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21青薔薇のお茶会にて警告

ブックマーク誤字報告ありがとうございます!

 

「なんじゃ!どうしたのじゃ!んなっ!こやつ気絶しておる!」

 そう言いながらお爺様はジョセフ魔法師団長の手から鑑定石板より出たマーブル柄の紙を引き抜いた。


 そしてカッと目を見開きお婆様達のいる方へ振り返りニッコリと笑った。


「ぜひエレノア嬢をわしの娘にっグホッ!!!」

「うふふふふふ。もうお父様ったら、寝言は寝て言えですわ?」


 お母様がお爺様を締めている間にお爺さまの手からマーブル柄の紙、もとい鑑定結果が書いてあるステータス紙を引き抜く。


 結果はこうだ



 ______



 名前:エレノア・アマドール・アルヴァレズ年齢:3歳

 性別:女  種族:ハーフ人間

 状態:健康


 職業:公爵令嬢 Lv.13/50

 

 HP:157/162

 MP:9999/9999


 所持魔法:生活魔法 Lv.1


 ※以下の魔法には一定の年齢(15歳)に達するまで制限あり。


 火魔法Lv. MAX

 水魔法Lv. MAX

 風魔法Lv. MAX

 土魔法Lv. MAX

 光魔法Lv. MAX

 闇魔法Lv. MAX


 スキル:精霊術 Lv.MAX

 錬金術 Lv.MAX

 自然の祝福 Lv.MAX

 鑑定 Lv.MAX


 称号:神の寵愛 愛されし者 神の祝福を受けし者 転生者 




 ______


 ……うん。


「MAXばかりだな。さすがエレノアだ。初期値からマックスなのか?魔力は表示しきれていないな。お爺様より魔力が多いとなるとこれは秘すべきことだな。スキルの数も多すぎだし、称号がなんというか…輝かしいな。神の寵愛という称号は初めて聞いた。規格外とはこの事か…王位でも狙ってみるか?」


「おとうさまってば!ぶっそうなこといわないでくださいませ!」


 後ろから覗き込んで見ていたお父様が国家転覆を企てるようなことを言っていますが…

 冗談がきついですわね。

 実際に出来そうなことを冗談で言ってはいけません。

 だって考えてみて?実際ハルガネット王家より高貴な血が濃いし(王妃様は侯爵令嬢だった)三大帝国の中で一番魔力量が多いと言われているお爺様より魔力量多いし潜在能力だけならいける気がするよね?まぁ私に国を収める力があるかはわからな…女王やったことあるからいけるわ。 


 ……こんなぶっそうなこと考えてはいけません!


 その場は混沌と化していた。




 ***




 ただいま西の庭園にて世にも珍しい青い薔薇の花園の中、東屋にてサリーを引き連れお茶をしています。東屋の横の噴水では中で玄武のディーベルデンが泳いでいるのを横にレドラとホドラが日向ぼっこをしながら眺めている。


 お兄様達はどうしたのかって?実は今王宮でお茶会が開かれてるんだよ。昨夜に大人達が出席する夜会が開かれてたんですが。今日はお兄様達を歓迎するお茶会が開かれているのです。ディランとジャックが王太子妃様とお茶会を取り仕切るらしい。 

 今回のお茶会に出席するお嬢様方はさぞや煌びやかにしてくるのだろう。


 なんせ三代帝国の未来を背負う王太子達(次期王太子も含む)と大恋愛?で有名なアルヴァレズ家の嫡子も居る。そして皆一様に美少年ときた…さぞやお茶会は華やかなヴェールをかぶったカオスとなることだろう。


 それに比べてここはどうだろう。

 サラサラと聞こえる噴水の音、風に揺れる青薔薇達が奏でる静かな摩擦音。空を見上げると小さな雲が一つ二つ浮かぶ青空には小鳥達がチュンチュンと言いながら羽ばたいている。


