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おとぎばなし ― 明滅にして 明明 ―  作者: ぽすしち
陽炎ゆれる 章

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36/47

尽きたくない


 ベッドに刺さった坊主の刀めがけアシが飛び出したが、突然なげつけられたやわく白いもので視界がふさがれる。



 自分の着物を投げつけたシュンカが、先に刀をつかみとると、スザクさま!と投げ渡した。



「―― ・・シュンカ・・・ 」


 投げつけられた着物が、だらりとアシの頭から下がる。

 まるで、何か封じの術をかけられたがごとく、アシの動きが止まった。


 セイテツに抱きかかえられているシュンカが見える。



「 ・・ああ・・・――シュンカは、わたしの・・、味方では・・ないのですか?」



「あんな扱い受けて、味方のわけねえだろ。アシ、いいかげん、目をさませ」



「 シュンカ。  おいで  」


 役神はセイテツの声など無視して手を伸ばす。



「・・・アシ、行けないよ・・・」

「 なぜ!?シュンカも、わたしをおもってくれただろう? 」


 きゅ、と口元を締めてシュンカは言った。

「――おれが、いっしょに働いて、遊んでくれて、笑いあったアシは、いまの、おまえじゃないよ」



「 ―――わ、 たしじゃ、 ない? 」




       ざわ ざわざわ ざわ

   

            ざわ  ざわ  ざざざ




「アシ、いったいどうしたんだよ?体調が悪いって、このことと、関係あるの?」

「 わ・・・わたしは・・・ 」


   


       ざわざわ  ざわざわ  ざわ



「ねえ、アシ。やっぱり、本当は、おれが、手をつけたら、だめだったんじゃないの?」


「手を?シュンカ?まさかアシの頭に、手を?」

 驚いた顔の絵師が、アシをみた。

 




    ざわざわ ざわざわ ざわざわわわざわわざわざざざざざわ

 

       「――――っく」


        さわぎすぎる、腹が、痛い。




「アシ、おまえ・・・――シュンカも騙して、そうまでして、残りたいのか?」




「 ―― の、こる。 のこる。 のこる。 のこるのこるのこるっ! ああ、そうだ!  ずうっとのこっているあなたにはわかるまい!尽きたくないのだ! いっときたりともっ! 」



                ぴしん!




 叫びに合わせたように、軽く硬い音がした。



しつこいですが、虫がでてきます。ご注意を

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