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サキ作品集

パン屋の1ダース

作者: サキ(原著) 着地した鶏(翻訳)

登場人物――

 リチャード・ダンバートン少佐

 ミセス・カリュー

 ミセス・ペイリー=パジェット


舞台――

 東に向かう蒸気船の甲板上、ダンバートン大佐は甲板椅子デッキ・チェアに腰を掛けている。そばの椅子には、「ミセス・カリュー」の名札が書き添えられている。その近くにも椅子が一脚。


舞台下手ぶたいしもてから、ミセス・カリュー登場。のんびりと自分の席へ腰を下ろす。少佐は、彼女の登場に気付かぬふり。)


少佐(突然、振り返って)

「エミリーじゃないか! 何年ぶりだろう? まさに運命だね!」


エミリー

「運命ですって、そんなわけないじゃない! 少なくとも私はそうは思わないわ。男の人ってそんな風にいつも運命論者ぶるんだから。あなたがこの船で旅行しているのを見かけたから、同じ船で出ようと出発の予定を三週間も延ばしたのよ。客室係にも袖の下を掴ませて、人通りの少ない端の方に椅子を並べさせたし、今朝だって、とびきり綺麗に見えるように随分と骨を折ったんですから。でも、あなたときたら『運命だね』なんて言うんですもの。ねえほら、私、綺麗かしら?」


少佐

「昔よりも、ずっと綺麗だよ。君の美しさは時を経ていっそう豊かさを増したようだ」


エミリー

「そう言うと思ってたわ。一言一句、予想通りね。恋愛の言い回しなんて、残念だけど限られてるもの。でも、そんなのどうだっていいわ。美の最たるものは、愛されることだもの。ねえ、私のこと愛してらっしゃる?」


少佐

「ああ、愛しのエミリー。僕の心はもう君に惹かれっぱなしさ。それこそ、君がそこに座るずっと前からだよ。僕も客室係に賄賂わいろを渡しててね、人気のないところに僕らの椅子をまるごと移してもらってたんだ。『お客さま、首尾よく取り計らいましょう』と返事をもらってね。朝食のすぐの後ことだよ」


エミリー

「どうして男の人って先に朝ご飯を食べたがるのかしら。私なんて客室を出てすぐに、椅子のことに取りかかったのに」


少佐

「無茶言わないでくれ。この船で運良く君の姿を見つけたのが朝食のときだったんだから。食事中はずっと、お転婆娘(フラッパー)に猛烈で尋常ならざるアプローチをしていたけど、それも君にいてほしかったからさ。きっとあの娘は今頃、友達に僕のことを知らせようと、客室で手紙でも書いてるだろうね」


エミリー

「ねえ、ディッキー。嫉妬させたいなら、そんな苦労しなくてもよかったのよ。だって、何年も前に私、いちゃったもの。あなたが別の女と結婚したときにね」


少佐

「いや、君だって、出て行ってから別の男と結婚したじゃないか……そのうえ、相手も寡夫やもめときた」


エミリー

「まあ、寡夫やもめと結婚したって何の害もないと思うわ。それに本当に良い人がいたら、もう一度結婚してもいいと思ってるわ」


少佐

「考え直してくれよ、エミリー。そんな速さで急いじゃ不公平じゃないか。君はもうグルッと周回で勝ち越してるんだから。今度は僕が申し込む番さ。君は『はい』というだけでいい、それだけでいい」


エミリー

「もう、さっきそれと同じようなことを言ってあげたじゃない。そんなことで時間を無駄にするつもりはないわよ」


少佐

「それじゃ……」


(二人は互いに見つめ合い、そして間髪入れず、力のかぎり抱きしめ合う。)


少佐

「この勝負、引き分けだな。(突如、膝丈まで飛び上がる。) ああっ、×××(クソッ)、忘れてた」


エミリー

「忘れてたって何を?」


少佐

「子供がいるんだ。話しとかないといけないな。子供はいやかい?」


エミリー

「大勢じゃなければ大丈夫だけど、何人いるの?」


少佐(焦りながら指折り数えて)

「五人」


エミリー

「五人ですって!」


少佐(心配そうな顔で)

「多すぎるかな?」


エミリー

「なかなかの数ね。最悪だけど、私にも何人かいるのよ」


少佐

「たくさん?」


エミリー

「八人」


少佐

「六年で八人だって! おい、エミリー!」


エミリー

「私が生んだのは四人だけよ。他の四人は旦那が最初に結婚したときの子供。でも、実際には合わせて八人よ」


少佐

「それじゃ、八人と五人を合わせて十三人だ。十三人の子供と一緒に結婚生活なんて始められやしないよ。なんて最悪なんだ。(動揺しながら、行ったり来たり歩き回る。) なんとかしないといけないな。どうにかして十二人に減らせないかな。十三は恐ろしく縁起が悪いから」