 そんな穏やかな日和の中一枚のクッキーを手に取りサリーに差し出す。


「とても、おだやかですわね。サリーはい、あーん」

「そ、そんな!いけませんわお嬢様!あ、あーん」


 うん。いけないわとか言っときながらちゃんと絆されてくれるサリーのこと私とても好きよ。


 サリーが「お嬢様にあーんして貰えるなんて…!なんて幸せな職場でしょう!なんて楽園!エ・デ・ン!エ・デ・ン!」と言っている間にお皿にお菓子を入れて噴水の方へ持っていく。


「みんなでなかよくたべてね」

「エレノア様!なんと慈悲深きお方なのでしょう!感動の涙でサクサクのクッキーがシトシトになってしまうかもしれません!!!」

「「ありがとうございます!エレノア様!」」


 皆サイズは片手ほどの大きさになりもしゃもしゃと食べ進めていく。…うむ。可愛い。

 私は東屋の椅子に戻り悶えるサリーの横優雅に紅茶を頂く。


 サリーは数刻すると悶えるのをピタリと止め、しゃんと背筋を伸ばした。


 誰かがこちらに向かってきている気配がするからだろう。

 私も背筋を伸ばし紅茶を掴む指先まで意識をめぐらし公爵令嬢モードを入れる。さぁ、どこからでもかかってこい。

 まぁ、所詮3歳なので多少優雅さが少ないのはご愛嬌だね。


 さく…と柔らかい芝生を踏む音が聞こえる。そちらに流れるように視線を向けると夏の空のような爽やかな水色の髪を藍色のリボンで一つに束ね、翡翠の少し垂れた瞳に銀縁メガネをかけた少年が居た。

 推定年齢12歳。彼を中心として一定の距離を開けて護衛騎士と思われる人たちのこちらへ向ける少々警戒した雰囲気。

 これらの情報と顔立ちと色味からヴァルツお兄様の弟君であらせられる皇子殿下と思われる。

 お名前は知らないわ!


 バッチリと目があったのでニコッと笑って椅子から降りる。


 おそらく相手も私の色味と私がこちらに旅行に来るにあたり事前に知らされているであろう私の情報から私の身元の予測がついたのだろう、ニコッと微笑まれた。


 私はカーテシーを一つして顔を上げる。

 王との謁見などではないかぎりずっと頭を下げておくことはない。

 ただ、身分が上だと分かっている相手に対して名乗るように促される前に名乗ることは無礼に当たる。

 話しかけるのは別にいいからよく間違ってしまう貴族もいるとか居ないとか…


「ご機嫌よう可愛らしいお嬢さん。そのアメジストを散りばめたような美しい髪に蜂蜜を溶かし入れたような魅力的な瞳…。アルヴァレズ家の、ブルーノ兄さんの妹君のエレノア嬢で間違いないかな?」


 穏やかな表情に優しい声色、落ち着いた喋り口。なかなかに好印象を抱くね。


 私は淑女然とした微笑みを顔に浮かべ口を開く。


「ご存知のようで光栄に思います。おはつにおめにかかります。私エレノア・アマドール・アルヴァレズと申します。お兄様ががおせわになったようで。」

「ふふ、そんな事はないよ。それに堅苦しい話し方はやめよう。君は僕の従妹なんだから気軽気はなそう。

 そういえば昨日ブルーノ兄さんに会った時は驚いたよ、雰囲気がガラリと変わっていてね。重症のシスコンになっていた。我が兄やセオドリク殿下もかなりエレノア嬢にご執心だったし、とても面白かったよ。

 でも、こんなに可愛らしかったら仕方ないね。僕もヴァルツ兄さんのようにアシュルお兄様と呼んで欲しいなぁ。

 あ、僕アシュル・ウィル・ハルガネットね。よろしく」


 そう言いアシェルお兄様は私の前に片膝をついて頭を撫でてくれた。

 あ…頭撫でるの慣れてますね!!


