表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/25

22 お菓子作りには…筋肉が必要ですね。

ブックマークありがとうございます!


 ただ今ジャック君専用キッチンにてノア叔父様とジャック君とお菓子作り中です。作っているのは型抜きクッキー!

 お兄様達やお母様が騎士団の訓練場で訓練に参加しているそうなので差し入れのお菓子を作るという名目です。


「ふぅ…バターをクリーム状にするの、硬いねぇ。おかし作りはきんりょくがいる。ふむ、べんきょうになった。」

「ふふ、そうだねぇ。頑張ってエレノアちゃん。沢山作ってみんなに食べてもらおうね。」

「小さい子がお菓子作りしているの良いなぁ。これ父上が見たら発狂しそうだねぇ。」


 ノア叔父様、流石にそこまではないと思いますよ?たぶん。

 ノア叔父様は慣れたもので私達の倍の量のバターを混ぜている。これが大人の余裕というやつかぁ…

 私は最近ジャックと遊ぶことが多い、理由はただ単にジャックが遊びに誘ってくれるから。その様子を大人達も微笑ましげに眺めているのがここ最近の風景。ほら、呼び名もねエレノア嬢からエレノアちゃんになったんだよ。仲良し仲良し

 ハルガネットの陛下みたいに結婚する?とか聞いてこないのがいいよね。養子の話はよくくるけど。


 私たちは雑談しながら着々とお菓子作りを進めていく。

 会話の内容は城下町の美味しいお菓子屋さんとか最近波に乗っている研究者とかの話だ。うん。皇子だからね。こんな話題の方が話が弾むよ。

 よかったお兄様達の会話をしっかり聞いといて。歴史なら自信あるんだけどなぁ〜


「あ、この型抜きかわいいですわね。かめさんですわ。」

「こっちは虎なんだよ。で、これが鳥で、これが龍。つまりこれらの型抜きは聖獣様達を模してるんだよ。」


 成る程ね、なかなか彼らは国民に人気なようじゃないか。


「あ、そう言えば最近城下町で噂になってるよぉエレノア嬢。」


 ノア叔父様が唐突に新しい話題をぶっ込んできた。

 と言うか噂って、ここ最近で噂になるような事あったかなぁ…

 全然覚えがないっと言う感じの顔をしてノア叔父様を見上げるとニコニコと笑みを浮かべて口を開く。


「何でもね、『あのアルヴァレズ家にはそれはそれは神々しい見た目の真実の天使がいる。』とか、『アルヴァレズ家にはセガリット王家の血を色濃くついだ健康の女神が生まれた』とか。これってエレノアちゃんの事だよね?」

「そんなバカな。」

 私は笑って否定する。だってそんな噂が流れる理由となる事柄に覚えがないから。


「発生源は暗黒病が広がったにも関わらずすぐに鎮静化することに今成功しようとしている隣国かららしいよ?運が良かったよねぇ。たまたま暗黒病の治療法を手に入れた公爵家の人間が通りかかっねぇ。」

「確かにそれは運がいいですね。で、その公爵家の人間がアルヴァレズ家で噂の流れから察するに治療法を提供したのがエレノアちゃんって事かな。」

「……そう言えばばしゃの窓からフラフラしている人を見つけてその症状が暗黒病に似ていてちかよったらダメですよ〜て叫びましたわ…しかもがっつり病気のじょうほうと身分に名前をさけびましたわ…」


 あれだけで…と驚いていたら二人から乾いた笑みを浮かべられた。なんですの…

 だって、症状はこんな感じだから気をつけてねぇ、こんな方法で感染するからみんな気をつけるんですよ?って言っただけじゃない。


「うぅんとね、色々とまだ判明していなかった情報を沢山もたらしてくれたからねぇ、まぁ、崇めたくなるんじゃないかなぁ。」


 うぅん…最初を間違えたのか…これはハルガネットまで伝わってるのかな?私の評価が上がってしまう…婚約の話が増えるぅぅうう。


 ぎゅ…ぎゅ…とクッキーの生地を型抜きながら眉間にシワを寄せる。その様子に二人は声を出して笑う。何がそんなに面白いのか…


「かわいなぁエレノア嬢は、ねぇ?」

「そうですね。僕の従妹は表情豊かで可愛らしいようです。」




 ****




「お前らぁぁぁぁぁぁああ!!ノア殿にジャック王子殿下とエレノア姫様が差し入れを持って来てくださった!ということで休憩に入る。ちゃんと手洗ってからいただけ!」

『了解!ノア殿にジャック王子殿下にエレノア姫様!ありがとうございます!!」


 騎士団訓練所にてノア叔父様、ジャック君、私で先ほど作った差し入れを大きな籠に入れて持ってきていた。私とジャック君は一籠だけどノア叔父様は二籠持っている。さすが大人。

