撤収する」
そういうと早速出発した。
シュクケイは、やれやれと頭を掻きながら、部隊撤収の指揮に取り掛かった。
そのすぐあと司令室は爆発された。
連合軍の象徴たる指揮所の破壊は抵抗していた兵士たちの戦意を挫くには十分だっただろう。
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ノーザンドリアとリアを繋ぐ大幹線道路にシメイは居た。
任務はノーザンドリア軍港への敵の援軍の到達阻止である。
「シメイ小隊長!後方から一機、機動兵器が向かって来ています!五式です!」
「そうか!ハク様だ!」
シメイの方のモニターに通信が入る
「本隊の作戦は完了した、ノーザンドリア軍港は壊滅した!これより撤収にかかれ!」
「了解しました!それとハク様少し気になることが」
「なんだ?」
「実はアパル軍の援軍が一回も現れなかったのです」
「何?援軍が一回も来ないのか?」
(アパルがこんな重要拠点を諦めるはずがない...なにかあったのか?こっちに兵を回せないようなことが…)
ハクは不思議に思う、ノーザンドリアは奴らの生命線だ、それを放棄するのは考えられない
いくら2時間ほどでも援軍は確実に現れるはずだが…
すると、ハクの元に通信が入った。
「隊長!パイロン本隊とアパル軍との大規模な戦闘があった模様です!」
シフが慌てた声でハクに伝える
「ニコライ将軍が動いたのか!それで!戦況は?」
「パイロン軍有利との事です!加えて、ノーザンドリア軍港壊滅の情報がじきに伝わりますので、恐らくパイロン軍が勝利するでしょう!」
(なるほど、だから援軍が来なかったのか…)
「この壮大な賭けの1歩目には我々が勝ったようだな」
朝日が昇る
暁より始まった戦争の初戦はハクの、いや、パイロンの完全勝利で幕を閉じた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
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まだまだこれからが熱くなって行きますので楽しみにしておいてください!
次からようやく主人公の話に移れそうです
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