「よろしくおねがいいたします。アシェルお兄様。こちらへどうぞ。そういえばお茶会は良いんですの?このじかんだとまだ始まったばかりですわ。」


 アシェルお兄様を東屋でのお茶会に手でどうぞと座るよう誘いつつ、そういえばと思ったことを指摘する。

 するとアシェルお兄様は若干顔を固まらせてからさっと椅子につき完璧なキラッキラの笑顔を貼り付け首を傾げた。

「なんのことかな」と。


 その瞳の奥からはこれ以上聞かないでくれとひしひしと伝わってくる。


 ほほう…成る程、御令嬢だちが新しい王子様達に夢中になっている隙をすいて会場に一歩踏み入れてすぐに抜け出してきたと言ったところかしら。


 やはり本日のお兄様達が出席しているお茶会はカオスなんだわ。


 よかった私はお茶会に出席しなくて良くて。この世界ではお茶会デビューの年齢が決められていて5歳からだ。


 あぁ、若いって良いわぁ。



 サリーがいつのまにか用意したティーカップに紅茶を注いでいます。


 そのうちに私はお菓子を差し出す。

 お菓子の皿は3皿に分かれておりセルフで取る感じに守られている。

 私から見て右の皿が甘さ強め、真ん中が普通左が甘さ控えめのお菓子が入っている。


 そう説明して差し出すとアシェルお兄様は一番右のお菓子を取った。


 甘党ですわね?留学から帰ったら王都のお菓子屋さん巡りに共に参りましょう。

 あ、いつの間にか噴水にいた三体が居なくなってる。多分玄武が気を利かせてくれたんだろう。



「エレノア嬢は3歳だよね?大変しっかりして我が弟と全然違うね。同じ歳だと思えないよ。」


 ため息を吐く様はなんだかお疲れの雰囲気。まだ三歳なんだからわがまま言ってて普通じゃないの?

 そういう思考が顔に書いていたのかアシェルお兄様は首を横に振った。


「誰が教えたのか言うことを聞かない使用人に、クビにするだの解雇するだの僕は王子だぞって我が儘放題なんだ。この間の長期休暇であった時は驚いたなぁ…最近では暴力的になってきたとかでペンや家具を使用人に投げつけて怪我をさせているとか。父上や母上、兄さんや僕が注意しても聞く耳を持たないし…困ったものだよ。」

「それはそれは…困ったものですね。」

「そんなんだから家臣の貴族達にも人気が無くてね。後ろ盾がないんだよ。王妃の実家の侯爵家にも見放されいるというか…あのまま育てば暗殺でもされそうだ。」

「ぶっそうですわね。ですが、聞いているかぎり仕方ないようにも聞こえますわ。」


 確かに後ろ盾がないとなぁ…王子として生きていくには大変だろう。性格をおおせるほど何かに優れていたら話は別だけど。


 それから暫くはどうって事のない話を思いつくまま気ままに話し、アシェルお兄様の護衛騎士が迎えに来てこの場はお開きとなった。


 最後お別れのカーテシーをした後アシェルお兄様に手招きされ近寄るとお兄様は屈んで私の耳元で呟いた。


「父上はエレノア嬢を我が弟フィンレーの婚約者にと望んでいる。父親として敵の多い末っ子には大きな後ろ盾が欲しいそうだ。…実は今回君たちが訪れた時話す機会があればフィンレーの好感度を上げておくように言われていたんだが…」


 アシェルお兄様はパチンっとウィンクをしてお茶目にチョコっと舌を出した。


「下がってしまったようだ」


 いや、意図的に下げたんでしょーが!





 アシェルお兄様は良い人なようです。




ありがとうございました!

3話にてヴァルツお兄様のの瞳の色を書くのを忘れていたので付け足されております。


ヴァルツ兄様はパールパープルの髪に青藍の瞳です。


拙い文章に緩い設定ですみません…

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