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少女、兄が都会の水に染まるを知る

キャサリンの次兄登場です。

三男も名前は決めてますが、いつ出るかは未定

 揉乳の刑初執行から3ヶ月が経ち、今日も公爵邸で淑女教育を受ける3人。


 

 あれからアリス様の中で揉乳の刑がマイブームになったらしく、毎日成績最下位への刑の執行すると決めたのですが、成績的に刑を受けるのはエマかサリーのどちらか。執行人は私。


 エロティックお乳のサリーは言わずもがな。最近はエマまで主張の激しいお乳に成長。刑のせいで大きくなったとエマから苦情を受けておりますの。


 ……違うよ、それは自然成長。豊胸効果は無いと言っても認めないので、一回だけ私が最下位になった時「だったら私も豊胸してくれ!」と揉みほぐすよう頼んだら、「伯爵令嬢様相手に恐れ多くて揉めません」と断られました。


 ()()()()()()()()とストレートに言えないから、立場上みたいな言い方で逃げましたわね。


 だから私が身をもって実証済みだと言っているではありませんか。持つ者と持たざる者の格差社会の縮図ですわ。


※体感は個人の感想です。効果を実証するものではありません。


 ◆


「実戦訓練?」

「最近淑女教育のレッスンばかりで、武術の訓練が疎かな気がします。私達には武力も必要ですから、あまり実戦から遠ざかるのもよろしくないかなと思いまして」


 ある日、レッスンが終わりお茶をしていると、サリーが提案をしてきました。確かに対人訓練はご無沙汰、あまり日を空けると感覚が鈍るのは当然です。


「それならばアリス様経由で公爵閣下にお願いしてみようかしら」

「公爵閣下に?」

「身内だけで訓練するより効果的な指導役を手配してもらいますの」


 私の提案にそういうことかと頷く2人。性格はアレだけど、指導役に適任の男がいるのよね。




 〈それから1週間後〉


「第一騎士団所属、ケヴィン・リングリッドです。今日はよろしく」

「エマ・パットンです。よろしくお願いいたしますわ」

「サリー・ドイルです。ご指導お願いします」


 はい、指導役はウチの次兄で聖騎士を務めるケヴィン兄様です。第一騎士団所属ですからね。

 アリス様から団長である公爵閣下にお願いすれば一発OKです。職権乱用と言われてもいいじゃない、公爵だもの。


「どんな子を指導するかと思ったら、こんな素敵なお嬢様2人とは。指導にも力が入るよ」

「ちょっと、素敵なお嬢様は全部で3人の間違いですわよ」

「おや? 3人目はどちらにいるのかな?」

「アンタの目の前じゃ!」

「イテッ!」


 2人にデレデレな兄にイラッとした私が向こう臑を蹴りつけると、兄はようやく私の存在に気付いたかのように目線をこちらに向けます。


「妹よ、素敵なお嬢様はいきなり臑を蹴りつけるマネはせんぞ」

「聖騎士のくせに妹の蹴りも避けられない方に言われたくありませんわ」

「お嬢様達の前で兄に恥をかかせて楽しいかい?」

「お兄様を敬愛しているこの私がそーんなことするわけありません。ただ……時間がもったいないので、そのデレデレした馬・鹿・面! 晒している暇があったらさっさと訓練を始めませんか。と思っただけですわ。オホホホホ」

「そうだな妹よ、早速始めようか。……アトデオボエテロヨ」

「ええ、お願いしますわ。……ソッチコソホエヅラカイテモシリマセンワヨ、コノドスケベ」


 普段は仲のよい兄妹なのですが、可愛い子にはすぐデレデレしちゃうのが悪い癖。

 そのうち美人局に騙されやしないか心配なので、いつもその事で苦言を呈してはケンカになりますの。

 

「いくら油断していたとはいえ、聖騎士相手に臑蹴り当てられるって、やっぱり只者じゃないわね」

「あそこの兄妹ゲンカって相当激しそう……」


 兄妹の闘気に割って入れないエマとサリーは、ただ2人のやり取りを傍観しています。兄妹ゲンカを竜虎の争いみたいに言わないで。




 それから指導が始まりました。

 エマは飛び道具、サリーは格闘戦を得意としますが、難なく攻撃をかわしては最短の手数で2人を追い詰めます。流石はエリートの聖騎士、性格はクソだが、動きにムダが無いし、ひいき目抜きで強い。


