手を
―― 腹の中が、ざわざわと、騒ぐ。
しずまれ、しずまれ、とおもうても、ざわ ざわ ざわ
〈 この子には、誰も、くわしく伝えていないのだ 〉
そうか、 ―――それは、
ありがたい。
「―― 実は、・・・役神だというのに、身体が、思わしくなくて・・・まったく情けない話だろう?」
「え?へいき?」
「いや。それほどひどくはないんだ。ただ、 ――― シュンカにしてほしいことがある」
「おれに?」
どんなこと?と子どもは小首を傾ぐ。
「・・・手を、・・・ここへ」
「え?でも・・・」
「シュンカのような心地よい『気』を当ててもらうと、かなり楽になるのだよ。それに前にもいったが、 ―― わたしは、セイテツ様に仕立てられた役神だよ?」
アシは、意識して口元を動かし、
―― 『笑って』 みせる。
「・・・うん。そうだよね」
戸惑ったことをわびるように、笑顔がむけられ、乞われるままに、シュンカの手が、
――アシの、額へと、つけられた。




