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ひまわりの春と月物語  作者: 朝丸。
一…月宮家の人たちと来客
14/26

12



私と翔季さんが黙って立ち尽くしている時間は長く感じた。数秒間だっただろうけど。



「うるせえよ泉ー。あと9:30過ぎてるなら教えてくれてもいいだろ、に……」


翔季さんではない声に顔を向けると、台所で突っ伏して寝ていたはずの蒼汰が眠そうに目を細めたまま翔季さんの背後から顔を覗かせた。言いかけたところで私と翔季さんの様子に首を傾げた。


「何やってんだよ」


蒼汰はそのまま目の前にいる翔季さんの手を掴んで顔を覗き込んだ。翔季さんも顔を覆った手を離すまいと抵抗していたが、やっぱり体の大きさと力は敵わなかったらしい。

あっさり引き剥がされていた。



「お前は眠いならさっさと眠れよ!」


翔季さんのバリアが蒼汰によって解かれた瞬間、顔を覗き込んでいた蒼汰へと頭突きがかまされた。


即ノックアウトされた蒼汰が額を押さえてその場にしゃがみこんだ。

「痛……」

額を押さえながら呟き、その格好だけ見ると泣いてるように見える。蒼汰がしゃがみこんだすぐ後に翔季さんは腕を掴んで立たせ、そのままリビングへと戻っていった。


二人が和室から出たのを確認してから、さっき投げ捨てた下着を広い角ハンガーに掛け直した。……次から人が来る時はちゃんと確認しよう。

翔季さんの後に続いて私もリビングへと移動する。

「あれ、蒼兄どうしたの」


翔季さんに腕を引かれるようにしてリビングへ来た蒼汰を見て陽は笑いながら言った。さっきまでソファーで眠っていた陽は、立ち上がって伸びをしている。


「知らねー。いきなり翔季の奴がキレて……」

「もー部屋に戻ろうなー」


不満そうに陽に向けて言おうとした蒼汰の言葉を、翔季さんは被せて棒読みにいった。

未だに耳たぶはほんのり赤い。


「ほーはよ(そーだよ)、早く部屋行こうよ。話す前に寝落ちするかもだよ」


そう言って欠伸をする陽の腕を今度は蒼汰が掴み二人仲良く翔季さんに引っ張られていく。

リビングを出る時に三人が振り返りそれぞれに言った。


「盗み聞きしないでよ」

「お前も早く部屋に戻れよー? 」

「おやすみなさい」


【一…月宮家の人たちと来客】end


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