僕は痛みを感じない! でもキミの事だけは傷つくんだ!!!
僕の名前は 『ラダン・グレーイング』
僕のお父さんは、由緒ある家で生まれた人で、、、。
僕の家系は、王家に供える貴族です。
そんな僕は、、、僕が幼い頃から痛みを感じない子供でした、、、!
大怪我をしても、骨折しても痛みを感じません。
・・・それは、心もそうなんです!
どんなに傷つく事を言われても、何も感じないんです...。
だから、僕は幼い頃からずっとイジメられていましたが、、、!
僕は何も感じなかった、、、!
同じ歳の、男の子たちから石を投げられても、意地悪な事をされても
怪我をさせられても、殴られても、僕は全く何も感じなかったんです、、、!
心が傷付かないんです!
いや、傷ついていたのかも知れない、、、!
正常な判断ができなかっただけかもしれません。
*
そんな僕にも、たった一つだけ、、、!
傷つく事がありました。
幼馴染のジュランの事は、違ったんです。
僕とジュランは、まるで兄妹のように育ちました。
彼女は、僕より1つ下の女の子なんです。
ジュランの事だけは、特別に僕は想っていたのかもしれません。
どんな事があっても、傷つかない僕がジュランの事になると、、、?
心が取り乱れるのです。
僕は、この気持ちが何なのか、、、?
まったく分かりませんでした。
ジュランは、お父さんの親友の娘です。
でも、王家に仕える僕のお父さんやお父さんの親友は、戦争が起きた時。
直ぐに戦争に駆り出されてしまって、、、。
お父さんの親友は命を落としてしまいました。
ジュランの母親は、旦那さんが亡くなった事で身分が落ちてしまい、、、!
子供を育てて生活はしていけません、、、!
そして、ジュランを僕のお父さんに託したんです。
『デビット! お願い、私はもうこの子を育ててはいけない、、、!
貴方が、この子の面倒をみてあげて! 私は自分一人がやっと暮らせる生活
になってしまうから、、、! 何時か? この子にまた会えるなら、その為
にも私も頑張るから! それまでこの子を、、、デビット! お願い!!!』
『分かったよ! 俺に任せてくれ! リーラン! この子は、どんな事が
あっても! 責任を持って俺が育てていくよ! リーランこそ! 何かあったら?
俺に言うんだぞ! 俺でよければ、力になるから、、、!』
『えぇ! ありがとうデビット! 頼める人が貴方で良かったわ!』
▽
僕のお父さんとリーランが会ったのは、、、それが最後だったんです。
身分が一番下になった者は、奴隷のように扱われる!
リーランの死体は、ゴミの中で発見されたらしい、、、!
この時代では、身分が全てだ、、、!!!
そうでない者は、人間扱いをされない、、、!!!
*
こうして、僕とジュランは一緒に育っていくが、、、!?
僕は弱虫で、控えめな人間で、人に言われたら、、、?
言い返す勇気すら出来ない、、、! 臆病者だから...。
でも、傷つかない僕は痛みを感じない!
だけど、、、?
いつも僕の傍で見ているジュランは、そんな僕を見て、、、!
数人いる男の子達の中に飛び込んでいき、勇敢に僕を助けてくれる!
『どうして? 何もしていない! ラダンに意地悪するの、、、?』
『それは! ラダンがいけないんだ! 弱いからイジメられるんだよ!』
『そんなの? おかしいわよ! ラダンは優しい男の子よ! 何もしていない
ラダンをイジメる事がおかしい! それに、ラダン1人に数人の男の子が寄って
たかって! イジメるなんて! 男らしくないと思うわない!?』
『・・・・・・』
『でもさ~ラダンは痛みを感じないんだよな~! だったら? これくらいの事
大した事ないだろう、、、!』
『そうじゃないわ! 痛いと思ってても! ちゃんと正常に機能していないだけ
なのよ! 本当は、みんなと一緒で痛いのよ! ちゃんと痛みを感じているの!』
『・・・なんだよ、それ!』
『とにかく! もうラダンを傷つけないで、、、!!!』
『分かったよ、行こうぜ~! でも良かったなラダン! 助けてくれる女の子が
いてさ~!』
『もぉ~なんで! そんな言い方するのよ!!!』
『みんな行こうぜ~!』
『じゃあな! ラダン!』
『・・・・・・』
▼
ジュランは、僕にとって! 『ヒーロー』なんだ、、、!!!
僕を助けてくれる、戦士なんだよ!
・・・でも、そんなジュランが何者かに、、、!!!
攫われてしまった、、、!
僕は、ジュランを助けにいく事に決めたんだ、、、!
ジュランを攫ったのは、僕の事が嫌いな【アレックス】だった、、、!
アレックスは、ジュランの事が好きだったし、、、!
強引に、ジュランを自分のモノにしようとしていた、、、!
それに、僕に手紙を突き付けてきたんだ!
その主が、アレックスだったからだ、、、!!!
『ラダン! ジュランはオレが預かっている! ジュランを助けたいと
思うなら、1人でここに来い! いいな! 決して誰にも言うな!
言ったら? 直ぐにジュランを殺すぞ! 分かったな!!!』
何にも感じない僕が、ジュランの事になると、、、?
豹変していくのが分かる、、、!!!
僕は、怒りでどうにかなりそうだった、、、!
どんな事があっても、ジュランの事を助けると心に決めたんだ、、、!!!
*
そして僕は、アレックスが指定してきた待ち合わせの場所に着く。
そこには既に、アレックスとジュラン、アレックスの家来が2人いた、、、!
『よく1人で来たな~! お前を褒めてやるよ~! でも、ジュランは
オレのモノだ! ここで決着をつけて! ジュランはオレのモノにする!』
『やめて! ラダン、貴方にはアレックスを倒せないわ! だからやめて!』
『何を言ってるんだよジュラン! どんな事があっても、僕はキミを助ける
から! 心配するな!』
『・・・・・・ラダン、』
『弱虫のラダンが生意気だな~! おい! お前たちやっちまえ~!』
アレックスの家来2人が、僕に飛びかかってきたが僕は王家に仕える貴族の息子だ!
こんな奴らに負ける訳がない!!!
あっという間に、アレックスの家来2人をやっけた、、、!
『・・・・・・ラダン、』
『今度は、オレの番だな! 剣を抜け!』
・・・僕は剣を抜き、アレックスと戦った、、、!
▽
勝負は一瞬だった、、、!!!
僕は、アレックスの握っていた剣を振り払い、僕の剣がアレックスの喉仏に、、、!
『決着がついたなアレックス!』
『・・・ウウッ! ま.負けた、、、!』
*
僕は無事に、ジュランを助け出す事ができたんだ、、、!
僕は思わず、ジュランを抱きしめた、、、!
涙が勝手に、、、!?
『・・・ラダン! 泣いてるの?』
『キミに何かあったら? 僕は、僕は、、、!』
『ラダンのそういう優しいところが好きよ!』
『ねえジュラン? 僕と結婚してくれないか?』
『えぇ! 私もずっと、そう想っていたの!』
・・・こうして、僕とジュランは結婚したんだ、、、!
『僕は痛みを感じない! でもキミが傷つくのは耐えられない!』
それだけは、僕にとって! はっきりしている事だった、、、!!!
最後までお読みいただきありがとうございます。