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おとぎばなし ― 明滅にして 明明 ―  作者: ぽすしち
陽炎ゆれる 章

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40/47

まだアシだな?

残虐表現あり。ごちゅういを



 それに、いぶかしげな顔をみせた坊主が、なぜか突然、刀を納めた。


「―― おい、アシよ。シュンカを捕らえて連れ去って、そんで、喰うのか? おまえ、どうやら存神たもつがみには、なり損ねたみてえだな。それなのに、喰いてえと感じてるんなら、そりゃおまえ、立派に『妖物』だぜ?テツが言うように、退治しなきゃなんねえ。・・・だがよお、なんで、そんなに溜まってる『力』で、シュンカを捕らえねえんだ?」

 


 聞いた絵師も、せわしない音をたて、空にとどまるそれを見上げた。


「 そうか。おまえ、―― まだ、アシなんだな?」


「だろうな。おいアシ、聞こえてるだろ?普通はな、そこまで姿かたちが変わると、人の言ってることなんかわかりゃしねえんだが、おまえ、わかってるだろうよ?」


 顔つきを変えた坊主が、なにやら文字を綴り、あらためて刀を抜いた。


 先ほどとは明らかに異なる姿勢でそれをかまえると、挑むような笑いを浮かべる。


「おい、アシよ。おれの言葉がわかんなら、つまんねえ術にはまってねえで、とっとと、  ――― 目え、覚ますんだな」

 坊主は言い終えぬうちに動いた。

 



        「   っっつ!!  」


  蟲の左腕が肩から撥ねられ、とんだ。

 

 一瞬バランスを崩したそれに、迷うこともない刀が、右の腕もたたきおとす。



 シュンカの悲鳴が響いた。セイテツがなだめ言い聞かす声。

     

 




    ―― ああ、このままきっと、おわるのだ ――


      久方ぶりに、アシの思考が、おだやかなものへと変わる。





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