はじめ
シモベは鼻息をついて両目を閉じた。
「・・・たいそう昔、里に住む、『力』のある子どもが、おもしろがって始めたことよ。なのでな、天宮は知らなかった。 そんな《ただしい》ものからはずれた『役神』がいることをな」
必要なときだけ、必要なものから役神を仕立てた子どもは、それを、遊び相手にもした。
いっしょに遊んで、仕事して ―――。
仕舞いは、『終わらせ』ず、そのまま仲良く床につくようになった。
「役神は、ねむらん。子どもが先にねむる。さすればしぜんと『力』もとだえ、したてた役神は朝まではもたぬのだ・・・が、」
「・・・・・・」
「セイテツ。おまえが今考えたようにな、その子どもは、また起きたときにも、前の日から姿をたもったままの役神に、『会いたい』とおもうようになったのよ」
目が覚めて
おはよう、今日も、いっしょだね と。
「いっぽうの役神は、『力』のある子どもから、知らずのうちに、それを分け与えられていた。――役神なのに、つかわれるのではなく、己で考えるようになる。 そこでな、こちらも、また、おもったわけよ」
この子が、目が覚めるまで、ここに、このまま ――――。
セイテツは、もれそうな息を止めた。
まるで、それは、
――あの子たちではないか。




