表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

鉄格子の中で、私はあなたに出逢いました。

作者: くるくる



あーあ、また嫌われちゃったか。

今度も鉄格子か、あ、だけど兵士は重装備になってる。

わー、過剰戦力ー、か弱い女の子1人に対してどんだけ兵を使ってるんだか。

なんでだろうな、私何もしてないのにな。


あの子の髪の毛を切ってもいないし。

あの子に暴言を吐いたりもしていない。

平民のくせになんて、そんなこと思ってすらいない。

カッターで切りつけたって、それいつの時代の虐めですか?


証拠もないのに、ぽっとでの女の子を信じて、ずっと一緒にいた私の話は信じてくれないんですね。

もう疲れちゃった、これで何回目だっけ。

結局あなたはあの子を正妻として迎えるために、私に罪を被せて断罪した。

神の前でやる、神聖なる裁判でそんなことをしてもいいのかしら。

神様からの罰が降ってしまうかもしれないと言うのに。


……こんなに愚かなあなたを、私は今でも好きなんです。

誰か笑ってくれないかな?でも、もうそんな友達もいないか。


みんなみんな、いなくなっちゃったなぁ。


次こそは、きっと。




あなたとの恋を、忘れられますように。



そう思いながら、私は冬の寒さで氷のように冷たい鉄の床の上で、眠ってしまったのでした。

明日の処刑を、心待ちにしながら。



++++++



やってきました、処刑台。

朝起きてすぐにこんなことになるなんて、すっごくショッキングですね


……何回もループしてるからかな、テンションがおかしくなっちゃった。

あ、あの子だ、血は嫌いだとか言ってたのにギロチンでの処刑シーンを見に来るなんて、なんか矛盾してると思うんだけど……

あなたが一緒にいるなら、血が怖いとか言って抱きつくためなんだろうな。

そう言う風に怖がって、可愛いこぶれば良かったのかな?

いや、そんなんで落ちるわけないか。


ていうか、私はまた初恋の人に処刑シーンを見られるのか。

なんか、特殊な性癖持ちみたいだな。

殺されるシーンを好きな人に見られたい、みたいな。


「何か、最後に言いたいことはありますか?」


あ、もう処刑されるのね、結構早い。


「何も、ありませんよ」


「そうですか」


私は、ギロチンの上でうつ伏せにさせられた。

ああ、また死んじゃうんだな。

そして、私の意識はまた消えた。



++++++



また、私を閉じ込める、鉄格子(ベビーサークル)からの人生が始まった。

そう鉄格子(ベビーサークル)、その外に私の初恋の人であり初ギロチン処刑を見た人でもある、この国の王子がいるのだ。

つまり、鉄格子(ベビーサークル)ごしの密会である。


私の人生はいつも、鉄格子(ベビーサークル)ごしに始まり、そして、鉄格子の中から連れ出されてギロチン処刑で終わる。

つまり、私の人生には鉄格子が密接に関わっているということだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