表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― 明滅にして 明明 ―  作者: ぽすしち
明るむ 章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/47

存神(たもつがみ)


みかどに、『捨てて来い』といわれたが、実際、存神たもつがみとはどんなものなのだ?」


「おまえら人間が、宝物殿ほうぶつでんまつっておろう。それに、あれは、下界でただひとつ、帝がかかわる場所よ。だから人間どもが未だに供物を捧げるのだろう?」


「まあ、そうなんだが・・・」

 言われれば、確かに特別な社なのだ。



 人間は、古くから天宮と接点があるその場に、感謝の意味を込めてか、供物をささげ、祭もおこなうようになった。


 だが、祀られた存神たもつがみについては 正直、宝物を守る役目の神だという以外、その存在を考えたこともなかった。

  

 身近な役神どもと違い、その姿は神官も坊主も見たことがない。




「あれはな、 ――役神えきがみからはずれた神だ」


 サモンならば知っておろう?とアラシが聞く。


「・・・わたしが父上から聞いたものと、アシとでは、・・・かなり異なる」

 困ったように口元を隠したサモンを示し、セイテツが肩をすくめる。

「サモンが知らないのなら、コウセンもセリも知らないだろう? 阿吽あうんも知らんと言うし・・。ひょっとして、帝にだまされているかもしれないしなあ」


 ありえるだけに、シモベもごろごろと喉奥で笑う。


「まあなあ。たしかに、―― 本来、役神はあそこまで人間くさくは、ならなんだ」


 伍の宮のアシを知るアラシは、片方の目玉を閉じた。


「―― 役神えきがみというのはな、つかわれてこそ、役神ぞ。シャムショにたむろい、役所エキショに集う者らこそ、《ただしい》役神じゃ。 長い時間をかけて役神になったものを、神官どもが記してまとめて把握し、それぞれの仕事をさせる。 仕事が終われば、役目も終わる。よう務めたと終わらせてやるのも、神官どもの大事な仕事よ。  あれのはじめはな ――――」


 閉じた目玉がぎょろりと開く。


「 いつの頃よりか、『力』のある人間どもが、必要な役神を、仕立てて、つかうようになったのだ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