 騎士団長と思われる大柄な琥珀色の髪の男の人に持っていく。目は茶色のようだ。

 目の前まで来るとその背の高さに愕然とする。首…痛くなっちゃいそう。


「お母様とお兄様達がお邪魔しています。」


 そう言い渡すとにこぉいかつい顔を崩させた。なかなか愛嬌のある顔になるじゃないか。


「わざわざありがとうございますエレノア姫様。ノア殿もジャック王子殿下もいつも気にかけて頂きありがとうございます。」

「いえ、いつも守っていただいてますから。」


 おぉ、ジャック君完璧な回答だよ流石だね。

 私は訓練場を見渡しお母様とお兄様達を探す。ジャック君もキョロキョロしてディラン兄様を探しているようだ。


 あ、あの黒髪は…あぁ、ほらねセオ様だよ。でその横にいるのがブルーノ兄様とヴァルツ兄様とディラン兄様。奥で一定の距離を開けて人垣を作っているのがお母様だな。間違いない。


 タタタとジャック君とお兄様集団に駆け寄りそして私は思わず固まってしまった。

 こちらに気付いてニコッと笑ったセオ様。笑った拍子に髪が汗ばんだ顔にくっついてその髪を耳にかけた。その仕草…完璧ですぅ!!!


 まじで汗が滴っていい男感満載です!けしからん!そのシャツのボタンを数個外して見える鎖骨!!けしからん!滴る汗がただならぬ色香を醸し出している!!

 ぐはぁぁぁぁぁぁああああああ!!!


「え、エレノア大丈夫かい?」

「こちらにかけてくるエレノアも可愛かったな、ねぇセオ君」

「そうだな。無邪気で可愛らしかった。」


 かかかかか可愛らしかったですか!!!

 一気に顔に熱が集まったのがわかりました。

 あ、ジャック君を抱き上げたディラン兄様がこちらを見てニヤニヤしてるぅううう!!


「へぇ、そっかそっかそっか。へぇ、エレノアちゃんって…ふふ可愛いねぇ。」

「でぃ、ディラン兄様絶対に余計なこと言わないでくださいませね!」


 ニヤニヤしていたディラン兄様はこちらに歩いてきてゆっくりと頭を撫でました。それはそれは優しいてつきで。


 そしてジャック君を下ろし屈んだ拍子に私の耳元で囁きました。


「その恋、実に応援したくなる恋だね。エレノア嬢。」


 そう言いにかっと笑い表情にそぐわぬ優しい手付きで撫でてくれた。そしてヒョイっと抱えがげセオ様の前に来てセオ様に押し付けた。


「エレノア嬢を君に託そう。なんせ先程の王子様勝ち抜き戦の勝者だからね。決勝戦、実に楽しかったよ。」


 私を条件反射で受け取ったセオ様はディラン兄様の言葉に驚いた顔をしたかと思えば私の顔を覗き込んで申し訳なさそうな顔をした。


「それは有難いが。せっかくいい匂いのするエレノア嬢を俺が抱いたら汗の匂いが移ってしまう。」


 そんなことを言うのでクンクンとセオ様を匂ってみる。うむ、安定のいつものいい匂い。むしろいつもよりいい匂いがたくさん匂っている気がする。


「セオ様はいい匂いですわよ?寧ろ移してくださいませ。」


 セオ様の顔をジッと見つめると顔を真っ赤にして私を抱きしめた。


 っなんというご褒美…!私もセオ様の背中に手を回しぎゅっとする。セオ様のあやすように背中を撫でる手が心地いい。やっぱりセオ様…良い!!




 抱きしめ合っている私たちは気付かなかった。


 背後でブルーノお兄様とヴァルツ兄様ハンカチを噛んで悔しがり、ディラン兄様とジャック君がこんな事をこそこそ話をしているなんて。


「エレノア嬢は無臭ですよね?」

「あぁ、特に何も感じなかったセオ殿もだ。そして二人は竜人の血を引いている。つまり…」

「あぁ!成る程!二人はつがっ…」


ジャック君の口をディラン兄様の手が覆う。


「しー、鈍感な二人が気付くまで黙っていよう。」

「はい、兄上。」


二人はにっこりと微笑み合い抱き締め合う二人を眺めたのだった。





ありがとうございました!

衝動的に『北の魔王を殺せと言われましたがこんなに小さい子を殺すなんてありえませんね。さぁ!私の胸でお眠りなさい!!』という題の短編書きました。お時間があれば読んでみていただけると幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