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New order/第三世紀の新秩序  作者: 貴華
迫り来る軍靴の音
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想起の夕暮れ

登場人物説明


エーリッヒ・ユリウス(18)


連合士官学校首席

身長178cm、黒髪

父、祖父共に連合軍の上級将校であったが父が早逝したため祖父の元で養育される。


ミハイル・レヴィン(18)


連合士官学校次席

身長179cm、金髪

元は戦争孤児。ユリウスの祖父カールに引き取られ12の頃からユリウスと共に育つ。


※局所的な違いはあるが新星(アパル)は現在時点の地球とほぼ同じ

―――――――――――――


連合首都ネルトブルク(旧ローマ)


連合の政治、経済の中心であるネルトブルク、ユーラシア大陸を中心とする殖民者(レイシア)が多数を占める、アパル連合政府の中枢


連合高位士官育成学校


連合軍士官を育成する特別学校、他の連合軍育成学校とは異なり卒業後すぐに士官級になれるため最も優れた人材が集まる


第三世紀歴127年3月11日


ネルトブルク行政特区連合高位士官育成学校



学校長は、熱烈に演説をしているようだ、うるさくてかないやしないが僕の隣にいる男は目を細めたまま退屈そうにしている。


「こいつが本当に首席か?」

こんな感じに疑いそうになるが、こいつ、いや、ユリウスは間違いなく首席、それも歴代最高の成績で士官学校を飛び級卒業して()と共に歴代最高の天才と言われているのだ。


一見して無気力


しかし、眼光を鋭くギラギラと輝きを放つ


吸い込まれてしまいそうな黒髪と対称的な白い肌は整った顔とともに眼前の相手を圧倒する異質さを持っている...


学校長の話はまだまだ続く...

さすがの僕も既に退屈だ。一部の真面目者は真剣に聞いているがこの古い話にはさほど意味もない。


つまらなくてユリウスも寝そうだ...

が、さすがに寝かしておく訳にはいかない

ここにも体面というものがある。

ずっと首席が寝ていると心象が悪い、あと敵も作ることになる。


「おい、一応起きておけユリウス、お前は首席なんだから」


ユリウスの肩を叩きながら耳元でささやく


「起きてるよ、レヴィン」


ユリウスは目を閉じながら返事をしてくれた


「ただ、目を閉じてこのつまらない話ではなく面白い未来を考えていただけだ、夢の中でね」


おい!と心の中で突っ込む


同じ天才と言われても、ユリウスが何を考えているのかはレヴィンには、理解できない...

ただ、分かることがあるとするなら


「エーリッヒ・ユリウス」


彼は僕とは違い、天が与えた才能なんかという言葉には収まらない怪物


ということだけだ。



「以上で、学校長挨拶を終わる」


お!やっと長ったらしい挨拶が終わった。式典はこれだから嫌いなのだ...


「次に、38期首席エーリッヒ・ユリウス、次席ミハイル・レヴィン、第三席・・・壇上へ」


次は優秀者の紹介だ。卒業生で、優秀な者はすぐに高位士官に着くことができる、さらにここの壇上に立つということは式典に参加する軍の重鎮、政府の官僚、大臣、皆に顔を知られる、つまり、出世の最短コースということだ。

さらに首席ともなれば、スピーチの時間を設けられより顔が広まる。まぁ、ユリウスはじいさんが現連合軍大将であるからそもそも知られてはいるが...


そうこうしている内にユリウスが前に出る。

壇上に立ち、マイクに向けて進み出て、それを掴む

静寂が空間を支配する。誰もが興奮と期待を含み彼に視線を集める。

そして彼のスピーチが、始まる。僕も今は群衆の1人だ


「首席、エーリッヒ・ユリウスです」


辺りを見渡す。

みなの視線が1点に集まるとユリウスは少し笑って見せた。

緊張は...してないようだ。

そして話を続ける


「レイシアがアパルに降り立ち100年以上経ちました、最初こそは平和が保たれていたが、今や脆くも平和は崩れ去った。憎しみと対立が世界を覆っている。誰しもがわかっているはずです。平和なら軍隊は、必要とされない。僕がここまで注目されるのはまさに平和でない事の証ですね。」


ざわつきが広がる。まるで波のように段々と大きく


普通は感謝やら、誓いやらを述べるのだよ

と僕は笑いそうになる。

ここまで正直に言った卒業生はいつ以来だろうか。

おや、僕の隣の真面目ちゃんはイラついているようだ。


しかし、ユリウスは人を惹きつける。誰も彼を見透かせないから惹きつけるのかもしれない。

まぁ、そのせいで学校内でも多くの恨みも買ったが...

ユリウスは構わず続ける。


「今の平和なまやかしに過ぎない!今も戦地では人が死んでいる!これは確かな事実です。故に私は変えたい、各地の勢力は己の力を武器に対立を深めている、だから私が平和を創る!それが私の使命だと考えています...」


少しのための後、一礼すると1歩下がり僕の横に戻る。

ざわつきは収まらないが畏怖の視線が彼に集まる。

ある者は怨み、ある者は関心し、ある者は驚き、ある者は怒る。


「平和の創造、これが僕たちの使命か...」


僕は、ユリウスの横で囁く


「あぁ、これが僕たちの()()だ」



これは僕たちの平和へと向けた戦いの物語だ



最後まで読んで頂きありがとうございます!

評価感想の方をぜひよろしくお願いいたします(>人<;)

まだまだこれからが熱くなって行きますので楽しみにしておいてください!


毎週日曜日更新します!

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