かなってしまう
「まわりの者が気付く頃には、役神は役神ではなくなり、 もう、他の者の力では、消せぬ 存在 になっておる」
それは、両方の『力』と『想い』が、同じところへ通じて結ばれ、叶ってしまう、ある種の『術』だ。
「 姿も思いも『たもったまま』で、役神ではない、別格の『神』になったそれには、すでにミカドは『口だし』できん。 ―― なぜだかわかるか?ミカドには、その理屈がわからぬからよ。人と役神の想いが通じる様など、わからぬ帝には、存神は、『消せぬ者』になる。 ―― だがなあ、だからといってそんな者を、下界に置いたままにも、・・・出来ぬだろう?」
「――妖物が集まる」
鼻の利く坊主がすかさずこたえた。
「そうだ。たいそう、うまそうな匂いを撒き散らすだろうなあ。人間はおちおち寝てもおれん。だからといって、天宮が引き取ってはくれん。帝がそんなもんを天宮にいれるわけもなかろう?それに、なによりな ・・・――――」
なぜか、すんなりと続かぬそれを、眉間をよせたサモンが引きとる。
「 ―― セイテツは認められないだろうがな、・・・存神になった者は、『力』のもととなった相手を・・・・・喰うのだ」
「まっ、さか!そんな!・・あ、・・・アシも・・そうなるなんて、・・言うつもりか?」
―――なる。 と、シモベは断言した。




