25 ひじょーに不愉快ですが
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「本日はとても良い日和ですね。」
「ふん。当たり前だろう。この俺が外で茶をしているのだからな。」
ムカ…
ヴ、ヴンっ!失礼。私、なぜか。なぜか!なぁぜぇかぁ!
非常に不本意ながらこの俺様まじムカ第三王子フィンレーと茶会をしています。
はぁ…なぁ私が言い出した事なんでなぜかじゃありませんね。
ことは数日前に遡ります。
あの後セオ様とは何か重要なことを話はしなかった。ハルガネットの屋敷に帰ってきた私達は例の噂こと私が第三王子の婚約者という噂をどう言うことだと抗議するために激おこのお父様が王宮に先触れを出して三日後に登城したのですが。
とうとうやってきた私達に陛下はもうそれはそれは顔を青ざめていましたね。
えぇ、お父様のお怒りっぷりを見た瞬間顔を青ざめさせ助けを求めるように私の方を見ては顔の色をなくしました。
自分で言うのもなんですが虫けらを見る目で見ていました。いえ、もっとゴミを見るような目だったかもしれません。
なぜこんな噂を流したのか説明を求めると。あ、この噂を流したのは陛下、というのは確定の話で話していますよ。嘘ならさっさと噂を否定しますよね。エレノアという名のご令嬢に迷惑ですから。
非常に文句は言いましたが陛下は絶対にこの噂を撤回しないと言いこの噂について聞いてきた貴族には真実だといったらしい。つまりこの婚約は王家からの決定事項ということだ。
絶対に嫌だと思った私は第三皇子コイツと婚約とか嫌と言わせようと思い陛下に取り合いず合わせろと言い渋る陛下を言いくるめ(そりゃ渋るよね。だって性格に難ありの皇子だと気づかれたくないもん。)そして現状に至る。
正直に言おう。途轍もなく下らない。
超暇。
第三皇子は自分の自慢話しかできないのかしら。世間話の一つや二つ…あぁ、三歳児には無理か。
「おい!お前は俺の話を聞いているのか!」
「きいておりますよ。」
ついいつものごまかす時のくせで微笑を浮かべると顔を染めた。
これはしくった。一応こんなのでも皇子だから不敬にならない会話をしないといけないのだけど…どうやっていやぁな感じにしたらいいんだろう。
劣等感を感じたら嫌いになる?自分より強い女なんて嫌よね。こういうタイプの男って。
(ボソ)『白虎』
「うわっ!なんだ!急に!え、聖獣様⁉︎」
ふぅん。聖獣には敬意を払うのね。
ちゃんと頭を下げるのだものね。
「おい!お前も頭を下げろよ!」
『彼女は良いのだ。彼女は特別な人間だからな。』
「ならば俺も頭を下げる必要はないな!こいつより僕の方が特別な存在だ。」
ピシッ
んん?なんか妙な音が聞こえたような…
「俺は世界で一番完璧で賢くて強くてカッコいいからな!将来は僕が玉座につくそうだぞ!すごいだろ!」
…聞き捨てならない事を言いますね。てか周りの温度下がってないか。
「エレノアは見目がいいから特別にそばに置いてやろう。なんだっけ、つま?きさき?とやらにしてやらんこともない。」
「いやよ。」
…… フィンレー皇子は一瞬何を言われたのかわからなかったのかキョトンとした顔をした後瞬時に顔を赤らめた。
「こ、この俺と結婚できるんだぞ⁉︎普通平伏して喜べよ!」
「いやよ。私この婚約反対なのよ。私自分より何か優れている事を持っている人じゃないと結婚なんてしたくないのよ。」
「なっ!お前!」
そう言いフィンレー皇子は手を振り上げた。そして今になって気付く私。
しまった!不敬罪か!だがいい感じに劣等感を抱かせれたようだ。なんてどうでもいい事を考えていたからだろう。私は私の前に出てきた白いモフモフに気づかなかった。
ぶんっ!
