宝物殿(ほうぶつでん)の宝
残酷な描写あり。ごちゅういを
「 よいか?成り下がってはおらぬが、『気』を喰いすぎた役神に変わりはない。『想い』が重なり通じた後も、想いを止めるということができぬうえに、『欲』がでる。 そこへきて、たくわえた『力』もみなぎっておる」
「そうだな。妖物なら、普通、そこで『力』のもとを、まず、喰うだろ。アシが同じようになったとしても、おれは驚かねえ」
スザクの言葉に、セイテツが眉根を寄せた顔をむけるが、異をとなえない。
なぜなら、アシの場合は少し異なる。
そうだ、アシの『力』の元は、 ――おれではない。
その場の皆が同じことを考える中、アラシは続けた。
「存神になった者の欲する『力』はただひとつよ。 己を今の存在に高めた相手のみ。―― だからな、人間は、その、『相手』をな ――」
―― 人間は、その面倒な神をつくりだした相手に、響きの良い『宝』という呼び名を与え、生きたまま『祀る』ことにした。
「・・・それって・・・」『まつる』というのか?
絵師の顔から血の気が引いた。
サモンが重く息をつく。
「―祀られた『それ』を喰いに、存神がやってくる。 それをまとめて捕らえて押し込めたのが、『宝物殿』だ。 ―― わたしは昔、存神とは『力』のある人間のそばから生まれ、その人間を喰ってしまい、ミカドが『退治』して宝物殿へ押し込めた、と父に聞いたが、・・・よく考えれば、あの帝がそのような、人のためになることなど、するはずもない」




