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蟲
虫への変形はじまります。いやな描写にご注意を
「あ!アシ!?」
シュンカの驚く姿が、なぜか、上と下に、ずれて見え、さらに、ぴしん、と音がすれば、叩き割った鏡に映るがごとく、視界がいくつにも割れ分かれた。
「―――――」
おそるおそる、アシはおのれの顔に触れる。
手で触れたおのれの顔には、 ―― ひびがいっていた。
アシ、と心配そうな声。
シュンカがこちらへ寄ろうとするのを、セイテツが腕を緩めず、許さない。
びしん
何かがまた割れ、体の節が、ぎじゅり、とおかしな音をだした。
みおろした腕 ――― 人の形だった肘から、なにかが生えてきている。
「 ・・・・こ、れは?・・ 」
黒く硬い、短い毛の生えた節をもつ脚。
蟲だな、と坊主が眉をしかめたのへ、シュンカが驚く声をもらす。
――― ソンナ 顔で ミルナ
「・・シュンカ、・・たすけて、くれ・・・」
求めたそれに、ひきつった白い顔をむけられ、腹の中のざわつきが、背にまでひろがっていった。




