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魔王スキル

禍々しい空、意味のわからないくねり方をして生えている木。

そしてなにより意味不明な物それは

『魔物ギルド』

というこの看板。あたりには『目指せ次世代の魔王!』 なんて胡散臭い立て看板まで設置してある。


『真央さん真央さん!聞こえますか〜』


頭に声が響いてきた。この声どこかで聞き覚えがある。


『先程はどうも〜 さしあたってはこうやって私がサポートしてあげますね〜』


「女神のサポート持ちの魔王とかありなのかよ!」


『ありですありあり! どうせ勇者はほとんどチート持ちの俺つえぇえ無双な人達ばかりですし。…私の担当がヘッポコだと成績にかかわるんです…』


「おい 今成績とか言ったろ!」


この女神は本当に大丈夫なのだろうか。そもそも勇者はチート持ちってそんなのがバンバン送り込まれたんじゃ魔王がいくらいても足らないのは当たり前だ。

そもそも俺が魔王になるって事はそんなヤツらと戦うって事だよな…


『うるさいわね!細かい男は嫌われるわよ! コホン、魔物ギルドで魔物証明書を発行してもらってください!証明書がないと魔界法的に活動できないので』


この女神段々扱いが雑になってねぇか

この魔界にいたってはどんだけ秩序に溢れてんだよ、と思いながらもギルドの扉を開く。


ギルドの中は酒場のようになっており、壁にはクエスト依頼らしき紙が貼ってある。

『毒沼管理No.4に勇者が現れたので討伐してください ★★★☆☆』


★はおそらく難易度だろう。魔物もクエスト制らしい。


「あの、魔物証明書の発行にきたんですけど」


「あら新しい魔物さんね。ようこそ魔物ギルドへ!では発行の手続きしますのでこちらの紙に必要事項を記入してくださいね」


見え!!なんとけしからん!ほとんど隠れてないに等しいマイクロビキニの巨乳。

紙を記入しながら横目でた2つのゆんたゆん果実を追う。

真央はとんでもない事実に気がつく。

2つの果実の淫靡いんびな突起を隠す小さく薄い布。その布の端から白桃色の輪郭が見えているのだ!


『真央さ〜ん その人サキュバスだから、あまり見すぎると精気吸われすぎて死んじゃいますよ〜』


「見てねぇし! 見えてただけだし!!」


女神の声は聞こえないカウンターのサキュバスのお姉さんは不思議そうな顔をしてこちらを見ている。

慌てて必要事項を記入して紙を渡す。


「人型の魔物で登録完了です。それでは魔王をめざして良い魔物ライフを!」




「とりあえず証明書発行は済ませたけど、これからどうしたら良いんだ?」


『そうですねぇ、レベル1ですし レベル上げしましょうか。何か簡単そうなクエスト選んでくださいよ どうせ簡単なのしか無理だろうし』


女神のくせにいちいちイラっとする、クエストを受けないかぎりはレベルも上がりそうもないので真央は渋々クエストを受ける事にした。


『近くの村から村娘を一人拐ってくる ★☆☆☆☆』


とりあえず難易度の低そうな村娘を拐ってくるクエストを受ける事にした。

女の子を誘拐するのは気が引けるが今は魔物なんだから許される所業である。


近場の村とやらに向かう事にした。

魔物の町を出でてしばらく歩くと湖のような場所にたどり着いた。

湖は紫色をしておりあからさまに禍々しさを放っている。


--ガサガサ--


茂みから音がすると人が飛び出してきた。

立派な鎧を身に纏い、光り輝く剣を握る男。『勇者』である。


「おい女神!いきなり勇者っぽいやつと出会っちまったぞ!!どうすんこれ!」


『いちいちどうするどうするうるさいわね!! 私が付与してあげた魔王スキルを使えば良いじゃない』


魔王スキル…そうだ、転生前に女神が付与してくれた魔王に必要なスキルというのがあった。

それを使って勇者を倒すしかない!!


『手を勇者にかざして何かを出すイメージをすれば良いわ』


まさか凄いかっこいい魔法とかでちゃうのか!いきなり勇者を倒して魔王になっちゃうのか!


「いでよ!!」


真央の手が光り、手の周囲が一瞬歪んだかと思うと”ソレ”が勢い良く勇者を襲う


「うぁ、なんだこれは! クソ魔物め!! や…やめろ!」


勇者に”ソレ”が絡みつき締め上げる。

締め上げる”ソレ”は勇者の首元から鎧の中に入り勇者を苦しめている。


「あぁぁ! やめろぉ! 鎧が… あっ… このやろうドコ触ってやがる! んっ…」


勇者の鎧が徐々に溶け鍛え上げられた肉体がゆっくりと露わになっていく。


「おぃぃぃいい!女神!! なんだこのスキル! あきらかに触手だよな! どうみても触手だよな! これのどこが魔王に必要なスキルなんだよ! 完全にエロゲー序盤のモンスターの技だよな!!」


『魔王と言ったらやっぱり 拐って来た娘でハーレムじゃない!』


「なんてエロゲーだよこのエロ女神!!」


勇者の身体を舐めるように這い回る”ソレ”は徐々に下背後の方へ移動を始め、鍛え上げられガチガチに張りのある割れ目を優しく舐めあげる。”ソレ”は勇者のラストダンジョンを目指し勢いを加速させていった。


「ちょっとまてえええええ!! やめろやめろやめろ! 触手さんやめてください! 俺は男のそんなの見る趣味はありません! おい! 女神! なんとかしろ!」


『えぇ…今良いとこじゃない! 私はもっと見てたかったんですけどー… 仕方ないわね、消えろって念じれば消えるわよ』


「お前今残念がったろ もう喋りも取り繕わなくなったな! クソ女神が! 消えろ!!」


触手は消え勇者の貞操は無事守られたようだ。

勇者はグッタリと横たわり時折、ビクン ビクン と痙攣しているようだったので真央は… 逃げた。


魔物ギルドに無事帰ってきた真央はギルドカウンターでクエスト失敗の報告する。


「どうすんだよコレ… こんなエロゲみたいな触手でどうやって魔王になんだよ…」


『でも勇者は撃退できたじゃない! ほら証明書を見て!レベル上がってるわよ』


《魔種:人型 結城ゆうき真央まお レベル:1 スキル:触手-レベル2》


「触手のレベルが上がってどうすんだよ! なにか? 出せる本数でも増えたとかそんなとこか!?」


『触手の本数が増えるとかなんて最高なんでしょう!やったわね』


こんなただの淫乱いんらん女神だったとは… こんな触手で魔王を目指さないといけないとは先が思いやられる。


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