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「よ、おはよう」


 僕は、決意をした翌朝、HR前の教室で工藤に話しかけた。窓から漏れる光がまぶしかった。工藤と一緒に窓際の席で固まっていた5人程のグループ――いわゆるイケてるグループ――がこちらを見た。


「ああ」


 それは返事とも言えない返事だった。5人は明らかに動揺していた。クラスで最下層の男からいきなり声をかけられたのだ。しかも、かなり対等な感じで……。


 正直に言おう。僕の心臓もかなりヤバかった。僕の人生でこれほど無理した「おはよう」は初めてだった。


 僕はとりあえず、それだけ言うと、自分の席に戻ってきた。


 5人組はこちらを見ていた。奥でたむろしている彼等の声が聞こえてくる。


「なに今の……」

「さぁ」


 僕は正直、その言葉だけでも傷ついた。隣の席を眺めた。彼女はまだ登校してきていなかった。朝のHRまで時間があったからだ。


 いくらファックする為とはいえ、結構なストレスだなと思った。だって「ああ」だぞ。人に対する返事でそれはないだろ。その後、「なに今の……」だぞ。くそ。スッゲーイラッとしてきた。


 ――しかし、ファックするためだ……。


 僕は心を落ち着けて思った。


 もう一度声をかけよう。


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