「油断していない相手には先の先だけでは通用せん!状況に応じて対の先、後の先と状況に応じて使い分けよ!」


 指導も的確です。2人も間違いなくレベルアップできそうね。



 

「さて、そろそろ終わりの時間か。最後にケイト、やろうか」


 ここまで2人の指導にかかりきりだった兄がようやく私をご指名です。お兄様の「やろうか」が「殺ろうか」にしか聞こえません。


「待ちくたびれましたわ。では、お兄様の化けの皮、最後に剥がさせてもらいます」

「剥がせるものならやってみな。行くぞ!」


 そう言うと兄は一気に間合いを詰め切りかかってくるので、それを受け流しながら数合切り結びます。

(何なのよ! あの2人相手にしてる時と全然動きが違うじゃない!)


「ほう、しばらく見ないうちに太刀捌きも間合いの取り方も上達したじゃないか」

「ちょっと兄様! か弱い淑女相手に手加減という言葉を知りませんの!」

「手加減したらこっちがやられるような相手のどこが『か弱い』んだよ! 可憐なお嬢様達の前で無様な姿は見せられんからな」


 最初から本気モードの兄に対し文句を言いますが、か弱いという言葉を全力で否定されました。フィル兄様もそうでしたが、私の評価がおかしいですわ!



「私達が2人がかりでも敵わなかったのに、それよりも速い……あれが聖騎士の実力……」

「それを1人で打ち合っているケイトも凄い……」


 エマとサリーは頂上決戦とも言うべき2人の戦いを固唾をのんで見守っている。 

 その胸中は、自分たちの実力が遥かに劣っているという忸怩たる気持ちなのか、同い年の女の子がここまでやれるということに対する憧憬なのかは本人達も自覚していないが、今はただ目の前で繰り広げられている戦いを刮目している。

 


(ムカつくけど隙がない。どうやって隙を作ろうかしら)

 兄の方が実力が上なのは百も承知だが、防戦一方で一太刀も浴びせられていないケイトは、なんとか兄の隙を作ろうと考えていた。


「お兄様、あの二人スタイルもいいし、なにより美人よね」

「そうだね。あと5年もすればもっといい女になる」

「今でも中々のものよ。お胸もすごい柔らかいし」

「なんで知ってるんだよ」

「私、毎日彼女達のお胸をモミモミしておりますの」

「なっ!うらやまけしからん!」


(隙あり!)


 私のエロトークで揺さぶりをかけられた一瞬の隙を突いたものの、すんでのところで防がれてしまいました。



「妹よ、しばらく見ないうちに卑怯な手も覚えたようだね」

「殺し合いに卑怯もクソもありませんわ」


 その後、しばらく立ち合いました。何回かエロトークで油断を誘いましたが、全体的には兄優勢のまま時間切れで引き分けとなりました。


 お兄様の顔を立てて、今日はこれくらいにしてやりますわ。(負け惜しみ)




「では訓練はここまで。エマ嬢もサリー嬢も中々いい腕前だ。今日教えたことを肝に銘じて、後はそこのおチビさんに教わるといい。2人には不服かもしれないが、()()()()()()()()一流だからな」


 兄はそう言い残し帰っていった。武芸の腕前だけは一流ってなんでそこだけ強調するのよ。失礼しちゃうわ。




「はぁー、やっぱり聖騎士はレベルが違うわね」

「でも指導は的確ですわ。私達の足りないところを一つ一つ埋めるように教えてくださいますもの」

「それも優しく丁寧にね」

「ホント、憧れるわ~」


 エマとサリーが乙女の表情で兄のことを素敵と連呼する。

 あのガサツな兄のどこがいいのかと問うと、強靭な体、ルックス、そして聖騎士という地位とその実力。それら諸々を総合して、騎士団の中でも女性人気はトップクラスだと言うのだ。

 女性への接し方も紳士的でファンクラブもあるらしい。


 あのケヴィン兄様が? あのガサツと書いてケヴィンと読む兄様が? 女性にモテモテ?



 お兄様、只のスケベが都会の水に染まって、スケコマシにランクアップしたようですわね。と悲しむキャサリンであった。

お読みいただきありがとうございました。

次回更新をお楽しみに

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