エミリー

「なんとかして一人か二人、手放せないかしら。フランス人なら、たくさん子供を欲しがってるんじゃないの? 『ル・フィガロ』でそんな記事を見たことあるわ」


少佐

「たぶん、連中が欲しがってるのはフランス人の子供だろ。僕のとこのはフランス語なんて話せないよ」


エミリー

「ねえ、男の子の一人くらいは出来の悪いのや、ろくでなしに育つかもしれないじゃない。そしたら勘当できるわよ。そんな話、聞いたことあるわ」


少佐

「なるほど、いやでも、まずは教育しないと。良い学校にも通わせないうちから、ろくでなしかどうかなんて分かるわけないだろう」


エミリー

「生まれつき出来が悪いっていうのはどうかしら? 男の子はたくさんいるんだし」


少佐

「そんなのは、出来の悪い親のが遺伝したときだけさ。君だって、僕の出来が悪いとは思ってないだろう?」


エミリー

「ときどき一世代くらい飛び越して遺伝することもあるじゃない。親戚に、誰か出来の悪いのはいないの?」


少佐

「大きな声じゃ言えないけど、伯母に一人いたよ」


エミリー

「やっぱり、いるじゃないの!」


少佐

「だけど、あまり期待はできないね。今の時代じゃ許されてることだって、ヴィクトリア時代の中頃じゃ、本当に色んなことが『おおっぴらに語れない』っていうレッテルを貼られていたからね。えて言うけど、例の伯母さんだってユニテリアン派のキリスト教徒と結婚したとか、両脚りょうあし広げて馬にまたがって狐狩りに行ったとか、それだけのことさ。いずれにせよ、出来が悪かったかどうかも分からない大伯母に似てくれるのを、いつまでも待つわけにはいかないだろう。他の手を考えよう」


エミリー

「養子縁組っていうのはどうかしら?」


少佐

「子供がいない夫婦とかがやってるのは聞いたことがあるけど……」


エミリー

「しっ、静かに! 誰か来たわ。誰かしら?」


少佐

「ミセス・ペイリー=パジェットだ」


エミリー

「うってつけじゃない!」


少佐

「ん、養子にもらってくれるってのかい? あの人、お子さんは?」


エミリー

「貧相な女の子(メスガキ)だけよ」


少佐

「ちょっと聞いてみよう。


舞台下手ぶたいしもてよりミセス・ペイリー=パジェット登場。)


おや、おはようございます。ミセス・ペイリー=パジェット。朝食のとき、最後にお会いしたのはどこだったか思い出そうとしてたんですよ」


ミセス・ペイリー=パジェット

「クライテリオン劇場の食堂じゃなかったかしら?」


(空いた椅子に腰を落とし込む。)


少佐

「そうでしたね、クライテリオン劇場でした」


ミセス・ペイリー=パジェット

「あの日、私、スラグフォード卿のご夫妻と夕食をご一緒してましたの。素敵な方たちだけど、とても吝嗇けちなのよ。食事の後は、競輪場に連れていって下さったわ。なんとか言う舞踏家がメンデルスゾーンの『脱衣歌集』を演じるっていうから、それを見に行ったの。でも、天井近くの狭い桟敷さじきに押し込まれましてね。ご想像の通り、暑苦しくて参ってしまいましたわ。あれじゃ、まるでトルコの蒸風呂ですもの。それにね、当たり前ですけど、何も見えなかったのよ」


少佐

「なら、トルコの風呂とは違いますね」


ミセス・ペイリー=パジェット

「少佐!」


エミリー

「おでになったとき、ちょうど、あなたのお話をしていたんですよ」


ミセス・ペイリー=パジェット

「そうだったの! 悪い噂じゃないといいけど」


エミリー

「あらまあ、そんなまさか! 船旅も始まったばかりですのに、そんな噂なんてしませんわ。むしろ、お気の毒に思っているんですよ」


ミセス・ペイリー=パジェット

「お気の毒って? 何のことかしら?」


少佐

「お宅に子供さんがいらっしゃらないこととか色々ですよ。小さな子供がパタパタ駆けまわる音もしないなんて、ねえ」


ミセス・ペイリー=パジェット

「少佐! よくもまあ、そんなことを! うちにも女の子が一人おります。あなたもご存知だと思ってたのですけど。うちの娘だって、他の子と同じようにパタパタ駆けまわっておりますわ」


少佐

「でも、足音は一人分でしょう」


ミセス・ペイリー=パジェット

「当り前でしょう。うちの娘は百足むかでじゃありませんもの。そりゃ、私ども一家は恐ろしい密林ジャングルの駐屯所へ転勤しますけどもね。あそこには、ちゃんとした平屋バンガローなんてなくて、あったとしても足の踏み場もありませんもの。だったら『子供のない家』じゃなくて『家のない子供』と言うべきじゃありませんか。まあ、いずれにせよ、お気遣きづか有難ありがた頂戴ちょうだいしておきますわ。悪意があっておっしゃったんじゃないでしょうし、失礼な物言いをしてしまうこともよくあることですから」


