【閑話】 東雲里奈 幼稚園2年生
東雲里奈、幼稚園時代のお話です。
本日、2話投稿してます。前話よりご覧下さい
東雲里奈。
東雲家の長女である私のお話。
私の東雲家と、乾井家は昔から交流があった。
年上の和葉ちゃんに、同年齢の和樹、和樹の妹の和沙とは仲が良い。
当時幼稚園児であった、私は、同年齢の男の子にいじめられていた。
自慢の黒髪をひっぱられたり、押されたり、ばーかと言葉でいじめられたり。
高校となった時の和樹の話によれば、それは可愛い里奈へのアピールだったんだよと教えられた。
アピールで、髪をひっぱるとか、押されて転んだりとか、バーカ言われるの、全然アピールなってないからね!むしろマイナスよ!
そんな時に助けてくれたのが、和樹。
「俺の隣にいろ!転びそうなら支えられるし、言葉には俺が答えるし、綺麗な髪も俺が守ってあげる!」
そんな言葉で、和樹は私の王子様になった。
お母さんから、日々の和樹のお話をするとニコヤかに笑ってくれる。
「あらあら、和樹君は有言実行なのね」
ゆーげんじっこう。幼い私にはわからなかったけど、約束を守ってくれる人と思ったわ。
「ねーお母さん。和樹にもっと気に入ってもらうにはどうしたらいーかなー?」
あらあらと微笑む理子お母さん。
「里奈ちゃんは微笑むと可愛いからね。和樹君と目を合わせたら、リッコリと微笑んであげたらどうかな」
それから、お母さんと鏡の前で微笑みの練習をした。
微笑みって難しい。四苦八苦しながらも、和樹の顔を見れば、ニコリと反射神経ができるようになった。
和樹と視線をあわせば、ニコリと笑顔。
プイっと顔をそむける和樹が可愛い。そして、何かあれば私のヒーローだ。
ある時、同じクラスの美穂ちゃんが、和樹を頂戴と言われた。
徹底抗戦!
「選ぶのはー、和樹よ!」
和樹への笑顔を同じニコリと反論。美穂ちゃんが手を出してくるがしらんぷり。
和樹の前でニコニコ、美穂ちゃんの前でも、選ぶのは和樹よーでニコニコ。
お母さんのアドバイスに感謝だわ。
ある時、美穂ちゃんから押されて転んでしまった。
「里奈ー」
私のヒーローが駆けつけてくれる。
「里奈をいじめるな!」
美穂ちゃんは、「違うの!」と言っているが、和樹は怒っている。
「ね、和樹」
「なんだよ!」
私の為に怒っている和樹。
視線をあわせたら、いつものニコリ笑顔を返す。
「私は、和樹のおかげで大丈夫よー」
同時に、和樹の腕に抱き着くのも忘れない。
プイっと視線を逸らす和樹も可愛いね。
いつの間にか、美穂ちゃんは居なくなた。
これが私の、人生一番最初のマウント合戦の勝利であった。
だって、和樹は私だけのヒーローだもの。
今日はヴァレンタインデーの日。
昨日からお母さんの助けをかり、勇成お兄ちゃんに味見をしてもらいながら手作りチョコが完成した。
ヴァレンタインデーの日。
和樹は色々な人から、チョコレートを渡されそうになっていた。
「いらなーい。俺チョコレート好きじゃないし!」
ガーンとショックを受ける私。和樹チョコレート好きじゃないのか。
幼稚園が終わり、家に帰って泣いてしまった私。
「和樹、チョコレートすきじゃないんだってー」
大泣きしながら、お母さんに泣きつく。
「里奈の渡したチョコレートにそういったの?」
「うんんー、他の女の子のチョコレート」
母はニッコリと笑って笑顔を結ぶ。
「ほらほら、女の子は笑顔が一番よ。和樹君にチョコレートを渡しに行きましょう。里奈は大好きな和樹君の為に、笑えるかなー?」
泣くのをやめて、鏡の前でニッコリ笑顔の練習。
なんか、いつものニコリじゃない。何度か練習して、和樹の家に訪問した。
ぴーんぽーん。
「はい?」 「しののめ里奈です。和樹にチョコレートもってきました」
インターホンに出たのは、和葉お姉ちゃんだった。
小学校のお姉ちゃんが、出てきた。
「和樹、いますかー」
「あのバカ?いるから、待っててね」
「和樹ー、里奈ちゃんが来てるよー!」
和葉お姉ちゃんが呼んでくれました。お母さんを見上げると、ニコリと笑顔を返してくれます。
「里奈、いーいー?女の子は笑顔よ。好きな人の目線を感じたら、ニコリと返すのよ!」
この時のお母さんの笑顔は、婚約式を行った私でも覚えております。
「里奈ーどうしたのー?」
私を見つめてくれる和樹がいます。
頑張ってニッコリ笑顔。和樹がプイっと顔をそむけました。駄目だったかな。
「和樹ー、ちょこれーと作ってきたの!」
手に持った包み箱をびりびりと破きます。
「あーあー」
和樹君のお母さんと私のお母さんが残念がってますが、知りません。
「はい、和樹」
チョコレートの一つを和樹の口近くに持っていきます。
ペロッと食べられました。ついでに指をなめられました。
「どーおー、美味しい?」
和樹の顔をみてニコリです。お母さん直伝技。
「美味しいよ」
視線をあわせてくれませんでしたが、その言葉にますますニコニコしてきます。
和葉お姉ちゃんなんかは、
「和樹のやつに里奈ちゃんが!!!!」
と怒ってるようです。
こうして、お母さんと一緒のヴァレンタインデーの突撃は成功しました!
和樹に喜んでもらえて、自然とニコニコしてきます。
ヴァレンタインデーから数日後。
和樹から、お礼を貰いました。たまたまお祭りの縁日に行った日。
和樹から指輪を貰ったんだ。
「里奈。これあげる」
もらったのは、縁日で売っていた指輪2つでした。
「指輪渡すときに約束するんだって」
どんな約束だろう。
「俺、和樹は、健康な時も、やめる時も、とみときも、こんなんな時も、愛しうやまい慰めあってともに助け合い、えいえんに愛する事をちかいます。」
和樹の言葉を理解してなかった当時。思い返せば、その時の私をぶん殴りたい。
「えっと、どーゆー意味?」
きょとんとする、和樹。一言
「俺は、里奈を一生大事にするよって意味だよ!」
照れくさそうに言ってくれた。
その言葉に嬉しくて嬉しくて、
「うん。里奈も和樹を一生大事にするよー」
そんな指輪交換をしました。
「じゃ、俺と里奈はこれからフーフになったよ」
夫婦なら知っている。
他の異性を寄せ付けず、夫・妻を大事にするんだよね。
「うん、わかった。私は和樹を旦那様として大事にするよ!」
ニコリと笑みをかえすと、和樹もコメントをかえしてくれました。
「おう、俺もだ」
「ねー、和樹知ってる?夫婦は、他の恋人を作っちゃダメなんだってね。私は和樹が大好きだよ」
なんとなく放った言葉。この言葉で、数年後の自信が悩む原因となる事はわからづとも。
「そうだね、俺は里奈とふーふになったから、恋人は作れないよ!」
この日初めて、和樹とキスをしたの。
幸せいっぱい。指輪交換の嬉しい、幸せなキスの味でした。
如何だったでしょうか。
里奈と和樹が、付き合っていないといいつつも、夫婦については受け止めている理由です。
次話は、時代が戻って
卒業後+入学式にまつわる春のお話。
前話から、1か月程度の内容ばかりです。
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次話は2019年10月15日19時の投稿予定です
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