尽きたくない
ベッドに刺さった坊主の刀めがけアシが飛び出したが、突然なげつけられたやわく白いもので視界がふさがれる。
自分の着物を投げつけたシュンカが、先に刀をつかみとると、スザクさま!と投げ渡した。
「―― ・・シュンカ・・・ 」
投げつけられた着物が、だらりとアシの頭から下がる。
まるで、何か封じの術をかけられたがごとく、アシの動きが止まった。
セイテツに抱きかかえられているシュンカが見える。
「 ・・ああ・・・――シュンカは、わたしの・・、味方では・・ないのですか?」
「あんな扱い受けて、味方のわけねえだろ。アシ、いいかげん、目をさませ」
「 シュンカ。 おいで 」
役神はセイテツの声など無視して手を伸ばす。
「・・・アシ、行けないよ・・・」
「 なぜ!?シュンカも、わたしをおもってくれただろう? 」
きゅ、と口元を締めてシュンカは言った。
「――おれが、いっしょに働いて、遊んでくれて、笑いあったアシは、いまの、おまえじゃないよ」
「 ―――わ、 たしじゃ、 ない? 」
ざわ ざわざわ ざわ
ざわ ざわ ざざざ
「アシ、いったいどうしたんだよ?体調が悪いって、このことと、関係あるの?」
「 わ・・・わたしは・・・ 」
ざわざわ ざわざわ ざわ
「ねえ、アシ。やっぱり、本当は、おれが、手をつけたら、だめだったんじゃないの?」
「手を?シュンカ?まさかアシの頭に、手を?」
驚いた顔の絵師が、アシをみた。
ざわざわ ざわざわ ざわざわわわざわわざわざざざざざわ
「――――っく」
さわぎすぎる、腹が、痛い。
「アシ、おまえ・・・――シュンカも騙して、そうまでして、残りたいのか?」
「 ―― の、こる。 のこる。 のこる。 のこるのこるのこるっ! ああ、そうだ! ずうっとのこっているあなたにはわかるまい!尽きたくないのだ! いっときたりともっ! 」
ぴしん!
叫びに合わせたように、軽く硬い音がした。
しつこいですが、虫がでてきます。ご注意を




