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姉のものをなんでも盗むずるい妹の嘘の密告で婚約破棄された姉は、妹の悪事を暴くべく奮闘する!悪役令嬢なのにできるの?とか言われても妹の悪だくみに屈するわけにはいきません!私は不義などしてませんわよ

作者: いお

 私は雪がちらつく中、婚約者の王太子殿下に呼び出され王宮に向かいました。

 正確には、星和198年12月1日の早朝でした。


『アイリス・ヴォートウィン、不義の罪により婚約破棄とする!』


 いきなり、王太子殿下に宣言されましたが、私は不義というのなら証拠をと求めましたわ。

 そんなことをした覚えがなかったからでした。


証言者1 ユーリス伯爵令嬢


 それは先月のことでした、王宮の中庭でアイリス様が宰相のミルトン様と抱き合っているのを見てしまいましたの。


 私はただ具合が悪くて立ち眩みをおこしたのを彼が介抱してくれただけと、宰相の発言を求めましたが、国外に彼はでているのでダメということでした。しかし立ちくらみというのもあの方からもらったお菓子を食べた瞬間というのもおかしな話でしたわ。

 なら不義相手も罰するべきでは?と言ったら


証言者2 ヴォートウィン家の侍女A


 それは数週間前のことでした。使用人の一人とアイリス様が「できているのなら早く言ったほうが」

と話しているのを聞きました。ただならぬ雰囲気でした。


 私は使用人の一人が、他の使用人とキスをしているのをみて、二人がつきあっているのなら、みつからないうちになんとかしたほうがといっただけです。

 そのうちの一人が既婚でしたので……だがしかし、さすがにこれは言えない。

 なのでそんなことは言ってはいないで通しましたが、嘘だといわれましたわ。


 そして私のその態度を見て、男好きといっていたあの人の証言は間違いない! と言われましてね。

 そのあの人とは? と尋ねたら衛兵に引っ立てられ、牢屋にぽいされましたわ。


 牢屋で座り込んで考えます。

 多分あの子の仕業だと……。

 なら


「裁判を要求しますわ! 私は無実です!」


 裁判要求を高らかに牢屋で叫び続けましたわ。さすがにこの声は無視できなかったようで法廷がひらかれることとなりましたわ。

 そして私はこの黒幕がわかっていたので、その人の目をかすめ、捜査をきめたのです。

 監視つきではありましたが、一応は動けることになりました。

 しかし妹は大変ねと笑いながら言って、両親はお前本当に無実なのか? と聞いてきます。

 明るく美貌を歌われた妹のほうが大切なのは知ってますけど、私は根性悪の妹のいじわるに耐えて、やっと王太子殿下の婚約者として認められましたのにひどいですわ。

 魔法のお勉強をさぼっていた妹が悪いのですわよ……という気力さえなくなりましたわ。

 一人で何とかしないと駄目なようです。



「宰相様は国外においやられ、数か月戻ってこない、そして使用人二人は辞めて行方知らずですか」


 先手を打たれていました、相手が上手です。

 裁判は来年5日に決定、あと一か月もありませんでした。


 私は今度は得意の魔法で探ることにいたしました。しかし、結界が王宮と実家に張っていてだめでしたわ。

 一応、あれも魔法は使えますし。しかし、結界はすこし複雑でしたわ、これたしか宰相の? ここからふと私はある考えが浮かびました。

そうするといままでの不自然なことが繋がりができたのです。しかし証拠が……。


 そうして、ふと思いつき、魔法学院に設定してあった「ある仕掛け」を調べてみましたら、発動しておりましたわ。

 さすがにあれも、私の持ち物に仕掛けてあるとは思わなかったようで……。


「これでいくか」


 私は膨大な魔法データを調べ抽出します。そして魔法学院の親しい教授にこのデータが本物であるとお墨付きをもらいました。

 ある光景をみつけ、これが決めてかとわかりました。そしてあれに反撃にでることにしたのです。


「盗撮と盗聴は証拠として無効だ」


「これは私の品物に入っていて、あの子が盗難を繰り返すということを調べるためにいれました。盗難も盗聴も証拠としては有効ですわ」


 私の言い分は法律的に正しいです。そして私が数々の証拠を提出し、最終証言者の証言が「嘘」だということがわかり、私は無罪放免となりましたわ。


「お姉さまずるいずるいずるいですわ、お父様からの贈りものの中に盗聴盗撮専用魔法を仕掛けていたなんて! ローズが牢屋に入れられるなんてひどいですわ」


「反省なさい、牢屋でしばらく過ごすことね」


 ええ、牢屋で泣くのは私の一歳下の妹ローズ、最終証言者は妹、妹の嘘の数々が証拠として提出になりまして、魔法学院の自室で宰相様とあれあこれやしていたのが最終証拠となりまして、私ではなく妹が不義(宰相様は既婚者です)の罪ということで牢屋に入れられることになりましたわ。


 いやあ、お姉さまにはいりませんわよね~と貸したはずのぬいぐるみに盗聴盗撮魔法を仕込んでいて、助かりましたわ。

 いえ、あの子が私のものを取り上げる嘘つきというのを両親にわからせたかっただけでしたが。


 ええ、そして王太子殿下と私は婚約破棄となりました、私が破棄したのですわ。

 妹とできていたのもわかりましたし。


 そして牢屋で泣き叫ぶ妹が3年、牢屋に入れられることが決まり、反省しなさいと私は再び優雅に妹に笑い掛けたのでした。 

 宰相様は有罪で免職、あとの証言者は騙されていただけなので無罪なのはちょっと…。だってなにか不自然でしたわ再捜査してみますわ。


しかし盗聴と盗撮は証拠として有効というのを知っていたのと、妹の盗癖の証拠のために魔法をしかけていましたが、あれがなければまずいところでしたわ。もう少し修行が必要ですわね。


お読みいただきありがとうございます。

評価、ブクマなどでポチいただけるととても喜びます。

よろしければよろしくお願いします。




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