エミリー

「あ、ええと、ミセス・ペイリー=パジェット。私たちはただ、お宅の可愛いお嬢さんが、弟さんや妹さんと遊ぶことも無く、そのまま大きくなっていくのが可哀相かわいそうに思っただけなんですよ。ええ、そうなんです」


ミセス・ペイリー=パジェット

「ミセス・カリュー。今日の話は、控えめに言っても不躾ぶしつけじゃありませんか。結婚して二年半なんですから、家族が少ないのは当然でしょう」


少佐

「一人だけの幼い女の子を家族というのはいささか誇張が過ぎませんかね? 家族と言うならば、もっと人数がおりませんと」


ミセス・ペイリー=パジェット

「少佐。あなた、本当に風変りな物言いをしますわね。おっしゃる通り、一人だけの幼い女の子しかおりませんわ。あくまでも『今は』ですけど……」


少佐

「おやおや、時が経っても女の子は男の子になりゃしませんよ。当てにしてしておられるなら残念なことですが。それよりも、私どもの言葉に耳を貸してくれませんか。この件については、こちらの方が経験豊富ですからね。いいですか、女の子に生まれたら、ずっと女の子ままです。母なる自然だってあやまちを犯さないわけじゃありませんが、でも、そのあやまちを甘んじて受け入れてきたからこそ、今があるんじゃありませんか」


ミセス・ペイリー=パジェット(立ち上がって)

「ダンバートン少佐、この船は快適とは言えないくらい狭苦しいですけど、残りの船旅で、お互い顔を合わせないで済むくらいの広さの部屋はあると思いますわ。あなたもよ、ミセス・カリュー」


(ミセス・ペイリー=パジェットは舞台上手ぶたいかみて退がっていく。)


少佐

「母親のくせに自然の道理の分からん女だ!(椅子に深く沈み込む。)」


エミリー

「あんな癇癪持かんしゃくもちのところに、安心して子供なんて預けられないわ。ねえ、ディッキー、どうしてそんなにたくさん家族がいるのよ? 『僕の子供のお母さんになってくれるのは君だけだ』って、いつも言ってたじゃない」


少佐

「君だって他所様よそさまのところで子供を産んだり、他人ひとの子を引き取ったりして大家族を築きあげてたじゃないか。そんなんじゃ、僕だって待っていられないよ。それより、君はなんで自分の子供だけで満足できないんだ。切手蒐集きってしゅうしゅうじゃないんだから他人の子供まで集めなくてもよかったじゃないか。理解できないよ。四人の子持ちと結婚するなんて!」


エミリー

「でも、あなただって五人の子持ちと結婚させようとしてるじゃない」


少佐

「五人だと! (膝丈まで飛び上がる。) 僕、五人だなんて言ったかい?」


エミリー

「確かに五人って言ったわよ」


少佐

「そうか、エミリー、きっと数え間違ってたんだ! 今から子供たちの名前を言うから聞いてくれ、一緒に数えよう。まずは、リチャード……名前の由来はもちろん僕」


エミリー

「一人目ね」


少佐

「アルバート=ヴィクター……この子、戴冠式の年に生まれたんだ」


エミリー

「二人目!」


少佐

「モード。ええと、この娘の名前はね……」


エミリー

「名前の由来なんてどうだっていいわ。三人目よ!」


少佐

「あとはジェラルドだ」


エミリー

「四人目!」


少佐

「これで全員」


エミリー

「本当?」


少佐

「誓って言うが、これで全員さ。きっとアルバート=ヴィクターで二人分カウントしてたんだな」


エミリー

「リチャード!」


少佐

「エミリー!」


(二人は抱擁を交わした。)


【あとがき】


原著:「Reginald in Russia」(1910) 所収「The Baker's Dozen」

原著者:Saki (Hector Hugh Munro, 1870-1916)

(Sakiの著作権保護期間が満了していることをここに書き添えておきます。)

翻訳者:着地した鶏

底本:「Reginald in Russia」(Project Gutenberg) 所収「The Baker's Dozen」

初訳公開:2020年7月19日



【訳註もといメモ】

1.『パン屋の1ダース』(The Baker's Dozen)