「あああああああああああああ!!!!」
「………ふぇ?」
目の前にはふらりと倒れるフィンレー皇子。
バタリっと倒れた皇子は血を吹き出している。近づいて来た近衛兵が焦ってフィンレー皇子に声をかけるが返事はない。
気を失っているかもしれない。
と言うか、現実を信じたくない。
聖獣がつけた傷は、それ以上の存在じゃないと癒ることはない。
私しか生かすことができない。
今の不完全な私じゃ完璧に治すことはできない。
このまま何もせず皇子が死ねば私が殺した事になるのだろうか。
「エレノアを傷付けようなど…傷口からの呪いで死ねば良い。」
「…ハークライドル。だめだよ。簡単に命を奪おうだないて。私と皇子とハークライドルだけで結界はって。」
私はそのまま膝をつきフィンレー皇子の肩から腰にかけての引っ掻き傷に触れる。
理想は《完全治癒》をしたいのだ。
だけど完全治癒は精霊王以上が使える魔法で傷と一緒にどんな呪いも治せる。あ、神様がかけた呪いは無理ね。つまり今はちゃんとしたのは使えない。だから今から使うのは完全治癒の下位互換。
深呼吸をしてから魔力を練る。
数分か数十分かたっただろうか。練り終わった魔力を傷口に流し魔法を発動する。
詠唱なんてこの普通の魔法じゃない魔法にかかっては集中力をじゃまする分子でしかない。
うん。一見大丈夫そう。でもこの大丈夫な感じが続くのは二日ほどだろう。
『すまない…エレノア嬢の許可をとってからすべきであった。』
丸い耳をぺしゃんと垂れて言う様はなんでも許してあげたくなるほどには可愛い。いつもの威厳は何処へやら。
「過ぎたことはしょうがありませんよ。次に気おつければよいのです。」
聖獣と私は家族です。大切な存在だから悪く言われたり乱暴されたら反撃するし守ります。
今回の事件に対する民の意識はどうなるでしょう。
幼い第三王子を殺そうとした聖獣。響きは最悪です。もし私が聖獣に好かれる体質と皆が聞いたらどう思うでしょう。みんな王子の性格なんて知りません。私が怒ったから皇子に傷をつけるよういったと思うかもしれません。
「結界を解いて。」
ハークライドルが結界を解くとそこには陛下とお父様、そして大柄な騎士の人と医者が何人か。
遠巻きにこちらを眺める騎士達は明かに怯えた目でハークライドルを見ている。
ちがうのに。
少しばかり、愛が過ぎただけだ。
そんなに誰でも彼でも傷付けたりなんてしないのに。
陛下と医者は結界が切れるとすぐに駆け寄り陛下は血溜まりに身を浸したフィンレー皇子を抱き上げた。
自分の服が汚れるのも厭わずに。何度もフィンレー皇子の名前を呼び続ける。
その鬼気迫る表情は痛々しかった。今にも泣きそうだった。
お父様はただ無表情で現場を見渡した後私の前にしゃがみ込んで抱きしめ、頭を撫でる。
まるで私も傷ついているようじゃないか。
だから、私は抱きしめるお父様の胸を力強く押し返し優雅に微笑んだ。
「フィンレー皇子は生きていますわ。大体の話は聞いているのでしょう?別室で詳しいことや、これからのことを話しましょう。」
陛下はその会話が聞こえていたのかすぐにその場を片付けてくれた。
フィンレー皇子は医務室へ私達は別室に移動した。
大体の話は騎士が報告をしていたのでちょいちょいの付け足しで良さそうだ。
「:私が皇子に少々不敬を働いたためか皇子が私を打とうとしたのでハークライドルが怒り私を庇うように立ち塞がり引っ掻いた。ご存知の通り聖獣のつけた傷はそれ以上の存在でなくては治せません。しかも今回は怒りの感情も濃かったので呪いもかかっていたようで。成人していない私では完全には治せませんでしたわ。
ただ、傷は治せました。恐らく二日ほどはもつでしょう。ですがそれ以上は持ちません。呪いで身体中が痛いと思いますわ。二日に一度は治癒をかけなくては。」
そう言うと陛下はばっと頭を下げた。
「我が愚息の数々の非礼誠に申し訳ない!だが、どうか、どうかフィンレーを助けてやれないか。」
頭を下げる陛下の声は震えていた。
本当に…なんというかこの人も大概親バカだわ。
「私が二日に一度は王子に会いに登場してると知れれば婚約者だと思われますわ。非常に不愉快でございます。ですが、このまま事を放置して私とハークライドルの変な噂が流れでもしたら困ります。だから助けはします。絶対にこの事件は揉み消してくださいね。」
「ああ!約束する!」
「自分で言うのはなんですが私は特別な存在なので私が成人すれば完全に治してあげます。それまでまでは二日に一度は登城します。別に一度かけた魔法です。視界に入れば触れなくてもかけられます。なので剣術の稽古とか外で見える稽古の日取りを教えて下さい。その時に行きますわ。」
人生良いことがあった分悪い事があるとは、本当ね。
ありがとうございます
設定が甘いとこあります…見逃してください!