 「Baker’s dozen」は英国の慣用句で「13個」を意味する。昔のパン屋で1ダース(12個)買うと1個おまけされて13個になる、といったニュアンスの言葉で、本作の内容によく合致したタイトルである。しかし、パン屋は何もサービス精神からおまけをくれていたわけではない。諸説あるが、13世紀のイングランドで出された「パンと麦酒エールに関する巡回裁判法(The Assize of Bread and Ale)」によってパンの法定重量が決められてしまい、「目方をちょろまかした」などという嫌疑を恐れたパン屋が多めにパンをおまけしてくれるようになった、というのが広く人口に膾炙した説である。事実か嘘かは分からないが、まあ、パンの重さなんてものは水分が飛ぶので時間によって変わるものだし、目方をちょろまかしたパン屋が懲罰椅子(cucking-stool)に縛り付けられて川にドボンという話もあるので、そういうこともあったのかもしれない。


2.『東に向かう蒸気船』(eastward-bound steamer)

 新潮社の既訳「十三人目」(中村能三・訳)では「アメリカ行汽船」と訳されているが、後述の「密林の駐屯所」の件もあるので、英国から見て東方のインド行きの汽船だろう。もちろん、本作の舞台が英領インドであって、船が東方のアメリカに向かっているという可能性もないわけではない。(戯曲形式のものは情報量が少なく時事性が高いものが多いので、解釈が難しくなる)


3.『お転婆娘(フラッパー)』(a flapper)

 「flapper」という単語が表すものは時代によって変遷を見せるが、概ね「活発そうな今どきの若い娘」というニュアンスの言葉であろう。


4.『ああっ、×××(クソッ)』(Oh, d---)

 「Oh, d---」は「Oh, damnちくしょうめ」の伏字。もしくは声に出すのをはばかって、語頭だけ漏れてしまったようにも見える。どちらにせよ、現代日本人である訳者としては、もっと憚るべきところはあるだろう、と思ってしまう。


5.『ル・フィガロ』(the Figaro)

 「Le Figaro(ル・フィガロ)」は現在も刊行されているフランスの日刊紙で、1826年創刊のフランス最古の新聞である。


6.『ユニテリアン派』(a Unitarian)

 ユニテリアン派はキリスト教の一派で、キリスト教正統派の唱える三位一体の否定などからカトリックや英国国教会とは性質を異にする。


7.『クライテリオン劇場の食堂』(the Criterion)

 劇場食堂(The Criterion)はロンドンのピカデリー広場にある劇場併設型の高級レストラン。1873年創業の老舗で、アーサー・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle, 1859-1930)が書くシャーロック・ホームズの第一作「緋色の研究」にも登場する。


8.『メンデルスゾーンの『無服歌集』』(Mendelssohn’s “song without clothes.”)

 聡明な読者諸氏ならお気づきのことと思うが、メンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy, 1809-1847)のピアノ曲集は「無言歌集(Songs Without Words)」であって、「無服歌集(Songs Without Clothes)」ではない。ミセス・ペイリー=パジェットの勘違い、というか「トルコの風呂(a Turkish bath)」に掛けたサキの洒落だろう。


9.『密林ジャングルの駐屯所』(jungle stations)

 ここで言う密林ジャングルは英領インドの奥地を指すと思われる。サキの父親もインド帝国警察としてビルマ(現・ミャンマー)に赴任していたし、サキの短編にもインドを舞台としたものが多くあるので、非常に多くの軍人や官人が英国本土と英領インドを行き来していたことが伺える。


10.『母なる自然だってあやまちを犯さないわけじゃありません』(Nature is not infallible)

 この部分は新潮社の「十三人目」(中村能三・訳)や白水社の「十三人いる」(和爾桃子・訳)とは、訳出が少し違うので備忘録を残しておく。両者は「自然は過ちを犯さない」という風に訳し上げているが、私(訳者)はその逆に訳している。原文は「Nature is not infallible, but she always abides by her mistakes.(自然は間違いのないものではないが、いつだって自分が犯した間違いを受け入れている)」なので、私訳の方が近い気がする。だが、そもそもこれは何かの慣用句なのかもしれないし、何か大きな見落としをしているのかもしれない。

 ちなみに、ここの「母なる自然(Nature)」はその後に出てくる「自然の道理の分からぬ母親(an unnatural mother)」に掛かっていると思われる。


11.『戴冠式の年』(Coronation year)

 1901年の英国王エドワード七世の戴冠式こと。ヴィクトリア女王と王配偶アルバートとの子であるエドワード七世は全名をアルバート・エドワードと言い、作中のアルバート・ヴィクターはこれに因む(ヴィクターの方はヴィクトリア女王に因んでいるのだろう)。

 余談だが、エドワード七世には28歳で早逝した王子がいるが、彼の名も「アルバート・ヴィクター」と言う。エドワード七世の戴冠式より前(1892年)に亡くなっているので、本作と直接的な関係はない。ただ、彼も父親に負けず劣らずのスキャンダラスな噂がつきまとっていたので、作中に出てきた「アルバート・ヴィクター」という名は、そういった黒い笑いを意図していたのかもしれない。

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